5・出島(長崎)〜温泉津(島根)

7月22日(金)
満月に照らされて明るい長崎港を、2時に出港。テレビの天気予報を見たら、昨日までの熱帯性低気圧がとうとう台風7号になった。
5時過ぎ、夜がしらじら明けだしたころ、五島列島の東端が見え出す。横地、平子両氏は寝ろと言っても平戸大橋を見てからと言い、
中々寝ない。連れ潮に乗っている為、対地速度が8ノット以下に下がる事が無い、相当早い時間に博多に着きそうな気がしてきた。
8時平戸大橋の下を9ノットで通過、平戸瀬戸は渦巻きが半分出来そうな感じの凄い流れでした。
11時壱岐水道を通過し、玄界灘に入る。料理長の平子氏ご機嫌で昼食のチャーハンを作っている。横地氏はワッチ、私はパソコンで
航海資料の整理中です。13時、音無瀬戸をこの間の地震で大きな被害の出た玄海島を左舷に見て通過、博多湾に入る。
マリノア西福岡マリーナ*092−885−2288*に、係留依頼の電話をし承諾を得る。14時マリノアの給油桟橋に舫い、
給油後に北ポンツーンの18番に係留。長崎〜福岡間100マイルを12時間の超特急でした。

数年前のアリランレースに参加した時に行き帰り共、此処マリノアに係留しました、その時もボヘミアンUで横地氏と一緒でした。
その時は回りには何にも無かったんですが、今はこの観覧車が入港目印です。今年3月出来たマリノアシティと言う、
途轍もないアウトレットのセレクトショップを始めとするファッションは勿論、雑貨、レストラン、キッズ・ファミリーゾーンに、
九州のムラ市場等の巨大なショッピングモールが出来ていました。
夕方、西隣に有る小戸市民ヨットハーバーの「ハッピーガーデン」のオーナー中庭氏が船に尋ねて来てくれ雑談。
長浜の焼肉「玄風館」*092−781−8272*に3人共連れて行って頂き、焼肉、生ビール、マッカリ等を腹一杯ご馳走になる。
有難う御座いました!!在日の方が経営しているそうで、独特のタレが非常に美味しい。後は長浜の屋台行列の店に行き、
長浜ラーメン&焼酎ロックでお開き。屋台はタバコの灰皿が無く、足元に捨ててくれって云うのが何故か?懐かしい感じでした。

7月23日(土)
朝6時マリノアを出港、山口県のフィッシャリーナ室津を目指す。12時半水島水道を通過し観音埼、
前回来た時湾口に大きな定置網が在った事を覚えていたので注意していたら、黄色のウキが見難いがやはり在った!
しかも縁を示すブイや旗等は無い。湾口の西半分を占めているので、真ん中より東側を通過しないと危ない、
蜘蛛の巣に引っかかった蝶みたいになるでしょう。フィッシャリーナ室津のポンツーンに係留しようとしたら、
どう云う人か判らないが男の人が船の傍まで走って来て親切に舫いロープを取って呉れるのかな?と思っていたらそうでは無く
「そこは駄目っ!あそこっ!」と別の所を指示して呉れました。はいっ!っと言い、港内も20ノット強の向かい風で流されて
着け難いポンツーンに、20分くらい掛かって舫い終わりました。福岡〜室津52マイルを7時間でした。
後で係留手続きに行ったら「係留料一日3000円戴きますっ!」前回来た時は自主運営のクラブで無料でしたから、
その積もりでもっと着けやすい所が有るのに遠慮しながら、言う事を聞いたのに勿論お客風を吹かすも積もりは毛頭有りませんが、
舫いロープを取って呉れる等、サービス皆無の公営のマリーナより凄〜い??「株式会社フィッシャリーナ室津」でした。
勿論、街灯や照明の無いポンツーンです。指定されたのは陸から50メートル位の先端でしかもポンツーン上にロープや、
タイヤ等が無造作に置いて有り危険で夜は懐中電灯を持って、足元に気を付けて歩かないと危ない状態でした。

ここには川棚温泉郷が有ります。早速「川棚温泉タクシー」*0120−39−8994*
へ電話をして呼び、川棚温泉に行きました。タクシー代は、行きは2000円、帰りは同じ道でしたが2080円でした。
瓦そばで有名な「元祖瓦そば・たかせ」*0837−72−2680*へ行き、うなぎの蒲焼と生ビールでそばを食べる、中々面白い!
食後は店内に有る天然温泉へ入る、箱庭の様な岩に囲まれた浴槽です。一軒で飯と温泉が楽しめる、手軽で便利な店です。
食事客は無料ですが、入湯税1名50円必要。今日は大暑で今19時半ですが、南の地方は未だ明るく入出港には不便無さそうです。

7月24日(日)
6時、社用で名古屋へ帰へる平子氏と、フィッシャリーナのヨットマン方の見送りを受け出港。
予報では波2・5メートルと報道されていましたが、大当たり!3メートル位かな?結構揺れましたネ。
途中、相島手前でマリーナ萩*0838−26−5005*へ電話をし、7号台風の待避も含め係留を問い合わせたら、
満杯で今日は係留出来ないとの事、じゃあ須佐漁港迄行こう!14時、室津〜須佐56マイルを8時間でした。
ここはイカ釣り漁船が、非常に多い漁港です。早速昼飯と思いきやイカ漁師が珍しい船が来たとばかりに次々やって来る。
フナムシも沢山無断乗船。ビールを出し色々と必要な情報を聞くが、適当に切り上げて田舎町の散策に出かけ、
須佐駅前の「あまやどり」*08387−6−3624*でイカの刺身、カキ氷等を食べる。他に店は有ったが、本日は日曜日だからか?
休みが多かった。汗でグチャくちゃになってエアコンの効いた船に戻り、嗚呼天国!天国!でシャワーを浴び夕食時迄、
外から見えない寝室に潜り込み昼寝を決め込む。だって起きていると訪問客?が多くて疲れますから、船内に我々がいる事が、
外から見えなければ訪問を断る必要は有りませんから。冷たい様ですが、同じ事を何回もは堪りません。適当なら良いんですがネ。
タマには我侭御免なさ〜い!今晩は漁師に聞いた「観海荘」*08387−6−5005*へ、新鮮なイカ料理を食べに行こうと
電話をかけたら今日は駄目?って言われ歩いて数分の須佐駅前の「権兵衛」*08387−6−2409*へ行き、
どうせ明日は台風で出港出来ないから飲もう!で鯨、イカの刺身、ウナギの蒲焼、焼き鳥等で生ビール、焼酎等久しぶりに宴会状態。

7月25日(月)
久しぶりに呑み過ぎて7時過ぎに起きたら、横地氏は散歩で留守。イカ漁を終えた漁師達が船にやって来て雑談、
「沖は3メートルも波は無いよ」「えっ!」横地氏に電話をし、沖へ出て波が高かったら又、港へ戻れば良いからと出港を決める。
又、途中荒れてきたら浜田港へ入港すれば良いと、早速電気釜を開け朝飯を食べるやいなや、8時バタバタと慌ただしく出港。
フナムシが沢山いるのでサロンへ入られると困るので開けっ放しに出来ず、一々出入りの度に戸を開け閉めで鬱陶しい。
害は無いが何と無く気持ちが悪い風体。悪い事をしている訳でないんで叩き殺すのも可哀想だし色々と考えた末、
海水をバケツで汲み一々大量の海水をぶっ掛けて全部のフナムシを「さよう〜なら〜」と海へ流し出しました。
沖へ出たら確かにウネリは高いものの、大した事は無かったが、12時浜田港沖を通過する頃から、北東の風20〜25ノット、
波高3メートル予報は大当たりでした、が後20マイル位なので行けイケ!岸から半マイル強の沿岸を航行していたら、
都野津の沖1マイルまで定置網が在ったっ!波が高かったので直前まで気が付きませんでした。ああ〜危な〜い!!
皆さんもチャートに印を!目印は、赤と白に交互に塗って有る高い煙突が目標になります。
灯台が目立つので港の入り口が判り易かった温泉津港に、15時半に入って直ぐの左手の岸壁に着岸。
須佐漁港〜温泉津(ゆのつ)間、49マイルを7時間半でした。ガラガラでこの岸壁には他に船は一隻もいませんでした。
一番奥は漁港です。入れ替わり立ち代り見物人が押しかける。だから、港近辺の必要な情報は直ぐ集まりました。
が日本のテレビが2局ボヤケテ映るだけ他は全部韓国のテレビ放送で皮肉にもクッキリ、ハッキリ映る。
肝心の台風情報は、画像が殆ど判らない状態で簡単に云うと、ラジオ状態です。トホホ!小川商店*0855−65−4176*へ
電話し小型タンク車で来て貰い、免税経由170Lを入れて貰う。ここは温泉津温泉街(ゆのつおんせんがい)なので、
歩いて数分の所に温泉が複数有ります。取り敢えずレトロ調で古びた洋風建築物で目立つ「震湯・薬師湯温泉」
*0855−65−4894*へ行きました。300円で非常に安いが、鉄錆の様な匂いのする、少し濁った素晴らしい温泉でした。
ここは、地元の温泉旅館10軒に分湯している、湯元温泉だそうです。

温泉から船への帰り道「路庵」*0855−65−2777*
魔王、愛子等色々な焼酎が置いて有り中々お洒落な感じの店でした。どうせ明日も台風の為ここに停泊しているんですから
又行きたくなる店ですが、明日は定休日だそうで残念です。帰る途中「小川商店」食品部で明日朝用の食材を買う。
昼寝をしてから夕食に歩いて数分の「あさぎ屋」*0855−65−2126*へ行く。温泉津沖で獲れたイカ、鯵の刺身
(鯵はタタキでは有りません、サシミです)や、よこわ(めじまぐろ)等で生ビール後焼酎で二人共ご機嫌、
夕食に軽い物を頼もうと思ったら21時閉店で〜す!と来た!田舎は早く閉まります。20時には街灯以外真っ暗闇ですからね、
人通りも殆ど無い。じゃあ〜昼に行った「路庵」へ行こう!で意見一致、地元で獲れたイカのキムチ和え、出し巻き卵、
ソーセージの5色盛り等で、焼酎は珍しい「赤霧島」屋久島産「愛子」等の、滅多に飲めないのを呑む。ここも、長居は出来ない
22時閉店でした。で、斜め向かいに在るフィリピンバー「話射巣ワイス」へ行き、田舎にしては少々値段が高いが酔ってるからOK!
懲りもせず訳の判らない出された酒を、片言の英語と片言の日本語が飛び交い、これを酒の肴に?ひたすら呑む、飲む。
やはり田舎、この手のバーにしては早い1時には閉店です。フィリピンのお嬢さん方のショータイムが3回有ったそうですが、
遅いのでもう無いそうです、がっかり!「あさぎ屋」のテレビでは、台風7号は明日夕方紀伊半島から東海、関東地方に上陸の
可能性が高いそうで、山陰地方は直接の影響は無さそうですが、明日は北東の風と波は相当険しいでしょうから、
もう一日温泉津(ゆのつ)の温泉(おんせん)でゆっくりする積もりです。

7月26日(火)
朝起きて驚いた、朝露が降りていない、湿度が高く無い証拠?出港以来始めてですが、エアコンをかけなくても蒸さず、
暑く無く熟睡出来ました、流石山陰!昨日からデプスメーター(測深器)を入れっぱなしで記録を付けていましたが、
大潮?にも拘らず潮の干満は最大50センチ、日本海側の話として聞いてはいたが、これは浮き桟橋以外の岸壁に
係留するには安心&楽チンです。台風7号はどうやら山陰地方は影響なさそうで一安心。久しぶりに朝寝坊をたっぷりし、
休養充分!台風の為だろう、うす曇りで涼しく気持ちが良い日。朝飯後、降ったり止んだりの小雨なので、
DVD「海・青き大自然」九巻の内の、二巻を見る。午後昨日行った薬師温泉の直ぐ近くに有る「元湯温泉」
*0855−65−2052*へ行く。1400年の歴史が有る、名湯らしく ・元禄4年、浜田城主、松平周防守様御入湯・等
色々と誇らしく入湯記録が掲げてある。お湯は黄褐色でやはり鉄錆の匂い、色、臭気共、本物の温泉を感じる。
元祖が「元湯温泉」本家が「湯元薬師温泉」ってなところか?両者引き分け!勝負無し!帰り道に、山陰温泉津温泉「輝雲荘」
*0855−65−2008*へ寄り安くて美味い昼の定食。綺麗な造りで、夏休みだからでしょうか?
子供連れの客で結構賑わっていました。船の周りでは、テントに泊り込みのグループも含め、釣り客が大勢楽しんでいます。
釣りや昼寝等して、夕食は「なぎさ屋」へ行き、帰りは雨に降られてお帰り!
雨が降ったり止んだりなのに蒸し暑く無い、今日もエアコン無しで即寝んネ。

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