11月10日(蝉は禅僧か、時空を超えて)
蝉 は 禅 僧 か
只管打座 地中にありて 在り続け いのちはぐくみ
六、七年 修行終わりて 殻(から)脱し 地上に顕われ
樹上にて 衆生に向かい 説き続く 十日生くれば
空蝉(うつせみ)の 姿も捨てて 空に散る あわれ世の人
知り給え 現象界は 無常なり 殻に籠もるも
羽根飛ぶも 三次元なり 顕われの いずれのいのちも
無なりけり されど人々 聞き給え 吾が世に鳴くは
無し無しと 全てを無しと 乗り超えて 殻も羽根をも
脱ぎ捨てて 天上界に 登り行き 仏のいのちを
生きるなり これぞ永遠 不滅なる 仏と蝉の
いのちなり 汝しかと知れ 実相の 蝉は禅僧ぞ
