第参次第3新東京市建設予定地調査隊参加レポート・その2

第参次第3新東京市建設予定地調査隊参加レポート
その2



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さて諸君、続きといこうか

 と、いうわけで早雲山駅についた特攻野郎Aチームの我々だが、残りのBチームが見当たらない。
「先に宿へ向かったんでしょうかねー」
 ということでたいして距離もないので歩くことにする。峠道をてくてく歩く私を襲う強烈な幻視感、なんだこれ、綾波、綾波レイだよな、この感じって…違うのか?
 違うわい。なんてことはない。2年ほど前にバイクで走ったことのある道でやんの。

 宿に到着。西村氏がさっと指差すその先には、平常運転中の強羅絶対防衛線が!なかなか燃える場所である。
 チェックインをすませてうだうだしているうちに車と残りのメンバーが到着。各人の私物、企画用器材を搬入。そしてメインのエビチュその他を搬入しようとした矢先、
「こまりますねえ。持ち込みは禁止ですよ!」
 と宿の人からチェックが入る。なんとか口先3寸で誤魔化そうとする幹事だが、これはもーどうしようもない。
「やむをえん。戦術的撤退だ」
「で、どうするんです?」
「なあに、部屋は1階、闇に乗じて窓からだな…」
 まあ、そんなものだろ。

それからどうしたのかというと、

 夕食である。エビチュは後のお楽しみということで、普通のビールで乾杯!
 夕食を食べながら自己紹介大会。濃い人達を集めてあるだけあって、飛び交う発言もまた濃いものばかり。窓の外には雄大な箱根の山々が連なっているのだが、みんな食事と茶々入れに必死であった。
「ごきゅごきゅごきゅごきゅ…ぷはぁ〜っっっ!くぅぅぅぅ!!」
 と、対面に座った西村氏はお約束の言葉を繰り返しつつ、ピッチも早く酔っ払いモードにまっしぐらである。右手の方では、うにっくすのシステム管理者の方々がなにやら専門的な話に花をさかせている。そーか、へたにどでかいシステム組むと、床って抜けるのね。
 食事が終わると個室に異動し、朝まで、もしくは体力が尽きるまで企画が走る…のであるが、食事の席を立とうとすると、幹事がオプションで用意してくれた刺し身船盛りの大半が手付かずであった。
「SF大会なんかになれてると、食べ物があまってるなんて信じられないよね」
「やはりSFファンというのは相当意地汚いんでしょーかね?」
「食費削って本買うよーなやつばっかだからっしょ」
「うーむ、なるほど」
 と葛城嬢と関心すること数秒、あ、それじゃあこのへん私がいただきます、じゃあウニは私もらう〜、という調子であっという間に船は空荷となる。なに、SF者なんてみんなこうさ。

二次会、約束の地

 そして、本命の2次会が始まる。
 企画部屋へ移動していきなり臨時スクリーンを命じられた壁面に液晶プロジェクターが「DAICON4オープニングアニメーション」を映し出す。続いてDAICON3、解決のーてんき、URACON3、URACON2、DAICON3のおまけの庵野監督のアマチュア時代の自主制作アニメ(と伝えられるもの)、DAICONFILM版帰ってきたウルトラマン、愛国戦隊大日本、とDAICONFILMの作品(URACONは違う)が一気に上映される。
 このころ、窓の方ではなにか慌ただしい物音が…そちらを見ると、幹事団が闇に紛れてエビチュその他の満載されたクーラーボックスを窓から搬入中。ほとんど密輸か闇屋だな。(笑)
 「DAICONFILM版帰ってきたウルトラマン」を肴に、搬入されたばかりのエビチュを飲んで馬鹿話に花が咲く。今の特撮にはなぜこの実相時ラインが消えてしまったのだろう、とか、プロの作品としても通るレベルだよな、とか、どうせ創るなら最後まで真面目に造れよ、とか、まあ、庵野監督だからねえ、とか、芸風はこのころから変わってないんだよ、とか、こうやって逃げを用意して作品創るところなんかとくにね、とか、ニュータイプのインタビューとSFマガジン8月号をならべて読むと笑えるよね、とか勝手なことを言って盛り上がる。なに、みんなただの酔っ払いである。
 この時はついでに、ということで持ち込んだURACON3だったが、後にエヴァの作画監督である本田雄氏が動画を描いていることが判明した。74式戦車の上を数十人の美少女陸戦隊員が無反動砲を抱えて乗り越えてゆくフルモブシーンである可能性が高い。当時は高校生だったそうだが、その超高校級の能力は他を圧倒していたそうである。(証言:URACON3の撮影をした人)
 偶然にしてはできすぎである。やはりなにか怪しい電波が私に命令したのかもしれない。(笑)
 ちょっち休憩、ということでビデオの上映が一休みする。
 すると、西村氏が某所でアレした資料とか、私がこの日のために(笑)あらゆるコネクションを駆使して入手した某企画書のコピーとか、某漫画家が私的に書いてFAXが回った「世界の中心でIを叫んだ庵野」というパロディ漫画とがお披露目された。みんなで笑う。
 私の持ち込んだ資料はすべて特A級機密資料であるので、機械的なコピーは厳禁である。(マジで読後焼却のこと、と印が押されている ^_^;)がんばってフルマニュアルコピーに挑む面々を後に、私は風呂へと向かった。

命の洗濯を

 と、いうことで温泉である。私はこの手のコンベンションデビューが水上温泉で行われた第27回日本SF大会だったりするので、コンベンション=温泉という刷り込みが確立している。最近の日本SF大会って都市型大会が連続していてフラストレーション溜まりぎみだったので、その鬱積した想いをここ、箱根の温泉にぶつけることとする。
 いざ浴槽へ突貫!泉質は白濁硫黄泉。浴槽を見た瞬間、まるで入浴剤を入れたようだ、と間抜けな感想が頭をよぎったのは秘密である。
 真っ白な湯に満ちた浴槽に入ろうとするも、一抹の不安がよぎる。普通の風呂とどこが違うかというと、底が見えないのだ。もしかして深さ5mくらいあったりして…と間抜けなことを考えながらそろそろと足を入れてゆく。…なんだ、普通の浴槽じゃないか。(当たり前だって)
 最初はなんかざらざらして妙な感じのするお湯だったが、しばらくしてなれてくるとこれがなかなか心地よい。

この命、尽きるとも

 風呂から帰還すると、スクリーンには西村氏秘蔵の「明治天皇宇宙の旅」が放映中。全身から力がどどっと失われる迷作である。
 そしていよいよエヴァ第壱話から一気に上映である。スクリーンに映し出されるオープニングにあの日の感動がよみがえる。いやあ、あの日のインパクトは超ド級だったよなあ。(注:超ド級=超ドレットノート級。初の近代大型戦艦である英ドレットノートを超える規模の戦艦をさす。本来ならば軍艦以外に使うべきでない ^_^)

 はっと気が付くといつのまにか画面は二子山。このころから記憶が所々途切れるようになる。
沈没風景鮪の群れ
 数十分眠って充電し、飲む、話す、見る、そして放電しきるとまた充電ということを繰り返していたような気がする。もちろん電池のメモリ効果のせいでどんどん稼動時間は短くなってゆく。(笑)
 ま、私の記憶も残っていない(^^;)ので雰囲気は写真から察してほしい。
 周囲の面々も似たよーなもんである。押し入れの中にも一人ドラえもんと化している人がいるのだが、誰だったのか未確認である。

早朝の箱根 そして東の空が薄明に染まるころ、スクリーンではエヴァがお食事中であった。
 すこし寒くなってきたのでもう一度温泉へ向かう。
 中略
 くぅぅっ!やっぱ温泉はいいねえ、温泉は体を癒してくれる。日本人の生み出した文化の極みだよ。(笑)
全員復活 そんなことをしているうちに、シンジはサルベージされ、レイ1stは見事な小姑ぶりを発揮し、アスカは使徒にいぢめられ、レイが自爆して第3新東京市が湖になり、アスカは崩壊し、第九交響曲が鳴り響いてカヲル君がスクリーンの中で振り向いた。
 と、ここで朝食。二日酔いや寝不足の面々がのろのろと食堂へ向かう。

 朝食終了後、一部で撤収準備が始まるも、サブモニタで第弐拾四話の鑑賞を続行。昨晩からまったく位置が変わらないのが猪内氏。この集中力は見習うべきかもしれない。
 残念ながら、第弐拾四話終了時点で時間切れ。まるで最初から計画していたような(笑)鮮やかな幕切れであった。
 と、いうことで撤収準備。荷物の搬出を開始する。
 見上げれば、そこには稼動を開始した強羅絶対防衛線が!やはり記念撮影を行うならば、背景はこれしかあるまい。
 ここでもパワー全開なのが長久氏。この人の辞書に二日酔いという文字は無いに違いない。
記念撮影
強羅絶対防衛線前にて

 荷物を満載した車は一路桃源台へ。調査隊隊員は徒歩で早雲山駅へ。
 残念ながら私はここで所用の為に帰らねばならない。「それじゃあ、また!」と再開を祈って私はケーブルカーへ、皆はロープウェイ登場口へと消えていった。

後日談

 一部の人とは、8月に有明でさっそく再開した。ま、このオチは見えてたな。(^_^;)
 

[Before]
[NEON GENESIS EVANGELION|Tokyo-3 Index]
Sunday, 09-Sep-2007 18:42:59 JST