2月17日(『正法眼蔵』「洗面の巻」、歯磨きの教えを学ぶ)

最近、近くの歯医者に通院しています。歯を大切にしなければならぬと今更のように感じています。
 谷口清超先生著『正法眼蔵を読む』下巻を読んでいましたら、「洗面の巻」というのがありまして、道元禅師が詳しく洗面の仕方から歯の磨き方まで説いておられます。
 特に歯の磨き方が詳しく説かれてあるのが目につきました。昔は今のような歯ブラシ等は無い時代ですが、木の枝で作った楊枝をかじりながら、歯を磨き歯茎をを磨き、また舌をこすること3回、と書いてあります。原文は下記の通りです。

 「嚼楊枝の法」(しゃくようじの法)
 「つぎに楊枝をつかふべし。今吉祥山永平寺、嚼楊枝のところあり。これによれば、まづ嚼楊枝すべし。楊枝を右手にとりて、呪願すべし。」
 「華厳経浄行品云、手執楊枝、當願衆生、心得正法、自然清浄」
(華厳経浄行品には書いてある、手に楊枝を執ったならば、当に衆生の救いのために願うべし、衆生の心が正法・実相の心を得て、自然に清浄にならんことを)。
「この文を誦しをはりて、さらに楊枝をかまんとするに、すなはち誦すべし。」
 「晨嚼楊枝、當願衆生、得調伏牙、噬諸煩悩」
(朝に楊枝をかむときにはまさに衆生のために願いなさい。人生の牙のような不調和を調伏し得て、諸々の煩悩をかみ砕くなりと)
「よくかみて、はのうえ、はのうら、みがくがごとく とぎあらふべし。たびたび とぎみがき あらひすすぐべし。はのもとのししのうへ、よくみがきてあらふべし。はのあひだ、よくかきそろへ、きよくあらふべし。漱口たびたびすれば、すすぎきよめらる。しかうしてのち、したをこそぐべし。」