5月16日(岩空会ーー岩国海軍航空隊ーー同期会ひらく)

岩空会(大日本帝国海軍・岩国海軍航空隊)同期会に出席
5月16日・17日 僕は始めて 岩空会に出席しました。この会は先の大東亜戦争中 予科練13期生(飛練40期生)一同で 生き残りの同期の者達が 時々集まって 懇談会を開いているものです。今回の岩空会は 戦後29回目の会合でした。 僕は始めて出席しました。つまり僕は 戦後61年目に始めて 同期の皆さんの前に顔を出したのです。最初は名簿と顔がどうしても一致しませんでしたが 懇談しているうちに 次第に顔がわかって来ました。何しろあの頃は みんな17歳か18歳の若者であったのですから。
会を始めるに先ず 戦死した同僚・戦後病死した同僚に黙祷を捧げました。皆一同 限りない感動が蘇って来るのを覚えました。
航空機操縦の特攻訓練に明け暮れていたあの時代 若い命を捨てて 国に殉じる忠誠心と燃え立つ情熱 あの感動が 今蘇ってきた感じでした。今の年齢はそれぞれ七十八歳・七十九歳・八十歳 ちょっと老人になったような風貌と からだつき 然しこうして集まってみると 皆若い感情が湧出してくるから不思議です。
嗚呼青春! 沸き立つ愛国心! 燃える情熱!
歌う『同期の桜』

一、貴様と俺とは同期の桜  
  同じ富空の 庭に咲く
  咲いた花なら散るのは覚悟
  みごと散りましょ国のため
二、貴様と俺とは同期の桜
  同じ岩空の 庭に咲く
  血肉分けたる仲ではないが
  何故か気が合うて 別れられぬ
三、貴様と俺とは同期の桜
  同じ航空隊の庭に咲く
  仰いだ夕焼け南の空に
  未だ還らぬ一番機
四、貴様と俺とは同期の桜
  離れ離れになそうとも
  花の都の靖国神社
  春の梢に咲いて逢おうよ

第十三期 甲種飛行予科練習生    鹿児島海軍航空隊
第四十期 飛行術(操縦専修)練習生 富高海軍航空隊
第五航空艦隊第十二航空戦隊     岩国海軍航空隊
霞ケ浦海軍航空隊(一同は戦後に千歳海軍航空隊・美幌海軍航空隊に移動、此処から復員)