熊野海上大花火大会見物クルージング

2000年8月16日朝9時出港を目指し、6時に起きるつもりが何と8時過ぎに目が醒め

完全に遅刻。無理も有りません、私は目が醒めた時が朝なのですから。

当然眠くなったら、何時でも関係有りません夜なのです、腹が減ったら食事時です。

潮汐表によると伊良湖水道の潮止まりは12時で、それ以前は連れ潮です。

15時が最悪の向いの逆潮最強時、何とかお昼頃迄に伊良湖水道を通過しよう!の考えでした。

出発前から、いや〜あな予感がしましたねえ〜。

さあ、出発に備えて水を満タンにしようと!初めて水をタンクに入れ始めました。

ナ!ナント!?ビルジがどんどん船底に溜まるではないか。
早速調べたら、水タンクが破れていました。
ビルジポンプをパッコンパッコンとやッたら、ホースバンドのところから噴水状態で
顔面を直撃、汚い水垢で無く、入れたての水道水で良かったあ〜。
それでわ、っとばかりに、電動ビルジポンプが船底に止めてなく、転がっていたので
これでいこうってな訳で、スイッチを探したら無い、配線を手繰ったら直接バッテリーの
ターミナルの横の所にエンドが放って有りました。
えっ!ほんの先日前,整備済みではないのお〜?こりゃあ前途多難なクルージングになるかな?
修理屋を信じて点検をしなかった自分が悪い(本当は思っていない、信ずる者は裏切られる)
まあ良いっか、数日の旅だし不良個所が全部把握出来て!!楽天的に考えましょう?
「旅は道ずれ、デブは股ずれ、世は情け」ご一緒はヨット雅の加藤ベテラン船頭、
10時頃に二人三脚で、碧南新川港を出港です。
今回は整備の仕上がりがOKかどうかの実験航海の為(後悔の旅にもなりましたが)
男二人の、誠に格好悪いクルージングです。
良い期待は当たりませんが、やはり悪い予感は当たるもの、ずっと南よりの風真上りです、
実際は今日からが初乗りみたいなボヘミアンV、真夏には間に合いませんでしたが、
中年オジサンが砂浜へ乗り上げて、カッコ良くハイレグ釣りをしようっとの
嫌らし〜い期待から、プロペラを小さくしたのが祟り、機走で思うままの艇速が出ません。
ちなみにボルボ純正で13×9×25のサイズです。24フィートの船で丁度良いサイズかな?
誰だあ!機走で楽々10ノットって自慢していた奴の顔が見たいヨ!もうまったくう〜!
そんな色々が有って、最も恐れていた伊良湖水道は最悪の15時逆潮の最強時に
通過の羽目に陥りました。タック、タックで切り上がって行こうと、セールを出しましたが
スピードは出ても、上り角度があまり良くなく同じ所位を行ったり来たり。
(帰港して調べたら、最後迄センターボードが上がったまま状態に気が付かなかった、
アホな中年おじさんらしいセーリングでした)
結局、セールを降ろしエンジンをかけ、直線で潮も風も真のぼりのコースをとり、
3000回転で機走3ノット前後にガックリ、こっくりの伊良湖水道横断で、
参った、まいったマイルドセブン状態でした。
おまけにこう云う時に限って、本船が数珠繋ぎで南行、北行と往来航行しているのです。
その数珠繋ぎの中へ「ナンマイダア〜、何枚だ〜!南無阿弥陀仏〜」と無理を承知で、
超低速で突っ込んで行き本船に避けて貰って、やっとの思いで狭い水道の横断成功。
何せ明日朝、尾鷲港に若いお嬢さんが約2名「オジサ〜ン花火観に乗せてってえ〜、
でも、私は乗せてあーげないィ!」って雁首並べて我々を待っているのです。
うっふっふ(嫌らしい怪しげな含み笑い)
小さな親切、大きな下心」普通のヨット乗り?ならいざ知らず、我々は全然有りません。
碧南ヨットクラブの新設、風紀委員長の呼び声高い?の噂が絶えない清潔な私の事&
私は女房と愛100%の強い絆で、堅くカチンカチンにモヤイ結びで結ばれていますから!
さあ〜絶対ネエチャンを乗せるぞお〜!!えいえい、おお〜の、お〜!!
午前中に尾鷲港に入港しないと、お嬢さん達に逃げられるし、

中年男2人で真っ暗闇の中花火を観るのも、ロマンチック度ゼロだし、第一気持ち悪いもんねえ〜。
さあ!もう一安心、オートパイロットでも使って休憩がてら少し位の間、ノンビリ行こう!
明朝5時の日の出タイムに、尾鷲港の入り口に取っ付けばOKだから、
あれれ??動かんがねえ〜?何でえ〜?こりゃあ2晩徹夜で舵を取るのオ〜?
そうです!ビンゴ!大当たり!結局ずっと帰港する迄、違うところ握りたかったけど、
残念ながら船の舵を握っていました。鳴呼あ〜くだらん、つまらん、下痢止まらん?!
デイセーリングに必要性は余り感じませんが、4〜5日以上のクルージングで
自動操舵装置無しは随分と疲労が違います。遊びに行って疲れたのでは、馬鹿みたいです。
遊びに行って楽しみ、英気を養うのが本来のクルージングなのですから。
最も、多くのセーラーがゲストも含め、目一杯のスケジュールを組み疲労困ぱいで
帰って来ますが、明日からの仕事大丈夫?って他人事ながら、老婆心の親戚で老爺心で
もって、いらぬ心配をしてしまいそうな事例を良く見聞きしますが。
大王崎をかわす頃、つまりそろそろ熊野灘へ入る頃に日没です。
「出た出た月が」では有りません、出ました、でました又トラブルが、
今度はコンパスライトが点灯しません、度重なるトラブルに、私は気が小さいのでビびります。
流石ベテラン加藤船頭慌てず騒がず、懐中電灯をテープで貼り付け「なべさんOKよ」
ちがうねえ〜教育関係のお方は!
大王崎を西に転進する頃から、波間に綺麗な夜光虫がチラホラ、
空中にホタル、海中に夜光虫!だったら、たまらんなあ〜でタマリマセブンの気分。
男二人でなく女連れなら、ウルトラセブンの気分で、舞い上がってしまいそう。
と思いながら、私はマイルドセブンに火を点けます。
有り難いと言うか、スピードの調節が悪かったと言うか、尾鷲湾口に午前4時前に到着、
日の出まで約1時間半近く有ります、灯台と浮標を確認しながらゆっくりゆっくりと
デットスローにて、恐る恐る湾内へ船を進めます。
途中にて薄明かりになり、6時頃貨物船の岸壁に無事接岸、しかし波が打ち込むので、
氷や食料&列車で来る女性二人を乗せて、早く離岸したい気持ち。
いつもは、湾口から北へ行った、静かな引本浦の方へ船を入れるのですが、
そこは尾鷲駅から随分と遠くなるので、今回は仕方が有りません。
失速した仮死状態のコンコルド見たいな、変な形のヨットがいるので
当然何だ、何だと人が寄って来ます、お相手は教育関係の雅の船頭に任して、
ついでに駅への女性の出迎え、買い物等も、っと考えながら、
私目は、早速に寝るぞオ〜寝るぞオ〜!!で朝から熟睡「白河夜船」でした。
何とか無事に若い女性2名をゲットして、意気揚揚と11時前に尾鷲出港です。
若い女性の発する摩訶不思議なパワー、本当に強いですネ〜
何故か?雅の船頭夕べ徹夜だったにも関わらず、いやに元気に張り切っています。
流石に、オリンピック出場の物凄い人物!変に私は感心してしまいました。
湾口にて、差羽の藤田船頭と合流し花火会場の、七里御浜を目指します。
三木崎をかわし賀田湾口を通過、猪ノ鼻を西へ曲がると鬼ケ城が見えます。
大変長らくお待たせえ〜、16時頃に獅子岩と鬼ケ城を結ぶ線上の、水深20メーター
ラインすれすれにアンカーを降ろしました。ここなら海上側から打ち上げ場所に一番近い。
しかも、水深20メーターはアンカー揚げが、楽だもんネ。
花火開始時刻は19時半ですから、我々が一番乗りで他に船は一隻もいません。
その後、ぼちぼちと地元のものと思われる、漁船やモーターボートが集まり出しました。
皆我々より沖の方に、アンカーを降ろしています。
やがて、水野会長のフライングがやって来ました、ベテラン船頭はゆとりタップリ、
夕べから那智勝浦へ停泊し、温泉三昧だったそうです。そしてプレーボーイ
(通常ヨットを停泊させる場所から徒歩5分位の勝浦港のバスターミナル近くに有る、
鯨、イルカ、マグロの刺身等を食べさせる小料理屋です、スナック風の看板の店名とは
全然似合っていません、当然お嬢さんのホステスもいません、
又、私も人の顔の事は云えませんが、この店主が凄い顔をしています、一見怖そうなのです、
しかし、通い慣れて来るとこっちもゆとりが出て来て、今では戸を開けるなり、「親父イ〜!
イルカは、いるかあ〜?」なあ〜んちゃって店内へ入場します、滅多に笑みを浮かべない顔が
突如変化し、顔面が滅茶苦茶崩れます、そしてモナリザのオヤジ?の様な微笑を浮かべます)
へ行って、鯨やマグロの美味い物、沢山食べたそうです。良いなあ〜いいなあ!
こっちは夕べは徹夜なのだあ!そしてソーセージやサンドイッチ程度の物しか
食べていないのだ。
我々は一番前で良い所に錨泊だあ〜い!と思いきや18時少し前、海上保安庁の船が
遅まきながら到着、早速テンダーを降ろし始めました、そこで頭が少しボーとしている
私も、気が付きました、あっ!去年も浜に近いと危険だから、
沖に出ろって、云われたよなあ〜。指定される海面は、水深30メーターです、
花火が終わって、つまりビールや酒を呑んでからのアンカー揚げ作業ですから、
ウインドラスが無い船は100メーター強の長さのアンカー揚げは
結構な運動量でしょうネエ〜!ご同情申し上げまあっす!ウッシッシ!
ボヘミアンはウインドラスが壊れても人間ウインチ、雅の船頭が乗っているのだ!
しかし、雅の船頭はお嬢様方に素晴らしいオリンピック特技を、披露出来ませんでした、
何故なら、ウインドラスは結局壊れずに、加藤船頭の活躍の出番は有りませんでした。
加藤船頭様、ゴメンネ!?
時間が有るので、当然ビールをガブガブとやって気持ち良くなっている所へ、案の定

保安庁のテンダーがやって来て、安全水域を指定され、其処まで沖出しして呉れとの事、

結局アンカーを海中に途中迄ダラシナク垂らしながら、もっと早く来て、

我々がアンカー落とす前に言って呉れよナ、何てブツブツいいながら。、
嫌みったらしくバックで安全水域へ移動し、再びアンカーの打ち直しです。
ボヘミアン、差羽、フライングと碧南ヨットクラブからは3艇の花火見物です。
毎年、曜日に関係無く8月17日に、開催されるこの花火大会は、歴史も古く、
江戸時代に木本町極楽寺の境内で、初精霊供養として行われたのが始まりだそうです。
雄大な熊野灘&七里御浜を舞台に2万発が?繰り広げる光と音の祭典は、
10余万人もの大歓衆を魅了する日本3大花火?だそうです、後は何処と何処だ何て
野暮な事は私に聞かないで下さい、当然知りません。

「海上自爆孔雀の舞」「鬼ケ城大仕掛け」等、中でも直径1メートル、重さ250キロの

三尺玉を海上で自爆させる仕掛花火は観る者、聞く者を圧倒します。

海上ゆえ花火の爆発音を、遮る物が何も有りませんので、

考えれない位の巨大な和太鼓を、身近で叩いた様な感じです。

音響が耳だけでなく、全身に振動が直接伝わります。

ヨットからの花火見物は、行き帰りの交通渋滞を気にせず、場所取りも気にせず、

トイレも気にせず、重いクーラーボックスを持たなくても、

冷たい飲み物は身近に有るし、特にトリマランはネットに寝転がって見物出来ます。

そして一人当たりの面積は非常にゆったりと取れ、贅沢な限りです。

花火が段々凄くなって来ます、ビール等アルコールも段々効いて来ます。

姉ちゃん達は凄い花火の上がる度に、興奮して「最高〜ですかあ〜」って叫びます。

すると、トロイ中年のオジサン二人は、「最高で〜す」って言いながら、

裸足の足の裏を、彼女達の顔の方へ差し出します、

ちなみに汚い足も暗闇ではっきり見えませんから安心です。

お断りして置きますが、4人の内だ〜あれも、某宗教関係者は一人もいませんヨ。

想像して下さい、若い娘と中年のオッサンの真っ暗闇の中での、何とも馬鹿なトロイ光景。

いやいや、楽しくて止められませんネ〜、

22時頃花火が終わり、其のまま鳥羽へ直行、2晩目の、ナイトセーリングです。

残念ながら、夜が明けてしまい大王崎沖の、来る時見えた夜光虫は、

お嬢さん達に、見せてあげる事が出来ませんでした。

鳥羽浦村の「銀鱗」の(http://www.ginrin.co.jp/)イカダに昼過ぎ、舫いました。

ここで今晩は、豪華絢爛高級海鮮残酷焼き料理(活アワビ、活イセエビ付き)&露天温泉風呂です。

勿論、再び呑みたい放題だった事は、「当たり前田のクラッカー」これが判る人は完璧中年。

皆さんに自慢話になってはいけませんので、又話が長くなっては読む気が無くなるので、

話を急ぎます。翌日は碧南ヨットクラブ恒例の夏期クルージングに「かき浜」へ参加、

ビンゴゲームで、ボヘミアン同乗の若いお嬢さんがお手伝い、

ご褒美かな?ボヘミアンが一番の賞品をゲット!

クラブ運営行事には、積極的に協力すべきでしょうネ〜。

皆さんも来年は、若いお嬢さんを同乗させましょうネ、良い事が有るかも?無いかも?

マタマタ酒&カラオケの大宴会を一つ消化して、翌日午後に無事、母港碧南に帰港です。

余談ですが、4泊5日で修理、整備の必要に気が付いた所、皆さんも参考にされますか?

当然に日頃から点検修理していれば、こんな事は有り得ませんよネ!!

ネット破れ、ブームファーラー巻取りシート破損、ジブレール、水タンク使用不能

センターボード吊り上げロック破損、ラダー吊り上げ下げシステム

アウトリガー取り付け部左側水漏れ、アフトキャビンのベンチレーター水漏れ

スターンパルピット取り付け部水漏れ、スイッチパネル裏水漏れ

バウハッチより水漏れ、マストステップより水漏れ、

ネットの取り付け金具の裏当て木水漏れ、電気配線がデタラメ

トランザムステップ取り付け部より水漏れ、左右のフロートのハッチより水漏れ

スタンション取り付け部のボルト、物入れの蓋、

ウインドー、スピードメーター作動せず

オートパイロット作動せず、ブームバング油漏れ

グースネック取り付けボルト、ジブファーラーのカム、

スタンション、コンパスライト、ビルジ配管、配線スイッチ

プロパン配管、フェアーリーダー、エンジンルーム壁防音加工、

シャワー配管、瞬間湯沸し器上の換気扇、燃料計作動せず

メインセールのバテンポケット破れ。

もう止〜めた!!まだまだ沢山有りますが、気が滅入るので?!

これだけ処理すれば、ばっちりOKのヨットになります。

最も、日本到着以来今迄約2ヶ月間、修理屋に置いて有って、直っていなかったのが、摩訶不思議です。

私は紳士ですから、相手が反論出来ない状態で、

現段階では一方的に実名は出しません。

水野会長、ラバーズの方々ハリケーン、

三河ヨットの皆さんの親切な暖かいご協力で、

近々全て解決済みを、予定しています。

話を戻しまして、まあ〜滅茶苦茶に、楽しかったですよ。

是非皆さん!!来年は沢山のヨットで行きませんか?!

前泊は那智勝浦港をお奨め致します、午後ユックリ出港しても、

花火に間に合います。

船着き場近くに、温泉も沢山有るし、朝から漁師の行くマグロの安い美味い飯屋も有るし、

勿論、今年は台風の加減で出発が遅れたので、寄り道が?出来ませんでしたが、

行き帰りの紀伊半島には、ヨットで行って素晴らしいところが沢山ありますヨ!

2001熊野花火クルージングのページです。

                                     ボヘミアンのボケ船頭
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