ロシア航海記(7、小樽〜鳥羽〜碧南)

8月21日(火、29日目)
04時函館出港、北は4時でもう薄明かりで航行には全然困らない。パンとバナナを朝食代わりに食べる。
寺さんは、寝不足&酔って危ない状態なので、津軽海峡対岸の青森県の下北半島北端尻屋崎で変針したら、ワッチ交代だよ、
と言って
5時間強制的に寝させる。北海道保安からは海上風警報と濃霧警報が出ているから。
4時40分に函館山の南端大鼻岬から
コンパスコース110度に取り南西の風30ノットの津軽海峡を対地速度11〜12ノットで快走。
途中米国海軍のbT1の軍艦に直ぐそばを追い越される。帽子を振ったら数人出て来て手を振ってくれました。
小樽では、寄港反対のデモが在ったりしたそうですが、フアンがいると思ったんでしょうか?

8月23日(木、31日目)
1時半福島県小名浜港沖東18マイルを通過。5時茨城県日立港沖東25マイルを通過。
5時38分塩釜保安が三陸沖の濃霧警報をVHFで放送、早く通り過ぎてラッキー。以後も帰りの航海は困る程の濃霧は無かった。
朝から明太子スパゲッティ、明太子は美味かったんで、ビールを一缶呑んでしまった。12時半千葉県の犬吠埼通過、
13時15分銚子マリーナの給油ポンツーンに舫う。免税軽油を360gとエンジンオイル左右に各半g入れ、係員に頼み、
ゴミを捨てさせて貰う。この模様がマリーナのライブカメラに映り、実況放送みたいにパソコンで全国に動画が流れた様です。
14時15分にマリーナを出て、沖だし後コンパスコース210度で同じ千葉県勝浦の南、八幡崎へ向ける。
八幡崎からは250度で伊豆大島の波
浮港南へ向ける。遅い昼飯は豪華牛焼肉約1キロ、二人で美味いうまいでペロリ、
缶ビールもグビリ3缶ずつ。夜食は味噌汁にソーメンを付け
食べる。刈谷セーリングクラブの会長からメールが入り、
「最終航海を何処からでも良いから、乗船させてくれ」で、乗船は御前崎港からに指定する。

北海道日浦岬南、青森焼山崎北の北緯41度36分東経141度06分を中心に半径2マイル程は波が非常に悪く荒れる。
2年前も同じ様に波が高く荒れました。海底の地形なのか、日本海と太平洋の潮がぶっつかるのか?

尻屋崎は9時半に行き着き、コンパスコース150度で岩手県宮古沖を目指す。下北半島の桑畑山の付近は風力発電機が
非常に多い、風が良く吹くのでしょう。寺さん5時間の睡眠をとり起きて来てソーメンを作ってくれる。
相変わらず麺の茹で具合が誠に結構。
15時頃前線の通過か?豪雨で視界が50メートル位しか無くレーダーのスイッチを
入れるが2時間位で止む。夕食は納豆、味噌汁、ご飯、鯨の缶詰。
八戸港沖東15マイル位には漁火が多い、サンマ漁か、
イカ釣りか?
木尻埼で23時半に180度に変針。余談ですが、寺さんと私はプライバシーは有りません、寺さんのS携帯電話は
函館を出港してから全然繋がりません。沿岸は勿論、陸地である銚子港、御前崎港も全部駄目、私の携帯電話で
メールやら通話の送受信をしていました。私のメールは寺さんに読まれるは、寺さんのメールは私が見るは滅茶苦茶です。
寺さんは、今月の電話代は少なくて済むなあ〜わっはっはっ!!だって!私のDOCOMOは流石!何処でも繋がります。

航行中の食事の動画は此処を

8月24日(金、32日目)
深夜1時房総半島南端の野島崎沖を通過、流石東京湾入り口です、この前後からやたら本船が多くなる。
レーダーには船がぎっしり写っている。夜明け後船外点検中、前部のネット上に約30aの飛び魚が1匹乗っているのを発見、
嬉しい〜ビールの肴が1品増えたぞ〜!
5時に東京都伊豆大島の波浮港南沖通過。朝飯は納豆、味噌汁、海苔、生卵。
9時半静岡県の神子元島南0.5マイルを通過。斜め右前には伊豆半島南端の石廊崎が見えています。今朝はピーカンの上天気、
秋から真夏へ逆戻りです。寺さんはナショナルの洗濯機を取り出しコックピットで洗濯に余念が有りません。
私も次いでに洗濯をしました、多分写真を見ないと私の女房は信用しないでしょうが。昼食は味噌汁につけ麺風素麺。
相模湾を西へ横切れば御前崎です。13時半トローリングの根元のゴムがピーンと張り飛行機が沈みます。やったあ〜っ!
念願の魚ヒットです。
引き上げたら約50aのシイラ、この魚は暴れるので、引き上げる時が楽しい魚ですし、船上に揚げてから
綺麗な青緑っぽい色に変わります。
寺さん始めてらしく、メチャ嬉しそうにハシャギまくっていました。

8月22日(水、30日目)
釜石沖4時通過、コンパスコース200度で宮城県金華山沖を目指す。朝飯は、ご飯、納豆、味噌汁、生卵、海苔、漬物。
11時雨が降り出すが昨日と違い、土砂降りでは無い。昼食は、波が悪いのでミルクと大福餅を、7個食べたが胸焼けがした。
寺さん妙な顔をしていました。私と大福餅はイメージに合わないのでしょうか?14時金華山沖東、5マイルを通過。

晩飯は、鳥釜飯。22時福島県塩屋岬北西約30マイル沖の北緯37度17分、東経141度27分にキラキラ光る巨大なクリスマスの
ツリー状の物体を発見。
VHFで塩釜保安に問い合わせたら、ガス油田のタワーだと教えてくれた。島など障害物が無い
海域だと安心していたが、海図をもっと丁寧に見るべきでした、反省っ!!日本もガスの採掘をしているんだ、知らなかった。

15時半、伊藤氏の待つ、静岡県御前崎港魚市場南の岸壁に舫う。明日明後日とカジキ釣り大会が催されるそうで、
準備で大忙しの人達の目の前に
接岸で、ボートが大集結するらしく、1時間だけと云う事で係留OK。
伊藤氏と寺さんはコンビニへ買い物に行き、私は待っている間、ボヘミアンをホームページで見ていると言う、
カジキ釣りのボートオーナー等と雑談
16時半御前崎港を出港。母港碧南へは夜中に到着出来ますが、碧南ヨットクラブの行事、
鳥羽「かき浜」一泊夏季クルージングが25日〜26日と開催ですから、急遽三重県の鳥羽へ舳先を向ける。

北西の風10ノット前後に付き、ギリギリのぼりいっぱいの帆走。3ノット前後の艇速は、深夜に鳥羽に着いてもしょうがないし、
波も荒く乗り心地が悪いので丁度ありがたい。あれが浜岡原発、浜松の街の明かりとか言いながら久しぶりの3人乗り、
話が弾みます。勿論ビールの肴も大奮発。
氷の上に乗った冷奴、マグロの刺身、キムチ、今日釣ったシイラの刺身、
シイラのソテー、飛び魚の塩焼きと豪華でしょう?缶ビールも私はワッチで2缶、寺さん伊藤さんは各4缶迄、特別許可。
明日は鳥羽泊まりで安心ですから。しかしワッチがおろそかはいけませんから、レーダーもチラチラ見ていないと危ないっ!

8月25日(土、33日目)
「かき浜」での碧南ヨットクラブの催しは夕方からなので、温泉に浸かろうと、10時生浦湾の「銀鱗」のポンツーンに、
オヤジさんに手伝って貰い舫い終わる。函館〜御前崎〜鳥羽、647マイルを4泊6時間でした。

露天風呂にユックリ浸かり、エアコンの効いた部屋で生ビールを呑み、しばしの休息と云ううたた寝。その後車を借りて
「魚よし」(рO599-32-5259)へ伊勢海老を買いに行く。ここは近隣のホテルや民宿へ鮮魚を卸している会社で、

生簀の中には色々な魚が何百と泳いでいる、勿論、アワビや伊勢海老等も。観光客が寄ると云うところでは有りません。
元気の良い伊勢海老を8匹購入し、「銀鱗」へ戻り豪華昼食を食べ(当観光旅館は、昼食はやっておりません)
16時に船を本日のイベント会場である「かき浜」へ持って行く。早速寺さんが手際良く、伊勢海老を刺身に捌く。

「かざぐるま」等と、宴会前の宴会をボヘミアン船上で始める。18時、約20艇揃ったところで、クラブ主宰の宴会の始まり。
今晩は出航が無いから腹一杯呑もうと、寺さんと再確認。意地汚く?呑み会に挑戦。伊藤氏は明日仕事なので、
夜近鉄電車で帰られた様ですが、私は覚えていない。2次会はボヘミアン船上で有志が集まりドンちゃん騒ぎだったらしいですが、
勿論私は覚えてなく朝起きたら、エアコンをかけオーナーズルームで戸を閉め寝ていました。

8月26日{日、34日目}
伊勢海老の頭で味噌汁、その他で朝飯。9時舫いを解き、寺さんと2人で母港の碧南へ向け出航。
13時、愛知県碧南の新川港に在る碧南ヨットクラブの自分のバースに舫い終わる。函館〜鳥羽〜碧南678マイル5泊6日でした。
自宅へ帰ったら、近所の皆が待っています、午後は麻雀&夜は呑み会です。帰宅後直ぐ日常生活に戻ります。

       航海中皆様からの気象情報やら、差し入れやら、お車を貸して下さったり、大変お世話になりました。
                             心より感謝致します。

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