叫び声

あれはかなり暑い夏の夜だったと思います。
家の前で素振りをしていると、家の前の小学校から 「助けて!、助けて!」と何度も叫び声が聞こえて来て、大急ぎで親父を呼んでバットとかゴルフクラブを持って学校の中に走って行ったんです。かなり奥から聞こえて来るなーと思いながら行くと、だんだんと声が小さくなり、聞こえなくなったんです。当然ながら、かなりマズイ状況を想像して心臓はバクバクしてたのを覚えています。 声がした辺りに到着して回りを見ても、人は影もカタチもないんですが、大きな防火水槽がそこにあり、まさかこの中に・・・と暫くそこに居て変化がないんで親父と家に帰ったんです。親父とさっきの声はいたずらか?、何て言ってると母親が来て、昔あそこは女学校でね、当時防火水槽で溺れて亡くなった人がいたと聞いたような気がするなんて言うからひょっとして幽霊?でも声ははっきりと聞こえたし・・・とりあえず何事もなかったようだから良しとしてたんです。

後日・・・その防火水槽に蓋が被されていて、やっぱりあの時人が溺れたんじゃないのかなとも思ったんですが、事実を確認する勇気も無く現在まできています。

この学校は当然今もあります。夜中に運動場から話し声が良く聞こえますが、誰の声とかはあまり気にしないようにしています。