四月二十九日(昭和天皇陛下の御慈愛に ひたすら感謝し奉ります)
今日は四月二十九日、昭和天皇さまの御誕生遊ばされた日であります。思いは終戦の時にさかのぼります。私は霞ヶ浦海軍航空隊におりました。命をかけて国に殉じるという まことにさわやかな思いで 飛行訓練に明け暮れておりました。
天皇陛下におかせられましては これ以上の戦いは 交戦国をも また日本国民をも 苦しめるものであると 思し召され 御自ら マイクの前にお立ちになって 終戦の御詔勅を 宣らせられました。私はこの御詔勅を 航空隊にて 拝聴致しました。
終戦 占領軍進駐 日本国民は 戦後の飢餓と 生きる希望の喪失とに 苦しみあえいでいました。 時に昭和二十年九月二十七日
天皇陛下には 占領軍司令官マッカーサー元帥を 御訪問遊ばされました。そして 今回の戦争の責任は 御自分一身にある旨を 申し述べられ、日本国民が 食料に困窮しているので 食料の援助をしてもらいたいと 申されました。マッカーサーは こんな偉い人が 此の世に いるのかと感動したとのこと。
まことにまことに 日本国民は 天皇陛下の 御身を捨てての 御慈愛に護られて 戦後の復興を 成し得たのでありました。
翌年 昭和二十一年お正月の 「歌会始」の
御製「松上の雪」
ふりつもる み雪にたへて いろかへぬ
松ぞををしき 人もかくあれ
皇后陛下の御歌
よのちりを しづめてふりし しら雪を
かざしてたてる 松のけだかさ
今こうして 私達日本国民は 豊かに 安全に生計を立てることが出来るのは ひとえに
天皇陛下の御徳によるものであると 有り難く 唯々 感謝を捧げさせていただきます。
合掌再拝
