Mr.DON ワークス MW−54
悲劇(?)名竿 MW−54

私がこのロッドを手にしたのは 平成3年夏のことである。 それ以
来行く度にも渡る過酷な釣行に耐え抜き、数々のナイスフィッシュを
水揚げしてきた。 近年ではもっぱら野池、フローター専用ロッドと
して活躍している。 このロッド 実は購入者は私ではないのだ。 
今回はこのロッドにまつわる話しをしようと思う。        

平成3年当時は車の免許も持っていなかったので琵琶湖に行くのは年
に数回。 しかも始発を乗り継いで長浜に行っていた程度であった。
高校生だった僕らは貧乏だったのでバイトで稼いだお金をはたいてよ
うやくいっぱしのルアーを買い揃えていたぐらいで、まだスピニング
タックルやセカンドロッドなどは所有していなかった。      

忘れもしない平成3年9月23日のことである。 私、吉野と度々確
認者で登場する葛山、 そして学校を辞めてしまっていた安部の4人
で琵琶湖にチャレンジすることになった。 狙いは先週に調子の良か
ったマキノサニービーチである。 安部は免許を取得して間もない頃
で、琵琶湖には安部の運転するポンコツコルサで向かった。    

琵琶湖には早朝到着。即釣りを開始する。 この時はトップで入れ食
いだった。 2,3投に一匹というハイペースでキャッチしていった
日も高くなり昼前、ふっと気がつく。 安部が釣ってね〜よ!! と
言うわけでポイント変更。 当時の釣り雑誌がみな三ツ星評価をして
いた尾上漁港に移った。 しかし肝心の安部が眠りについてしまう。
まぁ夜通し走ってもらった訳だからしかたない。 それに続いて葛山
も寝てしまう。 ボクと吉野は港内をトップで探って行く。 ぼつぼ
つ釣れる状態だった。 釣れるので阿部を起こしてまた4人で釣りを
再開する。 すると・・・今まで30cmぐらいのやつが釣れていた
のだが葛山がボイルの群れから引きずり出したのは52cmのナイス
バス。 ルアーはレッドペッパーだった。 安部に取り込んでもらい
キャッチ。そして写真撮影。 この時ボクと吉野の胸には 後から起
きて来たやつに獲物を横取りされ悔しさ一杯であった。 俺も負けら
れん!とキャストしたその瞬間!! 事件は起こった・・・ 当時私
が使っていたダイワカーボウィスカー56MLが葛山のNEWロッド
MW−54を一刀両断!! 立てていた葛山のロッドに私のロッドが
見事ヒットしたのだった。 葛山のNEWロッドは見事にぶち折れた
のだった。                          

その後 私は葛山のロッドを弁償する変りに引っ越し祝い兼のMW−
56を葛山に渡し、MW−54を購入しようと思っていたがそれをや
めて、折れたMW−54を修理して使った。 もしこの事件(故?)
が無ければMW−54を買ったかどうか定かではないが、このような
偶然が産んだ悲劇の経緯で私のメインタックルになって行ったのだ。


アングラー 市村 友一
確認者   吉野 葛山 安部
      琵琶湖 尾上漁港にて・・・