12月31日(平成14年よ、ありがとう)

 平成14年は今夜で終わりです。今年になって365日経ったわけです。この絵は今夜午後5時の御器所の空です。美しい太陽が西の遠くの山の端に沈もうとしています。
早く描かないと景色の色が変わってしまいます。
  薄い雲の中と外側に夕陽の赤と黄色が混じり合って、
なんとも言えない荘厳な姿を現しています。
 赤と青と黄色と黒の4色で表現してみました。どうしたわけか、雲も光りも左から右斜め上方へと流れています。西へ西へと夕陽の光りは動いているようです。西の彼方に極楽浄土があるぞと語っているようです。この夕焼けの美しい光景を4色で短時間の制約の中で表現することはとても困難なことです。
 ああこれは、こんなことを考えているということは、佛土の美を時間と空間の中に完全に映し出すということは、とても出来ることではないということでしょうか。佛土とは永遠にして広大であり、その形は無限に在るといことであり、無限次元が佛土の真実の相であるということでしょうか。
 ああそれで今年365日かかって少しばかり佛土を表現したのであり、明日からまた365日かかって、またまた1年間に佛土の荘厳を映し出すのですね。そしてまた次の年も、次々の年も人生の芸術作品は創造されるのですね。いやいや自分が創造するのですね。自分が人生劇場の主人公なんですね。
 こんなことを考えているうちに、外は暗闇になってしまいました。町のネオンが色あざやかに輝いています。あたかも来年は良い年になりますよと言わんばかりに輝いて。
平成14年よ、さようなら。さようなら。この年よありがとう。ありがとう。お世話になりました。私を取り巻く全ての人よ物よ事よ、ありがとう、ありがとう。