8月19日(貴様と俺とは同期の桜)
大東亜戦争、終戦の日を偲びて(8)
複座練習機にて同期生2人搭乗にて飛行訓練中、前席にて操縦の同期生・原田博之(大分県日田市出身)が急に歌を唄い出した。伝声管を通して後席の俺にも聞こえてきたではないか。”真剣な飛行操縦訓練中に流行歌を歌うとは何事だ”とは俺は少しも思わなかった。俺も一緒に大声を揚げて歌い出したというもんだ。世界に響けとばかりに。
“貴様と俺とは 同期の桜
同じ富空の 庭に咲く
血肉わけたる 仲ではないが
なぜか気が合うて 別れられぬ”
嗚呼、この時の空の上の飛行兵の俺の感動を、誰か知る!!
熱血、情熱、愛国、戦死、血湧き肉躍るとはこのことか。
富空とは宮崎県の富高(とみたか)海軍航空隊の意である。
