おそらくは何の役にも立たない
と思ったがもしかしたら役に立つかもしれない
説明の必要なし。第弐拾六話タイトルの元ねたである。
筆頭にもってきたくせに恐縮だが、未読である。
なぜこの作品がこんなところにあるのかは秘密である。
内容的にはほとんど関係ない。問題はこの表題である。
「人類補完計画」の元ネタであろう「人類補完機構」の連作である。
「鼠と竜のゲーム」収録の「鼠と竜のゲーム」、シリーズ中私の一番のお気に入りである。
ハヤカワJAで100番以下で生き残っているのはこれだけである。と思っていたら新創刊1周年記念ということでいくつか復刊していた。しかし一桁で生き残っているのはこれだけである。(笑)
第拾六話の虚数空間、ディラックの海という単語に反応してこの作品を連想した人は多かろう。
しかしそれだけでなく、SFセミナーでの談話によると庵野監督はエヴァを始めるにあたってこれを再読したそうである。まあネタ本のひとつだと思って間違いないであろう。
第拾話「マグマダイバー」の元ネタである。
太陽に住む知的種族。彼らこそ人類を知的種族へと進化させた存在なのか。
かくして人類・銀河種族合同の探検隊が組織され、船は太陽の内部へと突き進む。
熱いところへ潜って未知の物と接触する、ってとこだけかな、共通点は。
とか言いつつ確信犯的に未読。なぜなら読み始めたら、「サンダイバー」→「スタータイドライジング」→「知性化戦争」とブリンの作品を次々に読むはめになりそーで恐いから。(昔ベンフォードでやったことがある ^_^;)
恒星に突っ込んでも大丈夫な宇宙船というとソノラマから出ていた「ハイスピードジェシー」シリーズに出てくる宇宙船パオロンを思い出す。このシリーズにはプログレッシブナイフを武器に使う牧師(彼を主人公とした外伝も1冊出ていたはずだよなあ)も出てくるので、このページに1項目設けたいのだが…作者が解らん。何冊か持っていたはずなんだけどなぁ…。
人類進化ネタの定番である。
ラストに進化へと通じる小部屋が出てくる。エヴァのラストからなんとなく連想してしまう。ついでにラストが1回見ただけでは意味不明なのも同じ、説明すべきことを説明しないところも同じである。(ただし、映画の話である)
しかし発端が月でモノリスを掘り出すところも、南極で神様を拾うエヴァと似ている。監督の素性を考えるに元ネタのひとつではないかと思っている。
人類進化ネタの定番である。
エヴァの終局のひとつ、第弐拾五話で人類補完計画の目的をオーバーロードと重ねてみたのは私だけではないと思うぞ。
「80年代の『幼年期の終わり』」と呼ばれる人類進化ネタの定番である。
エヴァの終局のひとつ、第弐拾五話で人類補完計画の目的をリンパ球と重ねてみたのは私だけではないと思うぞ。
愛するがゆえに、その男と女は共に死を望んだ。そして、彼女は死に、男は生き残った。
男は霊安室へと忍び込み、彼女の卵細胞を切り取った。男は自分の専門知識をすべてつぎ込み、その卵細胞を元にクローン人間を創り上げる。男はそのクローンを娘として育てはじめた。クローン有機体として生まれた生命体は、その母体の記憶をも受け継ぐという<レヴィン仮説>に想いをたくして。
過ちを正すために。そして、詩帆を取り戻すために。
梶尾真治氏の作品のベストといえば、「美亜へ贈る真珠」があげられることが多いが、私は絶対に「詩帆の去る夏」をあげる。
「そのまんまやんけ!!」と言いたくなるようなこの話を思い出したのが今年の始め。ようやく掲載されている「地球はプレイン・ヨーグルト」を探しあてた。
しかしほんとにそのまんまだよなあ。
内乱による混乱から復興をはじめる日本。
信州の奥地で暮らす少年のもとへ、何年も別れたままの父親からの手紙が届く。「至急、来い」と。少年の世話をしていたおばさん−かっての少年の両親の同士−はその手紙に不穏なものを感じ、少年を脱出させる。少年は自分の求めるものも解らず、状況に流されてゆく。
逃亡、少女との出会い、そして、父との再会。現在の父はかっての自身の敵、機甲警察大隊長官となっていた。
そして襲撃。
少年は自身の求めるものを知る。
自閉ぎみな主人公、強大な組織の頂点に座るその父。今は亡き、理想を掲げた母。主人公の父に思いをよせるかっての同士。…どっかで聞いた話だな。(^_^;)
初版発行は1995年9月1日。エヴァとはまったく繋がりはない。これを読むと、エヴァが物語の枠組みとして持っているものは、決して目新しい物でもなんでもないことが解る。
エヴァに無理矢理なぞらえるとすると、シンジ、ゲンドウ、ユイ、リツコの役割がそのまま出てくるかな。ヒロインは普通の娘だけど。(ミサトもいないわけじゃない)
エヴァをオーソドックスに閉じるとすると、こーなるかな、やっぱり。
指摘:河合章紀氏
残念ながら未読。「トンデモ本の逆襲」にある紹介でしか知らない。
私は指摘を受けるまでまったく思い付かなかったのだが、見直してみると、「ドグマ」「地下の巨大な秘密基地」「人工的に造られる不死身の巨人」「培養カプセルで眠る大量の美少女のクローン」…なんだ、そのまんまじゃねーか。(^_^;)
この小説が収録されている「骨なし村」は初版が1977年である。古本業界に詳しい唐沢俊一氏によると最近はかなり人気があるらしく、古書目録に掲載されると怒涛のごとく申込が来るそうである。一般人の入手はかなり難しいだろう。
この作品がエヴァに与えた影響はまったくの未知数である。紹介している「トンデモ本の逆襲」にしても1996年4月1日の発行であり、とうていこの本での紹介が影響したということは考えられない。と学会内部でそれ以前に取り上げられた可能性を現在調査中であるが、取り上げられていなかったとしても、それは庵野監督がこの作品を知っていた可能性を否定できるものではない。(類似点は偶然の一致であると思うが、それを言ってはこのページの存在意義がなくなってしまう。それだけは言わない約束である)
旧約聖書の外典偽典に関する網羅的な解説書である。解説書なので、外典偽典の本文は収録されていない。
エヴァの使徒の元ネタではないかとちまたでいわれるエノク書の解説がある。おまけにクムラン写本というのは名高い死海写本の別の呼び名である。
スラヴ語版エノク書、エチオピア語版エノク書が収録されている。ギリシア語版はない。日本語に翻訳されてないのかしらん??
はっきり言ってエヴァのためにこれを読もうというのはやめておいた方がよい。時間の無駄である。少なくとも旧約新約聖書を読破しキリスト教に対する一定以上の知識がないと、訳注を見ながら読んでもさっぱり理解できないことは間違いない。
読んだ本人が言うのだから間違いないぞ。
押井守監督。
第弐拾五、弐拾六話の劇場空間、魚眼レンズのような構図、長まわしなセリフ、これらすべて押井監督の常套手段である。
エヴァの後半で出てきたこれらの演出を楽しみたければおすすめである。
人形を抱いた狂った母親、最後に出てくる集合意識。あまり関係なさそうだが、とりあえず。
まったくの余談だが庵野監督はクシャナがいたくお気に入りだそうである。
日本のアマチュア特撮の最高峰。パッケージ表は怪獣と対峙する庵野監督である。ちなみに手元のテープはβである。そーゆー時代の作品である。
監督:庵野秀明、特技監督:赤井孝美、プロデューサー:武田康廣というとんでもない超豪華なメンバーである。
庵野監督が素顔で怪獣と闘う話である。と、いうことだけが巷では紹介されているが、これは「同胞の敵を討つんだぞ!貴様それでも地球人か!」といわれたウルトラマンが自分のアイデンティティに疑問を抱きつつ怪獣と闘うという非情にハードな話である。決してギャグ作品ではない。庵野監督の作品の中ではエヴァにもっとも近い作品ではなかろーか。
今回これを書くのに見直したのだが、無茶苦茶面白いわ、これ。
Book Data.
- 「世界の中心で愛を叫んだけもの」
- THE BEAST THAT SHOUTED LOVE AT THE HEART OF THE WORLD
- ハーラン・エリスン 著
- 朝倉久志・伊藤典夫 訳
- ハヤカワSF文庫 エ-4-1 SF330
- ISBN-010330-5
- 「たったひとつの冴えたやりかた」
- THE STARRY RIFT
- ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア
- 朝倉久志 訳
- ハヤカワSF文庫 テ-3-2 SF739
- ISBN-010739-4
- 「鼠と竜のゲーム」
- THE BEST OF CORDWAINER SMITH
- コードウェイナー・スミス 著
- 伊藤典夫・朝倉久志 訳
- ハヤカワSF文庫 ス-4-1 SF471
- ISBN-010471-9
- 「ノーストリリア」
- NORSTRILIA
- コードウェイナー・スミス 著
- 朝倉久志 訳
- ハヤカワSF文庫 ス-4-2 SF710
- ISBN-010710-6
- 「シェイヨルという名の星」
- THE BEST OF CORDWAINER SMITH
- コードウェイナー・スミス 著
- 伊藤典夫 訳
- ハヤカワSF文庫 ス-4-3 SF1062
- ISBN-011062-X
- 「百億の昼と千億の夜」
- 光瀬龍 著
- ハヤカワJA文庫 ミ-1-1 JA6
- ISBN-030006-2
- 「サンダイバー」
- デイヴィッド・ブリン 著
- 酒井昭伸 訳
- 早川SF文庫 フ-4-3 SF685
- ISBN-010685-1
- 「2001年宇宙の旅」
- 2001:A SPACE ODYSSEY
- アーサー・C・クラーク 著
- 伊藤典夫 訳
- 旧版
- ハヤカワSF文庫 SF243
- ISBN-010243-0
- 新版
- ハヤカワSF文庫 ク-1-19 SF1000
- ISBN-011000-X
- 「幼年期の終わり」
- CHILDHOOD'S END
- アーサー・C・クラーク 著
- 福島正美 訳
- ハヤカワSF文庫 ク-1-8 SF341
- ISBN-010341-0
- 「地球幼年期の終わり」
- CHILDHOOD'S END
- アーサー・C・クラーク 著
- 沼沢治治 訳
- 創元推理文庫 611-2
- 「ブラッドミュージック」
- BLOOD MUSIC
- グレッグ・ベア 著
- 小川 隆 訳
- ハヤカワSF文庫 ヘ-2-1 SF726
- ISBN-010708-4
- 「詩帆が去る夏」
- 「地球はプレイン・ヨーグルト」収録
- 梶尾真治 著
- ハヤカワJA文庫 カ2-1 JA114
- ISBN4-15-030114-X
- 「ハイパーボリア」
- やまむらはじめ 著
- ホビージャパンコミックス HJC052
- ISBN-4-89425-081-0
- 「骨なし村」
- 著者 佐藤有文
- 発行所 株式会社 カイガイ出版部
- 初版1977年 入手困難
- 収録作
- 「トンデモ本の逆襲」137ページに紹介あり
- 「トンデモ本の逆襲」
- 著者 と学会
- 発行所 洋泉社
- 「旧約外典偽典概説 付 クムラン写本概説」
- 著者 レオンハルト・ロスト
- 訳者 荒井 献・土岐 建治
- 発行所 株式会社 教文館
- 愛知県図書館資料番号 1100561278
- 「聖書外典偽典3 旧約偽典1」
- 訳者 左近淑・土岐建治・柴田善家・森安達也・石川耕一郎
- 発行所 株式会社 教文館
- 愛知県図書館資料番号 1100561189
- 「聖書外典偽典4 旧約偽典2」
- 訳者 森岡崇光
- 発行所 株式会社 教文館
- 愛知県図書館資料番号 1100561198
- 「うる星やつら2 ビューティフルドリーマー」
- 1984年
- 東宝:LD/ビデオ:劇場作品
- 98分
- 「紅い眼鏡」
- 1987年
- バンダイビジュアル:LD/ビデオ:劇場作品
- 120分
- 「Talking Head」
- 1992年
- バンダイビジュアル:LD/ビデオ:劇場作品
- 105分
- 「風の谷のナウシカ」
- 宮崎駿 著
- 徳間書店
- 全7巻
- 「帰ってきたウルトラマン」
- DAICON FILM
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Sunday, 09-Sep-2007 18:42:27 JST