4月25日
宗教の原理主義について
−−Eメ−ルによる質問(42才男性)−−
最近のイスラム原理主義によるらしいテロ事件の報道を見るにつけて「宗教が何
故このようなことを?」と非常に気になり悲しくなります。イスラムの教えとはど
のような教えなのでしょうか。万教帰一の生長の家から観たイスラムの教えについ
てご存じでしたら教えていただけませんか。
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−−Eメ−ルによる回答−−
合掌 ありがとうございます。本当に悲しいことですね。この狭い地球上で、人
間が何故同じ人間に対して、このようなテロ行為をしなければならないのか。然も
宗教を信仰している人が。
そして強大な軍事力をもってテロに報復するとは。闇と闇の戦いのような気がし
ますね。
ここで私はイスラムの根本聖典である『コ−ラン』と、それに次ぐ第2の聖典『ハ
デイ−ス』に書いてあります真理のコトバをご紹介します。聖典をよく読んでみま
すと、ユダヤ教の神様も、キリスト教の神様も、イスラムの神様も同じ神様で真理
は一つ、尊い教えであることがよくわかります。宗教同士がお互いに理解し合うこ
とが大切ですね。
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○時にアツラ−の仰せられるには「これマルヤムの子イ−サ−(マリヤの子イエ
ス)、汝と汝の母に与えた我が恩恵を憶い起こすがよい。わしは神聖な息吹きをも
って汝を助け、揺籃の中からも、また成人して後も人々に語りかけるようにしてつ
かわした。それからまたわしは汝に聖典と聖智と律法と福音書とを教えた。」(コ
−ラン、食卓109)
○彼(アツラ−)こそは真実をもって天と地とを創り給うたお方。ただ「なれ」と
ひと言仰ったその日、天地は出来上がった。その御言葉は真理。(コ−ラン、家畜
72)
○アツラ−は信徒の男にも女にも、せんせんと河川流れる楽園に永遠に住ませてや
ろうと約束し給う。またアドン(エデン)の園の中に素晴らしい住居も。(コ−ラ
ン、改悛73)
○今は昔、ヌ−フ(ノア)が我ら(アツラ−)に大声あげて救い求めたことがあっ
たが、そうだ、あの時は実に小気味よく応えてやった。あれとその一家を大変な災
難から救った上、−−−善功を積む人々には褒美をとらせることにしてある。それ
にしても彼(ノア)はほんとに信仰深い男であった。(コ−ラン、整列者73)
○イスラ−ムは行うに易しい教えであるから、掟を守るのにあまり厳格にならぬよ
う。さもなければ、人は耐えられない。それで正しい方向を目指し、完全に近づく
ようにつとめ、よい報いを望み、朝のいのり、夕の祈り、そしていくばくかの夜の
祈りに助けを求めよ。(ハデイ−ス、信仰の書29)
○アイ−シャは言った。私が神の使徒に「本当に、私は貴方と一緒に遠征にでも聖
戦にでも参ります」と言ったとき、彼(マホメット)は「最も美わしい聖戦は敬虔
な心で行う巡礼なのだ」と応えました。これを神の使徒から聞いて以来、私は巡礼
を欠かしません、と。(ハデイ−ス、狩りなどを行ったことの償い、26女達の巡
礼1)
○いと高き神の言葉「そこで天使らは宣言した。『これマルヤム(マリヤ)。かし
こくもアツラ−様の嬉しいお告げじや。お前は神から発する御言葉を産みまつるで
あろう。その名はメシヤ、マルヤムの子イ−サ−(マリヤの子イエス)−−』
彼女が『主よ、どうしてわたしに子供などできましょう、まだ誰もわたしのからだ
に触れた男もありませんものを』と言うと『このようにアツラ−は何でも御心のま
まに創造し給う。何事でもひと度こうと決め給えば、ただ、なれ、とおっしゃるだ
けでそうなるのじゃ−−』」(ハデイ−ス、予言者達46)
○ア−イシャによると、神の使徒(マホメット)は病人を見舞ったとき、或いは、
病人が連れて来られたとき「人々の主よ。災いを追い払い、病を癒し給え。汝はす
べてを癒す方であり、汝の癒しの他に癒しはなく、それはいかなる病をも残さない」
と言った。(ハデイ−ス、病人、病人を見舞う者の祈り20)
○預言者(マホメット)はアツラ−に対する祈りにおいて「神様、わたしの心に光
を、わたしの目に光を、わたしの右に光を、わたしの左に光を、わたしの上に光を、
わたしの下に光を、わたしの前に光を、わたしの後に光ををお与え下さい」とよび
かけるのが習わしであった。(ハデイ−ス、祈りの書10)
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引用はこれで終わります。昔から日本人は独自の文化・宗教(神道)を持ちなが
ら、仏教・キリスト教・科学文明など海外の文化や宗教をも自然に取り入れて自己
のものにするという心を持って今日に至っております。今、グロ−バルの21世紀
のこの時、初めてイスラム文明というものを身近に感ずるようになりました。
生長の家の国際平和信仰運動が、今こそ本当に世界全人類大調和の基を築く役割
を果たさなければならない重要な時期に来ていると思います。
万教帰一です。全ての宗教は個性を持ちながら然も皆仲良く拝み合って共存しま
す。そして今の時代に即応したコトバをもって自由自在に真理を宣布する時代の到
来です。(平成13年9月20日記す)
合掌再拝
引用聖典
『コ−ラン』−−岩波文庫、上・中・下巻(井筒俊彦訳)
『ハデイ−ス』−−中央公論社、上・中・下巻(牧野信也訳)