8月14日(飛行機の操縦、離着陸の訓練)
大東亜戦争、終戦の日を偲びて(5)
飛行機の操縦訓練は先ず離着陸の訓練から始まる。
離陸に際してはエンジンを吹かして滑走し始めてより、どの時点で操縦桿を引いて離陸するか、操縦桿の引き具合(機首の上げ具合)が大切、気速何ノットで離陸するか、これが微妙なところである。操縦士の判断にゆだねられる。一旦順調に離陸して飛行高度を保つことが出来る程度の所まで来れば、後は安心である。
離着陸訓練は「誘導コース」によって行われる。
着陸に際しては飛行場の上空のどの地点で「着陸体勢」に入るか、その場合の高度はどうか、飛行場との距離は、気速は何ノットか、風はどの方向から吹いているか、このようなことを瞬時に判断して行動をとらねばならぬ。そして着陸地点の近くまで来て、行き過ぎであったり何か障害物が見えたりしたならば、咄嗟の判断で急速にエンジンを吹かして着陸の「やりなおし」をせねばならぬ。この場合の操縦桿の引き具合(機首の上げ具合)が大切である。機首を上げ過ぎると失速する恐れがある。
無事着陸したならば、エンジンを絞り、操縦桿を引いて滑走する。ここで飛行機の行き足が止まったならば、方向舵とエンジンと車輪ブレーキを駆使して飛行機の列線までゆっくり滑走するのである。