3月7日(十六夜の月 澄みきりてあり)
早朝目が覚めた 時計を見れば4時半 カーテンを通して なんとなく明るい感じ 部屋の温度は 冷え冷えと 起き出でて カーテンを開ければ 西の夜空に 十六夜の月がかかっている 更にガラス窓を開けば 薄明かりの空に 美しい 神々しい月が 冷たい空気と共に 僕の眼の中に 差し込んで来る 月の色は黄色か 橙か 形はまん丸ではない 十六日目の形 辺りの雲の色白く その形は美しく 清浄そのもの 嗚呼此の世にも このような 清浄無垢な相のものが あったのかと 伏し拝む
あの月の向こうには そして白い雲の向こうには 何がある あの空の彼方には 何があるのだろう この部屋の窓からは 在ってもそれは 見えないのだろうか 何故? それはお前の心の奥に ひそんでいる 其の目をもって 観れば 見えるだろう 嗚呼美しい月よ 清らかな夜空の白い雲よ このマンションの 部屋の窓から 飛び込んで 僕の眼の中に入っておくれよ よく看れば月は 今 僕の心の中に在る
マンションの 月の明かりは 清らかに
汝の中に 澄みきりて有り
明らかに 月の明かりは 十六夜
マンションの中に 澄みきりてあり
