最近注目されている食中毒 病原性大腸菌O157について


この大腸菌O157は典型的な症状が大腸の出血(下血)であることから 一般に出血性大腸菌と呼ばれている。しかしそれ以外に腎不全を起こし死に至らしめる 溶血性尿毒症症候群を起こすことがある。 1982年アメリカにおいてハンバーガーを原因とする集団食中毒で初めて患者の便から分離された。 日本では1990年埼玉県浦和市の幼稚園で井戸水を感染源として,死者2名を含む251名に及ぶ 集団発生があり,注目されるようになった。
昨年は堺市や岐阜市などで給食を原因とする流行があったのも記憶に新しい。
かつて流行した疫痢や赤痢と症状は類似している。
この大腸菌が作り出すベロ毒素が原因とされている。

潜伏期


通常の食中毒が数時間から二日程度であるのに対し4ー8日と長いのが特徴である。

症状


1)出血性大腸炎
はじめは,腹痛を伴う粘液成分の少ない水様性の下痢である。 1ー2日後に鮮血(真っ赤な血)が混じりはじめ,その後ほとんど血液だけの下痢となる。 通常は症状が出始めてから4ー8日で自然に治るが乳幼児や,基礎疾患を有する老人では 重症になることがある。

2)溶血性尿毒症症候群
赤血球が破壊されることによる溶血性貧血,溶血による腎障害が進行して尿毒症症状、血小板破壊による 出血が特徴ある症状である。しばしば,けいれんを伴い死に至ることがある。 人工透析(人工腎臓)の治療が必要である。

予防


汚染された食品,水から他の食品への二次感染及び人から人への経口二次感染を防止する
食品の十分な加熱 , 飲料水の衛生管理(井戸水など) , 手指の洗浄、消毒 , 患者の便の衛生的な処理

治療


抗生物質を使用する。重症者には点滴、輸血、人工透析を行う。

ワンポイント


初期の症状は感染性胃腸炎(胃腸風邪)と似ているので診断は難しいが 下痢便に血液が混じるようになったら,速やかに医療機関を訪れるべきである。 また,食中毒菌の一部には加熱しても菌は死んでも毒素は消えないものがあるので 古い食品や保管がわるいものは食べないことが重要である。(加熱だけを過信しないこと)

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