5月22日

 2001年9月11日にはニュ−ヨ−クで
イスラム原理主義者によるテロがあり、その
後にはアメリカによる報復攻撃があり、また
最近はインドとパキスタン国境付近が緊迫し
ているとの報道があり等、国際情勢は容易な
らざるものがあります。これらの争いの根底
には宗教の対立が存在しているように感じら
れてなりません。

 世界3大宗教といえば、字引を引いても、
ユダヤ教・キリスト教・イスラムと出ていま
す。この3大宗教はどう考えても同じ神様か
ら出ている宗教、あるいは同じ神様を信仰し
ている宗教であると考えられます。何故それ
がこんなにも憎み合い争うのか。

 最近の新聞報道では、ヒンズ−教の国インドと、イスラムの国パキス
タンとの間の仲違いが取り沙汰されています。それで私は以前買って読
んだことのあるヒンズ−教の聖典『バガヴアッド・ギ−タ−』をあらた
めて読み直してみて、その真理の深さに感銘致しました。

 また仏教というものを考えてみますと、古代インドの民族宗教である
バラモン教から、やがてヒンズ−教となり、その文化・伝統の中からお
釈迦様の仏教も誕生したものと考えられています。

 先きに私はイスラムの聖典『コ−ラン』の中に書いてあるコトバの一
部を紹介しましたが、ここではヒンズ−教の聖典『バガヴアツド・ギ−タ−』
の一部を紹介したいと思います。
何れの聖典にも珠玉の如き真理のコトバが秘められています。

 宗教を信仰する人は、いずれの宗教であれ、その真髄を尋ぬれば
「真理は一つ」であるとの見に到達出来るとしみじみ思うのであります。
(『コ−ラン』翻訳者の井筒俊彦氏、『バガヴアツド・ギ−タ−』翻訳者の
上村勝彦氏に感謝しつつ)
合掌再拝
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ヒンズ−教の聖典『バガヴアツド・ギ−タ−』より
−−−岩波文庫・赤68.1−−『バガヴアツド・ギ−タ−』上村勝彦訳−−−

聖バガヴアツドは告げた−−−
「非有(身体)には存在はない。実有(個我)には非存在はない。真理
を見る人々は、この両者の分かれ目を見る。」(第2章16)

「彼は決して生まれず、死ぬこともない。彼は生じたこともなく、また
存在しなくなることもない。不生、常住、永遠であり、太古より存する。
身体が殺されても、彼は殺されることがない。」(第2章20)

「彼は断たれず、焼かれず、濡らされず、乾かされない。かれは常住で
あり、遍在し、堅固であり、不動であり、永遠である。」(第2章24)

「造物主はかつて祭祀とともに生類を創造し告げた。−−これ(祭祀)
によって繁殖せよ。これが汝らの願望をかなえんことを。これにより神々
を繁栄させよ。その神々も汝らを繁栄せしめんことを。互いに繁栄させ
つつ、汝らは最高の幸せを得るであろう。」(第3章10・11)

「それ故、執着することなく、常に、なすべき行為を遂行せよ。実に、
執着なしに行為を行えば、人は最高の存在に達する。」(第3章19)

「諸行為をブラフマン(主)に委ね、執着を捨てて行為することは、
罪悪により汚されない。蓮の葉が水に汚されないように。」(第5章10)

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