鳴海璃生
柔らかなノックの音に、火村は読んでいた分厚い専門書から視線上げた。文章の中の世界へとのめり込んでいた意識を引き戻すかのように一つ大きく息を吐き、身軽な動作で立ち上がる。大股にドアへと近づき、余り立て付けの良くない扉を開くと、この下宿の大家である篠宮時絵が穏やかな笑みを表情に湛えて、ドアの前に佇んでいた。
「婆ちゃん、どうかした?」
いつもは京女らしい凛とした姿で粋に着物を着こなしている時絵が、今日は珍しく洋服姿で火村の部屋の前に佇んでいる。その様子に、もしかしたらこれからどこかに出掛けるのかもしれない、と火村は推測した。
「孫がクリスマスを一緒にやろうて言うんで、これから舞鶴にいてる娘のとこに行ってきます。日曜には帰ってきますから、もし何かあったら下の電話のとこに貼ってある電話番号に連絡してね」
時絵の言葉に、火村は今日が世間一般でいうクリスマスイブであることに思い至った。道理で大学中が妙に浮き足立っていたはずだ。おまけに、戻ってきた下宿には自分以外の気配は感じられず、閑散としていた。普段なら講義をさぼっている人間が必ず2、3人はいるのに、と首を傾げていたのだが、その理由にも漸く納得がいった。無神論者でもあり、またそういうイベントごとに興味の欠片も持たない火村にとっては12月24日といえども通常の日々と何ら変わらない1日でしかありえないのだが、世間一般の人達にとっては今日は1年の内でも特別な意味合いを持つ日なのだ。
学生だった頃にはやたらとそういうイベントごとの好きな人間が傍らにいたせいで、火村といえどもイベントの日程には結構聡くなっていた。だがその人間が今春大学を卒業してからというもの、イベントごとに限らず、賑やかな集まりの場は少しずつ火村から遠離っていっていた。
「判った。他の連中にも伝えとくよ」
「お願いしますね。幾らクリスマスイブやからて、火村さんもあんまり羽目外して遊んだらあきませんえ」
自分の孫か子供にでも注意するような口振りの時絵に、火村は薄く苦笑を零す。毎年毎年友人と二人で酔っぱらった姿を見られている時絵には、反論しようにも言葉の返しようがない。
「判ってるよ。婆ちゃんも気を付けて。楽しんできて」
火村の言葉に笑みを返し、婆ちゃんこと篠宮時絵はゆっくりとした足取りで階段を下りていった。玄関まで時絵に付いていき、その姿を見送った火村は、玄関の引き戸に鍵をかけて自分の部屋に戻った。人の気配がまるで感じられないシンと冷えた空気の中に、階段を上がっていく微かな足音がひっそりと溶けていく。
冷えた身体を暖めるようにこたつの中に足を突っ込み、読みかけの本に視線を落とす。だが滅多にないくらい本を読むには最適の静かな環境だというのに、なかなか内容が頭の中に滑り込んではこない。視線はただ意味もなく字面を追い、それに飽きたかのように時折ぼんやりと宙空を彷徨う。窓ガラスを通して見える冬の空はどんよりと灰色に曇り、今にも白い綿菓子のような雪が舞い降りてきそうだ。
潰れかけたパッケージからキャメルを取り出し、口にくわえてごろんと畳の上に寝転がる。ゆっくりと漂うように空気の中に溶け込んでいく白い煙を見つめながら、火村は懐かしい友人の笑顔を思った。世界に一つしかないだろう珍しい名前を持つ友人、有栖川有栖は、今年の3月にめでたく大学を卒業して、今は大阪にある印刷会社で営業マンとして社会人の第一歩を踏み出していた。
社会人と院生。道を違えたことで、二人の付き合いが全くなくなってしまったわけではない。だがそうはいっても、学生だった頃のように毎日のように顔を会わせたり、連絡を取ったりすることなどできようはずもない。まだ学生の身分である火村と社会人となったアリスの生活サイクルが、上手い具合に噛み合わないのは致し方のないことだ。
それでも卒業したばかりの頃は、互いの近況報告も含めて週に1度は必ずどちらからか電話をかけていた。一月に一度か、二月に一度ぐらいは何とか時間を合わせて、酒を酌み交わしたこともある。それがやがて2週間に一度、3週間に一度と徐々に間遠になり、今では一ヶ月二ヶ月と互いの声を聞かずに過ごすこともざらだ。実際に会って話をすることなど、殆ど皆無といっても過言ではない。
踊るようにゆらゆらと空気の中を漂って溶けるように消えていく白い煙を見つめ、火村は小さく溜め息を零した。確か最後にアリスの声を聞いたのは10月の終わりで、それ以来ぷっつりと連絡が来ない。これから年末に向かって仕事が忙しくなると言っていたから、あのイベント好きのアリスもクリスマスなんて気に掛ける余裕もなく働いているのかもしれない。
何度か連絡を入れてみようと受話器を取り上げては、戻したことを思い出す。まだ学生の身分である自分と、社会人となったアリスとの時間が上手くかみ合わないのは致し方のないことなのだと頭では判っていても、感情では上手くそれを理解することができない。互いにそうと意識することもなく、なまじ学生時代はべったりとくっついていただけに、余計に傍らにあるべきアリスの不在に慣れないのかもしれない。
慣れ親しんだ学内を歩いては、教室で、学食で、一体何度あの見慣れた茶色の頭を探したことだろう。そうしてその度に、もうここにアリスはいないのだと思い知る。胸の奥に少しずつ広がっていく喪失感という名の室を、他の何かで埋めていく。決して代わりになるものなどないと判っているのに、埋めることなどできないと知っているのに、そんな自分自身さえも誤魔化していく。
こうして少しずつ少しずつ擦れ違っていって、いつかは自分の存在がアリスの思い出の中に埋もれてしまうのかもしれない。そう思った途端、ぞくりと身体が冷えるような気がした。誰に対しても、何に対しても、独占欲も執着心も持たなかった自分が、何故アリスにだけはそれが通用しないのか。それは、学生時代からずっと自分の中で燻り続けている疑問の一つだった。
ぼんやりと天井に向かって立ち上る紫煙を見つめていた火村は、不意に弾かれたように身体を起こした。長くなった灰が崩れ落ちそうなキャメルを灰皿でもみ潰し、再びテーブルの上の本へと視線を落とす。何かを振り切るかのように文字の羅列を追っていっても、何一つ頭の中には入ってこない。思考の全てを占めるのは、懐かしい友人の姿のみだ。
今まで自分が一人だと感じたことはない。それを寂しいと思ったこともない。一人でいることが当然と受け止めている人間に、一人でいることの孤独を感じられるはずはないからだ。なのにアリスが教えた温もりが、今自分が一人であるということを痛切に知らしめてくる。まるで世界の全てから切り離されたようなこの喪失感は、一体どうすれば埋めることができるのだろう。やるせないような、もどかしいような、まるで凍り付いたような気持ちは、一体どうすれば身の内から消えてなくなるのだろう。
「---ったく、らしくもねぇよな」
若白髪の混じった髪の毛をがしがしと乱暴に掻き回し、火村はゆっくりと立ち上がった。こたつの電源を落とし、帰ってきた時に放り出したままのコートを取り上げた。ポケットの中でチャリンと金属の触れ合う音がする。ポケットの中に手を突っ込んで、火村は音の源を取り出した。
掌の上には、鈍く銀色に光る鍵が三つ。一つはこの家の玄関の鍵、もう一つは自分の部屋の扉の鍵。そして残る一つは、独り暮らしを始めたアリスの部屋の鍵だった。
それは、そこにいてもいいのだという許容の証。その場所に存在することを認められた特別な相手にだけ贈られるモノ---。掌の中の冷たい感触は、無言の内にも火村に語りかけてくる。
暫くの間掌の中のそれを見つめていた火村は徐にコートを羽織り、自分以外に人の気配の感じられない下宿をあとにした。◇◇◇ 高野川と賀茂川の合流地点にある出町柳駅から京阪電車の急行に乗り、天満橋へと向かう。そこで谷町線に乗り替え、火村は谷町九丁目の駅で降りた。アリスが独り暮らしを始めた3月末から既に何回か足を運んだことのあるルートだが、火村にとっては未だに微かな違和感を感じるくらいに馴染みのない道筋だ。
忙しなく人の行き交う地下街の通路を歩き、上本町六丁目交差点の手前にある7番出口から地上に出た。突然吹き付けてきた寒風に、思わず身を竦める。だが京都では灰色の雲が重くたれ込め今にも雪が舞い降りそうだった空も、ここ大阪では僅かに薄く雲がかかっている程度で、寒さも京都ほど底冷えのするものではない。
コートのポケットから取り出したキャメルを早速口にくわえ、火村は大通りから左に折れた狭い道へと入り込んでいった。近鉄百貨店や都ホテルが通り沿いにある府道大阪枚岡奈良線は車の通りも多く賑やかだが、1本裏道に入った途端に大通りの賑やかさが嘘のような静けさが辺りを包む。淡い灰褐色の空に向かって紫煙をたなびかせながら、火村は散歩でもしているかのようなのんびりとした足取りで狭い路地を奥に向かって真っ直ぐに進んでいった。
大通りから5分ほど歩いたところで、左手にクリーム色のビルが見えてきた。辺りに密集する日本家屋より頭二つ分ほど背の高いそのビルは、まるで屋根の上からにょっきりと生えだしているかのようだ。クリーム色の明るい外壁も今日は薄墨の空色に染められ、どことなく精彩を欠いているように見える。
狭い通りに面したガラス戸を押し開け、中へと入る。余り広いとは言い難い正面玄関には、シンと冷えた空気が漂っていた。奥のエレベーターへと向かいながら、火村はいつもの癖で右手の管理人室を軽く覗き込んだ。いつもは恰幅のいい壮年男性が座っているガラス窓の向こうに、今日は白いカーテンが引かれ、中の様子を伺い知ることはできなかった。もしかしたら婆ちゃんと同じように、今日は孫と一緒にクリスマスを祝うために留守にしているのかもしれない。
エレベーターの前の灰皿に短くなった煙草を捨て、火村は一階に止まっていたエレベーターの中に身体を滑り込ませた。単身者が多いためか、何度かこのビルを訪れたが未だに一度として他人と同じエレベーターに乗り合わせたことはない。たぶん今日も住人の多くは出掛けているのだろう。ビルの中に漂う空気に、人の気配も温もりもまるで感じられなかった。
数字の書かれた丸いボタンを押し、火村は壁に寄りかかった。耳に籠もるようなモーター音と軽い震度が身体を伝わり、エレベーターはゆっくりと上昇を開始した。途中で止まることもなく、エレベーターは目的の5階へと到着する。開いたドアから身体を滑り出し、火村は右奥へと続く狭い廊下を歩いていった。
501とプレートの付いたドアの前に立ち、火村はポケットの中からキーホルダーを取り出した。ホルダーにくっついている三つ目の銀の鍵は、アリスがここに引っ越してきたその日に、手伝いに来ていた火村に「これ、君の分」と頬って寄越したものだ。「偶に来て、掃除とか洗濯とか食事の支度とかしてくれると嬉しい」とか何とか、随分と都合のいいことをアリスは口にしていたが、未だにそれが実行されたことはない。既に貰ってから9ヶ月余りの月日が経っているが、火村がこの鍵を使用したのはまだ片手にも余るくらいの回数
でしかない。
重い鉄の扉を引き開け、火村はゆっくりと中に足を踏みいれた。狭い三和土にはアリスが学生時代から愛用している青いスニーカーがぽつんと置かれている。当然ながら、部屋の中にアリスの姿はない。人の気配が全く感じとれない室内は、まるで時間が止まってしまったかのような、人の存在を拒んでいるような、どことなく歪な雰囲気と意志を感じさせた。
後ろ手にドアを閉め、火村は狭いダイニングへと上がり込んだ。カウンター式の狭いテーブルの上には、飲みかけのコーヒーが入ったマグカップが、見捨てられたようにぽつんと置かれていた。システムキッチンの前の丸いゴミ箱には、カップラーメンとコンビニ弁当の器が無造作に突っ込まれている。
仕事が忙しいのか、それともただ単に食事の支度が面倒臭いのか、独り暮らしを始めてからのアリスの食生活の中心をなすのは、外食とカップラーメンと出来合いの弁当ばかりだ。電話での会話の中で何度か注意もしたし、独り暮らしを始めていい加減時間も経つのだから、と思ってみても、アリスの悪癖が改まる気配も料理の腕が向上する気配も、一向に垣間見えない。
「やれやれ…」
小さく溜め息を零し、火村は奥の寝室兼リビングへと入っていった。起きてそのままという感じの乱れたベッドの上には脱ぎ散らかしたままのパジャマ。まさか目覚まし時計を抱いて寝ているわけでもあるまいが、枕の上には真ん丸い目覚まし時計が、まるでここは自分の場所だと主張するかのようにゆったりと横たわっている。
テーブル代わりのこたつの上には、一体何ヶ月分溜め込んだのか判らない雑誌や書籍の類が無造作に積み上げられていた。テレビとこたつの間の僅かなスペースには、ゲーム機とビデオやゲームの箱が乱雑に放り出されている。部屋の片隅には取り込んだままの洗濯物の山。それでなくても広いとは言い難い部屋は、こちゃこちゃとおかれたそれらで余計に狭苦しく感じられた。
だが雑然とした部屋の中には、先刻玄関を入った時に感じた、どこか人を拒むような雰囲気は微塵も感じられなかった。ここに暮らしている人間の温かな雰囲気がそこかしこから滲み出てきて、冷えた身体中を包み込んでいく。火村は知らず知らずの内にその心地よさに酔いしれ、口許に微かな笑みを刻んでいた。
「しょーがねぇな」
コートをベッドの上に脱ぎ捨てた火村は、ぶつぶつと口中で文句を呟きながら部屋の中の散らばったあれやこれやを片づけ始めた。部屋に入る時に腕時計で確認した時間は、午後3時半。アリスが帰ってくるまでには、まだまだ随分の時間がある。ひま潰し代わりに部屋の中を片づけ、ついでに恩着せがましく食事の用意でもしていればちょうどいいくらいだろう。頭の中で適当な段取りを考えながら、火村はもくもくと部屋の中を片づけていった。◇◇◇ こたつに足を突っ込んでベッドに寄りかかりながら、火村はリモコンでテレビのチャンネルを変えた。毎日10時から始まる定番のニュース番組が終わり、適当なチャンネルを次から次へと押していく。時間帯のせいか、どこもここも似たようなバラエティ番組ばかりを放送しているのにうんざりとした溜め息を吐き出し、火村は漸く見つけ出したニュース番組らしきものにチャンネルを合わせた。
テーブルの上においた腕時計の針は、既に午後11時を4分の1時間ほど回っていた。マグカップに手を伸ばし、冷め切ったコーヒーに緩く眉を寄せる。冷蔵庫の中には食材と一緒に夕方仕入れてきた缶ビールがゴロゴロと詰め込んであるが、主のいない部屋で一人それを煽る気にもなれない。数杯のコーヒーで誤魔化していた空腹も、この時間になると既にピークを通り越してしまっていた。
まさか家の方に帰っているんじゃないだろうな、とアリスの実家の方にも電話を入れてみた。受話器を取ったのはアリスと面差しの良く似た彼の母親で、相変わらず賑やかでお喋り好きな彼女との会話に終止符を打ったのは、つい15分ほど前のことだ。
3時過ぎにこの部屋に来て、掃除をして買い物をして---。あとは暖めるばかりに用意を調えた夕食の仕度を終えてから、時間は既に4時間以上が過ぎ去ってしまっている。今日が12月24日だと気づけば、どうせ「クリスマス、クリスマス」と騒ぐだろうと思い、冷蔵庫の中にはささやかながらクリスマスケーキと安物のシャンパンも用意してある。これといってやることもなく、手持ち無沙汰にアリスを待っている間の時間は、遅々として進まぬようでもあり、また異様に早く進んでいるかのようでもあった。
---まさか、このまま帰ってこねぇなんてことはないよな。
一抹の不安が頭の中を過ぎった時、玄関の方からドアの開く微かな音が聞こえてきた。そのまま真っ直ぐに駆け込んでくるだろうと思った気配は何故かその場を動かず、チッチッチと目覚まし時計の秒針の音だけが自棄に耳に響く。
永遠のような数瞬の静寂---。
バタンとドアの閉まる音が合図だったかのように、バタバタと大きな足音が火村のいる部屋の方へと近づいてきた。引きちぎるような勢いでガラス戸が引き開けられ、懐かしい顔が呆然とした表情を晒して戸口に佇んだ。
---火村。
言葉にならない声が、火村の名を呟く。親にはぐれた幼い子供のような表情に向かって、火村はニヤリと笑みを作った。
「よぉ、お疲れさん。随分と遅いお帰りじゃねぇか」
からかいを含んだ火村の言葉にも、アリスはただ呆然と立ち竦んだままだ。薄く口許に苦笑を刻んだ火村は、がしがしと若白髪の混じった髪の毛を乱暴に掻きむしった。同時に、言葉もなく佇むアリスの表情の中に自分と同じ不安を見出し、どこかほっとしたような安心感を覚える。ストンの身の内に落ちてきた感情を上手く言葉で表すのは難しい。
「おい、アリス。何惚けてんだよ。寒いだろうが、とっととそこ閉めろ」
火村の言葉に、アリスがゆるゆると動く。頼りない足取りで火村の傍らに立ち、糸の切れた操り人形のようにぺたりと座り込んだ。
そっと腕を伸ばし、栗色の柔らかな髪に触れる。指先に馴染むさらさらとした手触りに、火村は薄く微笑んだ。存在を確かめるように頬に触れ、髪に触れる。ぼんやりとした様子のアリスは、触れてくる火村の指先にも呆然とした表情を晒したままで何のリアクションも返しては来ない。
「---ったく、何惚けてんだかな」
何度か温もりを確かめるように頬や髪に指先を滑らせ、火村はアリスの白い額をペシリと軽く叩いた。
「ひ、火村---」
鼓膜を振るわせる乾いた声音に、火村は身体中の血が逆流するかのような感覚にそれと判らぬ程に小さく身体を震わせた。
自分のために開かれた場所がここにある。
失うことを恐れた温もりが、指に触れる。
目眩にも似た幸福感に酔いしれながら、火村は緩く微笑んだ。End/2000.12.17
すみません<(_ _)> 玉砕しました。このページに入ってくる方が、なるべく少ないことを祈ります。
『Christmas Eve』を書いた後に、何となく火村の方も書きたいなぁ…って思って書き出したんですけど、途中でどうやってオチをつければいいのかがまるで判らなくなってしまいました。やっぱり思いつきと勢いだけというのは、問題有りですね。今さらだけど、あぁ、書かなきゃ良かった…(T^T)
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