9月6日(峯夫75歳になりました)

合掌 ありがとうございます。
 今日9月6日は私の誕生日です。昭和2年(1927年)の生まれです。75歳になりました。年だけ数えるとずいぶん長い年月生きてきたものだと思いますが、生きてきた過去の出来事をいちいち振り返ってみますと、あっという間であったような気がします。時間というものは一体何なんだろうと思います。

 時間とは何か?それは地球が太陽の周りを回るスピードのことか。朝になると夜が明けて、お昼になり、やがて夕方になって陽が落ちる。この繰り返しが時間というものか。

 この75年間、振り返ってみますといろいろなことがありました。その出来事をいちいち語ることなど到底出来るものではありません。私自身の身の上に、また家族の上に、そして日本国家の上に、また世界全体の上に、この時間という枠組みの中で計り知れない程の出来事がありました。

 それはわずか75年の間の出来事ですが、人類が地球に生まれて以来のこと、また将来にわたって続くであろうことなどを考えてみますと、一体、時間というものは何であろうかと、思いを深くさせられます。

 仏陀の悟りの言葉に「今即久遠」「久遠即今」という言葉があります。今の中に久遠があるとは一体どういうことでしょうか。「今」という時間の止まった状態の中に久遠永遠があるとは?

 今私はパソコンを開いて、いろいろなことを考えながらこの文章を打ちこんでいます。この文章を書き始めてからもう60分が経過しました。「今」とは一体どこにあるのか。「今」というものが若しあるとするならば、それは時間の流れの中にはないだろうと思われます。時間を超えたところに「今」はあるのではないしょうか。それは私の頭脳や感覚の中にではなく、それを超えたところに在る。

 だから其処は時間の尺度では測れない世界、そこに久遠の世界が在る。私も75歳だが、75歳ではない。今此處に、久遠の世界に「今」現に生きているのだ。これが本当の「私」だ。

 今日は名古屋はほんとに久しぶりに朝から大雨が降りました。いっぺんに涼しくなりました。こんなことを考えながら私は75歳の誕生日を迎えた次第であります。
人生は面白いですね。いろいろなことがあって。
平成14年9月6日
良本峯夫