2月17日−2(名古屋御器所の朝の月)

 朝起き出でて見れば西の夜空にまん丸い月がかかっていて、静かにその姿を私に見せてくれているのでした。
 “美しい!”と思いました。月がこんなにも美しい姿を現すとは!
大自然の一切のもののそのままの姿はこの月によって現わされているように感じられます。何とも表現のしようのない朝の満月の美しさです。
 おお月よ、汝は朝の夜空いっぱいにその美しい姿をみせることによって、見る人の心をなごませてくれようとしているのか。
 おお月よ、汝は何のつくろいもせず、そのままの姿を私に見せてくれているのか。
何もせず、何も飾らず、何も言わず、ただそのままに天空の道を歩み続ける月よ。
 汝の姿を仰ぎ見ていると私の心がなごんでくる。そして世の中に悪いものは一つもない。争いも悩みもない。ただ美しい世界があるのみだという感じがしてくるのが不思議でたまらない。