1月17日ー2(震災直後 住吉川の水を汲みに行きて いにしへの神話を思う)

清流住吉川
震災を乗り越えて 良本峯夫作

あめつちのはじめの時ゆ 日の本は 天の御中の神まして
たかみむすびと かみむすび 
あらはれたまふこそ 尊とけれ

あまつかみ いやもろもろのみこともち
いざなぎの神 いざなみの ふたはしらの神に ことよせて
おのころ島をぞ 生みたまふ

はにやすの ひこひめの神 このくにを うましくにとぞ のたまひて
にぎにぎしくも 守りたまふ
神のみことのうるはしき

あまつ世の うつりかはりて よもつくに
ちびき岩をば 引きさへて しこめしこめき国を去り
みそぎのわざを なしたまふ

かみつ瀬は そも瀬ぞ速し しもつ瀬は
瀬のよわしとて 中津瀬に おりかづきてぞ 水かぶり
いざなぎの神 きよまりぬ

あな尊と 底つわたつみ そこつつの 中つわたつみ なかつつの
上つわたつみ 上つつの
すみのえの神 あれましぬ

神の戸の 東の灘の 清流の
住吉川こそ そのかみの 神のみそぎの 庭にして
にぎにぎしくぞ 流れかる

人の世の うつりかはれば 平成の七年一月十七日
おほきうねりと なゐ揺れて
あまたのいのち うばはれぬ

すみよしの 里のまちなみ くづおれて
さまよひ歩く ひとかげは 水よ水よと ひたすらに
いのちのかてを もとめてん

しらざるや 天井川のゆたかなる
水の流れは すみよしの 神のめぐみぞ いざ汲みて
渇をいやせよ 湯浴みせよ

清流の 住吉川は ひのもとの けがれをはらひ 浄むべく
水をたたへて 神代より
流れゐるこそ 尊とけれ

おのころの島は もとより 神の戸の
なゐにくづれし まちなみを い建てなほすは すみよしの 
かみのみわざと おろがまむ
かみのみわざと おろがまむ