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Calculation by distribution (Probability distribution vector analysis)
ばらつきを扱うための演算
分布演算による設計、解析、捉え方の提案





<動画>

バラツキを扱う技術の背景、目的、概要

バラツキを扱う技術の実習その1、分布による演算

バラツキを扱う技術の実習その2、分布による比較

バラツキを扱う技術の実習その3、分布によるベクトルと相関関係

バラツキを扱う技術の実習その4、ランダムなイベントを扱うソフト設計

バラツキを扱う技術の実習その5、ハードの信頼性保証

バラツキを扱う技術の実習その6、ツールの簡易な使い方説明


<概要>

 設計や解析を行う際にバラツキを正確に扱うことは性能や信頼性を保証するために重要である

 上記を実現する最も良い方法は目的パラメータの分布を求めて、そのバランスを設計することである

 モンテカルロシミュレーションや確率過程、パーセンタイルでは、正しい分布を得ることはできない

 個々のパラメータをヒストグラムから求めた分布とし、分布間の演算を定義して結果の分布を求める分布演算を提案 

 従来方法は、個々の値や経路を求める数値演算であるが、分布演算はバラツキを集合とし、個々を扱わない(包含する)集合演算

 分布演算は、様々な方程式のパラメータやベクトルをそのまま分布に置換えることで結果の解を求めることができる

 軌跡やランダムウォークといった過程は時系列の分布間で相関関係を与えることで定義できる


<説明>

モノやコトの設計や解析には必ずばらつきに対する配慮が必要であり ソフトやハードの性能や信頼性を保証することは 多くの場合、そのバランスを設計することにほかならない。
ところが、性能や信頼性を示す、設計の目的パラメータ(性能値、耐久性、故障率、達成率、安全率、など)を演算する場合、 その正確な分布を把握して厳密なバランスを設計するには従来の数学では限界がある。
従来の数学では、演算対象であるパラメータの平均値や上下限値やパーセントタイル値を使ったり、正規分布の様に特定の関数を使った 分布を用いて設計したりすることはできるが、現実の分布を使った厳密なバランスを設計することはできない。
モンテカルロシミュレーションの様にバラツキに従って繰返し演算することで結果の分布を求める方法では、 それぞれのパラメータに対して大数の法則が成立したとしても、 設計結果の性能や信頼性を示す目的パラメータは、それらの値の組合せであり、 複雑な組合せに対しては大数の法則が成立しない場合が多い。 確率過程の様に、全ての過程を求めることで結果の分布を求める方法では、特殊な分布でしか結果は得られない。
ここでは、これらの従来の演算とは異なる方法を提案する。 パラメータを値として使って設計や解析を行う演算を数値演算と呼ぶとすると、 ここで提案する方法はパラメータを値として演算するのではなく パラメータをそれぞれ分布として、分布相互の演算を定義して演算する方法で、 ここではそれを分布演算と呼ぶ。
分布演算は、個々のパラメータをヒストグラムなどから求めた分布として扱い、演算毎に 最も確からしい結果の分布を求めることで設計や解析を行う。 筆者は、過去に様々な設計において分布演算を使うことで、数値演算との違いを実感してきた。 数値演算を使った設計が実際には数倍も誤差を持ち、過剰品質や性能妥協であるにも関わらず、 気づかれないことは良くあることだ。数値演算を使った設計で、分布演算の設計に勝とうとしたら、 膨大な試作を行い、際限なく適合評価を繰り返す必要があるだろう。 筆者は、下記に記したいくつかの論文にて、ハードやソフトの設計や解析において、この分布演算と従来の数値演算の比較を行い、 現実のモノやコトを正しく設計したり、解析するためには分布演算が必要であることを示してきた。


<このツールでできること>

 データファイルの特定列から抽出したデータのヒストグラムとその確率分布を生成

 範囲や平均値、標準偏差を指定して確率分布を生成

 前記生成された分布の四則演算(相関係数に応じた補正が可能)

 微分方程式の解を分布として求める積分演算

 分布のグラフ表示

 分布要素をファイル出力

 以上の1次元から3次元の分布ベクトル処理





<論文>

Toyota Technical Review 2018/5 Vol64.p95
- 市場走行データを活用した設計方法,
- アクチュエータの走行距離あたりの作動頻度分布と生涯走行距離分布の積から生涯作動回数のストレスストレングス分布を作成して、耐久条件を求める.
- レーダクルーズのブレーキ制御頻度分布と日当たり走行分布とお客様の入庫日数分布から、入庫時に記録が上書きされないメモリーと制御記録要件を設計する.

20年自動車学会学術公演会
- ビックデータを活用した制御リスク設計
- レーダー認識位置分布と車線変更制御完了時間から安全な車線変更制御設計を行う.

情報処理学会第83回全国大会セッション1B-03
- 確率分布ベクトル解析について
- モンテカルロシミュレーションと分布演算、それぞれを使って放物線運動を行う飛距離の分布を求めて比較、正確な分布を求めるために分布演算が必要であることを示す.
- 6/2にこの論文発表にて優秀賞を受賞しました。以下の83回大会優秀賞に全文が公開されています。
- https://www.ipsj.or.jp/award/taikaiyusyu.html

分布演算ツール(python)のありか













bunpu@a1.rim.or.jp