闇梱包の話
平成21年5月29日


こからは少々ヤバイ話になりますが、もう時効だろうと思いますので、内緒で書きます。

ダブリンにいる日本人作業者は毎日の食事に相当苦労された様子でした。出発する時大量の日本食を夫々に持参したのですがそれも数ヶ月経てば全てがカラになり後は馴れない現地の食事を三度三度、 家族宛の手紙にも「味噌汁が飲みたい」「梅干; らっきょ、漬物、海苔・・・」等々日本の食材が欲しいと書かれており家族から個人で現地に送られた方もおられたが、これは何とかしたいと又又お節介心がムラムラ・・・家族の方に色々お聞きしてどの様な食材を希望されておられるか聞き取り調査してリストアップして、輸入禁止の食材や輸送期間中に品質変化が起こる危険性のある物は除いて選んでみると、米は現地で調達出来るが「味噌:醤油:ウースターソース」が代表で次に「海苔:佃煮:梅干」と嗜好品が挙げられた。  さてそれらを如何に現地に送るか正規の手続きでは、提出書類の山 お役所の認可取得 更に現地での輸入手続き等々 うんざりする事ばかり・・・どうするか?・・・悪知恵って物はこう言う時にはすぐ出てくるものなんですねえ・・・まともな考えは三日考えても出てこないのに悪となると、どうしてこうすぐ閃くんだろ! 

思いついたのは 既述した部品梱包の箱を利用してこっそり送ってしまえ、でありました。問題は食材の梱包でしたが、探してみますとあるんですねえ、一斗缶や2キロ缶 4キロ缶等その種類も豊富、市場で入手困難な 物は製造元に事情を説明しますと快く業者向けの仕様で分けて頂いた物もありました

それ等を少しずつ醤油缶はこの部品梱包に、この海苔缶はあの箱にと、全て明細をチェックして、現地へ航空便でその写しを送る、一ヵ月後現地ではその明細に従って 部品箱開梱してお目当ての「闇梱包ー日本の食材」を無事入手するといった手順で暫く経つと到着食材の破損の有無や品質変化の状況の知らせと次回船積みの時に欲しい食材のリストが送付されてくる、それを又闇梱包で送るといった繰り返しでしたX年一回も税関で摘発された事もなく現地でトラブルになった事もなく続ける事が出来て本当に幸運に恵まれていました。当時は全て人間の目での検査でしたからこんな危ない事が出来たのですが今こんな事やったらすぐバレて密輸出の罪で刑務所行きですから絶対にしないで下さいね。大事な事を忘れていました。 この日本食の購入費用ですが、私が走り回って買った 味噌醤油や嗜好品等の全ての費用は当時のK部長が全て処理して下さいました。

ノウテンキの私には営業部の仕事に全く関係ない「味噌醤油・・」の請求書を一体どの様に処理されたか今だもってわかりません! え、ひょっとして全額K部長のポケットマネーから出た??そんな、脅かさないで下さいよ。 でも、もしかして?

以上です。 時代は昭和36年12月でした。