【出戻り営業部編】カイロで食べた鳩の丸焼き

平成22年8月22日


◆タフな商談スタイルと鳩の丸焼きの話

11月27日、エジプトの首都カイロに着いて、休む間もなくすぐ商談開始、日本だったら5時か6時になったら続きは又明日にでもと言う所だが、8時になっても9時になっても、止める気配全く無し! 甘ったるい紅茶だけで夕食は出てこないし、又相手も食べに行こうとも言わない。 これがここの習慣かなと諦めていたら、10時になって、「お疲れになりましたでしょう、夕食を兼ねてナイトクラブに行きましょう」との提案。 郷に入らば郷に従えだ、半分ヤケクソで行きましょうと返事したら、すぐ電話して予約して 車で早速そのナイトクラブに行った。
お目当ての「ショウ」は11時半からとの事で、それ前に夕食!夜の10時半過ぎにやっと夕食となった。
空腹にまずいもの無し!と言われているが、出されたワインは私には渋すぎて飲めなかった。焼肉の様なもの
(何だか得体の知れない肉だった)やオリーブオイルをまぶした感じのパスタ、レタスの山盛りなどなど、次々と
出てくるのだが、一口二口で、もう充分!! 仕方ないから硬いパンと生タマネギの酢漬けで空腹をごまかして
いたら、「来た来た、特別料理が来た」と嬉しそうな声が挙がった。 はてさて、何だろうとテーブルの上に運ばれた大皿を見たら、「ぎょっ」 次の瞬間「おえ〜〜!」  皿の上に載っているのは、まさに「鳩の丸焼き」ではないか、勿論足と羽は取ってあるが、後は鳩の姿そのものだ。ええ? どうやって食べるのかな、見ていたら
ナイフを鳩のハラに入れて一直線に切り開く・・・ぎゃあと思わず目をつぶったが、出てきたのは、切り刻んだ
鳩の肉?と野菜を一緒に蒸したものが出てきた。 彼等は、ためらう事無くその詰め物と一緒に鳩の肉を器用に
切り取って、あの渋すぎるワインと共にご機嫌で食べている。食べろ食べろと盛んに進められたが、どうにも
手が出なかった。ちょっと飲みすぎましたとか何とか適当にごまかしたが、鳩そのものとはっきりわかる丸焼きには見ただけで食欲は吹っ飛んだのが本音。何年か後 羊の目玉が浮いているスープや、青大将の姿煮、玉子の中の孵化寸前のひよこの料理等々、肝っ玉ぶっつぶれた料理にお目にかかったが、この鳩の丸焼きがそのスタートの第一歩だった。後日聞いたら、あの鳩の丸焼きは高級料理で、普段滅多に食べられる物ではないとか、でもそう言われても、今でもあの恨めしそうな鳩の丸焼きは二度とお目にかかりたくない物です。


追記
このクラブでのショウは11時半から始まりましたが、美人歌手の歌やダンスの後に始まったのがこの国名物のべリーダンス。 一口で言えば、「ケツフリヌードショウ」とでも申せば想像して頂けるでしょう。それはそれとして驚いたのはサウジからの観客らしき連中が、ダンスしている女性のそばに行って、エジプトポンド札10ポンドを彼女の腰紐?に器用に挟み込んでいる、見ていたら中には100ドル札をはさんだ奴も居てたまげたね。ちなみに当時のレートで10ポンドは5000円 100ドルは25000円程度です。こんなショウが延々と午前2時3時と続き、私はもうホテルに帰りたいのだが相手さんはもう夢中でその気無し! とうとうたまりかねて、気付く様に大あくびしてみせたら、やっとそれじゃ帰りますかと引き上げたのが午前4時、 聞いたらショウの終わりは朝6時半だそうだ。 翌日は休日ですが、それにしても連中はタフですなあ。

11月28日(日)
ピラミッド見学
目が覚めたら朝の8時、休日でノンビリと思っていたら9時には昨日解決していない商談の続行をしましょうと昨夜の連中が来て待っていた、ロビーで眠気覚ましのコーヒーをガブガブ飲んでやっとの思いで商談を済ませて一緒に昼食をしたら、折角日本から来たのだから「ピラミッド」を案内してくれるとの申し出、昨夜の様なショウの招待はお断りだが、ピラミッド見物なんて一生に後何回出来るか? 是非御願いしますと頼み彼等の車で出発。ピラミッドの詳細はエジプト関係の参考資料を見ていただければお分かりになるので此処では省略です。
ともかくナイル川西岸の砂漠の中に4500年まえに建造された巨大な遺跡は写真等でみて知ってはいたものの現実にそのそばに立ってみると目の前の花崗岩の石一個が平均2.5トンの重量がありそれが270万個以上もあるとか、建築に20年以上とかもう気の遠くなるような太古の物語に実際手を触れてみると、クフ王、カフラ王、メンカウラー王それぞれの歴史の囁きが聞こえてくる様でした。 現地の案内人の案内で盗掘に使われたという
入り口からピラミッドの内部に入り急斜面の回廊を腰をかがめてやっとの思いで王の間に入ってカラッポの石棺を見たときには、廻りの巨大な石の壁がじわじわと迫ってくるような恐怖感すら感じました。これは私だけでなく観光客の一人がその圧迫感に耐え切れなくなって、目の前の王の石棺のなかで思わずXXXXXを漏らした事があったと聞きました。
内部は一般観光客は撮影禁止ですので、回廊の圧迫感をお目にかける事が出来ませんが、色々の資料には出ていますのでそれを見てください。
さてやっとの思いで暗い中から外に出てきました、4500年も前の遺跡!何か記念になる物をと思いましたが
周辺全く砂漠だけでなにも無し、おまけに私の気持ちを見透かした様に、一切の物品の持ち出しを禁ず との
立て札が至る所にありました。