子どもの発達段階を法的な側面やピアジェ・エリクソンの考えと、日本の昔からの考えを比較検討してみたいと思い、一覧表を作成してみました。また、放課後児童クラブで異年齢の子どもたちを理解するための資料に出来たらと思っています。

年齢区分における考え方について
満年齢 出生前 0歳 1歳 2歳 3歳 4歳 5歳 6歳 7歳 8歳 9歳 10歳 11歳 12歳 13歳 14歳 15歳 16歳 17歳 18歳 19歳 20歳超
児童福祉法 乳児 幼児 少年
保育園・学校等 未満児 園児 学童 生徒(中学・高校) 学生
小児区分 新生児・乳児 幼児 学童 青年
医療機関 「周産期」とは、妊娠22週から生後満7日未満までの期間 新生児は生後28日以内 小児科は新生児から中学卒業くらいまで  
少年法 少年法の適応(刑事責任に問われない) 少年院送致 刑事責任有 刑事裁判有 成人扱い有
民法刑法上 事理弁識能力が充分でない(保育の段階) 責任弁識能力が充分でない 賠償責任能力が充分でない
公職選挙法 選挙権無 選挙権有
数え年 一つ 二つ 三つ 四つ 五つ 六つ 七つ 八つ 九つ 十一 十二 十三 十四 十五 十六 十七 十八 十九 二十
三つ子も魂百までもの誤解  
   「つ」がつくまでが大切  
江戸期の教え 三つ心 六つ躾 九つ言葉 十二文 十五理
たとえ 肌を離さず 手を離さず 眼を離さず   心を離さず
道徳感の発達 欲求希求思考 道徳的互恵、快楽主義 他者への同調、良い子思考 法と秩序の維持 社会契約、法律の尊重と個人の権利思考 普遍的権利思考
ピアジェ 感覚運動期 前操作期 具体的操作期   形式的操作期
エリクソン 乳児期 幼児期 幼児後期 児童期 青年期 
基本的信頼 自律性 積極性 勤勉性 同一性 

・民法刑法上は6歳未満までは事理弁識能力(自分の命を自分で守る)が充分でないので保護育成が必要である。
 6歳から12歳未満は事理弁識能力はあるが責任弁識能力が充分でない。小学校4年生以上は体力的には大きく なっているので指導が難しい面もある。12歳以上は責任弁識能力があるが賠償責任能力に欠ける。18歳以上に なると児童福祉法を離れ、賠償責任という点でも保護者責任から個人の責任となることもある。
・満年齢と数え年の考えがあるが、お母さんのお腹の中を約1年と考えると、生まれたら一つとの数え年の考えは理に適っているのではないかと思う。
・三つ心・六つ躾などの日本の考えは西欧の代表的なピアジェやエリクソンの発達の考えと一致していることが多い。 ・乳幼児期と学童期には発達段階的に大きな違いがある。また学童期前半と後半は体力的道徳的発達に違いがあるので対応の仕方を変える必要性がある。
・発達段階を大まかに区分したとしても連続性と継続性・個体差が大きくあるので、児童の発達段階区分を杓子定規に考えることは問題がある。
・運動的なものにおいても巧遅性・敏捷性・瞬発力・持続性(巧みさ・ねばり強さ・力強さ)などの発達の向上する時期を考えての対処が必要である。
・発達には右肩上がり・下がり・山型・V字型・U字型などいろいろなパターンがある。
・エリクソンの生物学的側面&社会的側面&心理学的側面の相互関係を基礎とした発達漸成論(ぜんせいろん)  乳児期(基本的信頼対基本的不信・授乳等) 幼児期(自律対疑惑・排泄等) 幼児後期(自発性対罪悪感・目的) 児童期(勤勉性対劣等感・有能感)  青年期(自我同一性対自我拡散性・忠誠心) 初期成年期(親密性対孤独・愛) 成年期(生殖性対停滞・世話) 成熟期(統合対絶望・受容)
・ガードナーの多重知能理論(言語的知能・論理数学的知能・身体運動的知能・空間的知能・対人的知能・個人内知能・音楽的知能・博物的知能)の活用
・臨床の知科学の知 (科学の知=客観性・普遍性・論理性 臨床の知=主観性・個別性・宇宙性)

・ヴィゴツキーの最近接領域との考えを入れながら、子どもの発達を見極め、その時期時期に必要な対応が必要である。
 私は子どもを理解するために実年齢と実能力年齢と可能性年齢を考えることが必要と思う。実年齢は生まれてからの何年と何ヶ月が経過したかというものである。実能力年齢は知能検査や体力検査などでその子どもが持っている実際の能力が何歳相当化である。可能性年齢とはその子どもが支援者な仲間の援助があれば出来るかもしれない年齢である。私たちは子どもの実年齢を知り、検査等で実能力年齢を理解するだけではなく、可能性年齢が何歳なのかを見極める必要性がある。6歳の子どもがいれば、実年齢は6歳・実能力年齢は7歳だが可能性年齢は9歳ということもある。実年齢6歳だが実能力年齢は年中児童程度だが可能性年齢は6歳ということもある。(平成29年3月3日追加)

・子どもを理解するには下側に立ってみる=understandすることが大切である。
・子どもをunderstandしてみると、子どもの行動予測が立つ。子どもの行動を予測することはハエ叩きの論理を使うこ とが出来る。(ディキンソン教授らの研究により、ハエをたたくのに適切な方法も判明した。「ハエの現在の場所をたたいてもダメ。ハエが逃げるべきと判断した方向の、ちょっと先の方を狙うべき」と同教授はアドバイスしている。)
・働くや躾は国字。全ての活動(活きた動き)の中に働き・学び・遊びが包含されているのでそれぞれにメリハリをつける。

・活動(遊び・生活等)において発達段階を考慮したものを提供することが必要である。ユニバーサルデザイン的な活動が良いと思う。
・活動は状況環境依存的であり、臨機応変に実施することが肝要である。
・折り紙、カプラ、どうぶつしょうぎ、オニム、自然体験、表現活動、ごっこ遊び、転がしドジなどのゲーム運動遊びなどを上手く活用
・「来た時よりも美しく」ではなく、「始める前に美しく」の実践する。
・「幸福な人に育てるというよりも、どんな境遇に立たされても幸福になれる人に育てたい」(昭和35年9月に美智子皇太子妃殿下のお話)
・何のために叱るのか。それは最後に褒めるためである。(脳科学者茂木健一郎のテレビでの話)
                                                                    平成27年6月5日作成