エリトリア(旧エチオピア)アッサブ港

港の岸壁で現地の人々と酒を飲み、ビデオを見る。



外国の港に入港する場合、国際慣行にしたがい、右舷側に相手国の国旗、左舷側に日の丸をあげて入っていくのが普通である。
ところが、アッサブ港に着岸すると、いきなり自動小銃を持った人々に「その国旗を下ろせ。」と命令された。
その国旗とは、エチオピア国旗のことである。
非常に恐ろしい思いであったが、どうしても理解できず、「なぜ国旗を下ろさなければいけないのか?」と訊ねると、問答無用で、「ただちに、その旗を下ろせ。さもないと旗を撃つ。」と言われた。

しかし、もやいをとってくれた人々は愛想良く、親切であった。
聞いてみると、どうやら政変があったらしい。
彼らによると、「エリトリア解放戦線が紅海側のエチオピア軍を駆逐し、現在ここはエチオピアではない。我々はエリトリア共和国として独立したのだ。」とのこと。
彼らは「エチオピア国旗」のために30年間、数千人の仲間の犠牲を払って戦い続けてきたのである。
道理で「旗」が憎いわけである。

しかし、こちらとしては、そんなことは全然知らなかった。
日本のマスメディア、そして私たちは欧米指向が強すぎるのではないか。
アジア・アフリカの事情について疎すぎる一面を垣間見せられた港であった。



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