4月30日
マニラのMN様へ(御質問に応えて)
合掌 ありがとうございます。
お尋ねの私が色紙に書いたコトバの読み方と意味ですが、このコトバは道元禅師の教えである『正法眼蔵』という御本に書いてある尊い素晴らしい真理のおコトバです。
大哉解脱服(だいなるかな、げだつふく)。
無相福田衣(むそう、ふくでんい)。
披奉如来教(にょらいのおしえを、こうむりたてまつりて)。
廣度諸衆生(ひろく、もろもろの、しゅじょうを、どす)。
これを生長の家総裁・谷口清超先生が『正法眼蔵を読む』という聖典4部(上・中・下・拾遺)に分かり易く解説されたのが、日本教文社から出版されていますから、詳しくはその御本を読んで下さい。お尋ねのコトバは、その聖典第4冊目の中の「袈裟功徳(けさくどく)の巻」にある道元禅師のおコトバです。ここでは私が概略を御説明申し上げます。
大哉解脱服(だいなるかな、げだつふく)。
解脱服とはお坊さんが着る袈裟衣(けさころも)のことです。朝にこの袈裟衣を着る時に唱えるコトバです。仏教に於いては伝統的に法燈を継承するに際しては、衣と鉢を後継者に伝えるという神聖な行事が続いているそうです。そこで自然に袈裟衣は神聖なるものとの認識が深まって来たのでありましょう。
これは仏教に於けるお坊さんのことですが、私たち生長の家の信仰者も、朝に夕に着物でも洋服でも着る時は、このような心で有り難く感謝して着ることが大切と思います。
無相福田衣(むそう、ふくでんい)。
この袈裟衣は、この着物・洋服は、無相(現象無し)にして、人間は仏子なりとの実相を悟るために着る衣であります。自分だけがひとり実相を悟るのではなく、多くの人達にも真理を伝え述べて、皆幸せになっていただくという人生に福田を積むことが出来る素晴らしい衣服であると、コトバで唱えつつ着物や洋服を着るのであります。
披奉如来教(にょらいのおしえを、こうむりたてまつりて)。
如来とは真如より来生し給える仏様、真理の教え親様、お釈迦様、生長の家では生長の家大神、大聖師谷口雅春先生より『生命の実相』の教えをいただきまして、何という幸せなことでありましょう。この御教えを日常生活に於いて実践いたしましょう。そして。
廣度諸衆生(ひろく、もろもろの、しゅじょうを、どす)。
度(ど)す、という意味は、多くの人々を真理によって彼岸(天国浄土)にわたして皆さんを幸せにしてあげるということであります。生長の家の聖経『聖使命菩薩讃偈』には次のように書いてありますね。「−−聖使命を感得して、聖使命会員となるは、菩提心を起して己れ未だ度らざる前(さき)に一切衆生を度(わた)さんと発願修行するもの、即ち誠に菩薩の位に進むものにして、−−」と。ここに衆生とありますのは、世の中のすべての人のことです。
日本の国の人も、あなたの今住んでおられるフイリッピン・マニラの人もすべての皆さんのことです。
実は私も家では洋服掛けの壁の上にこのコトバを書いて貼り付けて、毎朝夕の着替えの折りにこのコトバを唱えることにしています。
以上、概略で簡単ですが、仏語コトバの意味を申し上げました。
マニラは暑いことでしょう。お体に気を付けてお元気にお過ごし下さい。
合掌再拝
良本峯夫拝
