10月20日(神戸の文化 蛮カラおしゃれ)

『蛮カラおしゃれ』
 神戸に舞い戻ってきて七ヶ月、何とも表現のしようもない月日を過ごして来ました。それは何か。震災後の町の人達の表情と服装と語りコトバです。老若男女子供、みんなひっくるめて、その服装と表情、語り言葉、何と言って表現したらよいか、私なりにその表現のコトバを七ケ月間考え続けてきました。
 
ある時には、これは震災後の“マナーの乱れ”というべきか、それとも震災後の、がむしゃらな社会復興の段階での「心の乱れ」の反映か。電車に乗っても まともな背広ネクタイの男性は少ない。若い女性も私には何とも表現できないような妙な服装をしている。年寄りの男も女も然り、高校生・中学生も変な格好をしている、小学生も、まだ幼い子供も同じ。衣服の専門家だったら何とかその服装のコトバがあるかも知れませんが。或いは表現のコトバは無いかも。

 そんな感覚・感情が私の七ケ月間の率直な気分です。
ところがこの頃になって、私にちょっとした気分の変化が生じました。それは同じような服装で、駅前などで“ゴミ拾い”の掃除奉仕をしている人もあり、また道を尋ねたりすると意外にやさしく深切な言葉で応答してくれるのです。電車の中でも深切にも席を譲ってくれる同じ服装の若者もありです。

 うーん、これは“マナーの乱れ”などと 軽蔑すべきことではないなあ、何と表現すべきか、私なりにその表現のコトバを考え続けてきましたが、ある時、ふと思い浮かんだコトバがありました。
 
 それは『蛮カラおしゃれ』というコトバでした。これは現今の「神戸の町の文化」とも称すべきものだなあと思いますねー。
 以上は私の再赴任7ケ月の印象です。今後何年も ながーく神戸に居住すれば、また別の表現になるかも知れませんですがねー。
以上 暇に任せての 「峯夫のひとりごと」でした。