巡航見本市船
平成20年12月22日


◆巡航見本市船

  昭和33年頃からか 外貨獲得の為に産業界が一丸となって輸出促進に本腰を入れ始め、その一環として貨物船を改造して商品を展示して 世界各国の港を廻って販売促進活動をしようとの企画があり多分その最初だと思うが 昭和35年11月頃出航して年末まで 東南アジア各国を廻る巡航見本市が発足した。その企画や出品物は 各社の上層部が決定、その決定に従って出品物の搬入据付の作業はペイスケが担当することになった。



昭和35年10月6−8日の 三日間 神戸港に停泊中の貨物船「安芸丸」に展示品の据付作業をする事になって、製品の細かい調整等はベテランのK課長が同行 私はもっぱら開梱据付の担当をした。貨物船「安芸丸」がどんな船だったかは 写真を見て頂ければおわかりと思いますが 純粋の貨物船で 船倉の中を改造しただけで鉄骨はむき出しで 第一そこに行くのに 巨大なハッチを開けて船底に行く鉄はしごを降りねばならず 開梱据付の道具箱を片手に持って 恐々降りた覚えがあります。

 
開梱据付の作業中



やっと作業を終えて着替えて出てきたところです。

この「安芸丸」ですが 調べてみますと初代安芸丸は軍用船として南方への軍需物資輸送に活躍中 昭和19年7月魚雷三発を食らって撃沈されたとありました。この写真の安芸丸がどんな船なのかご存知の方がおられましたら教えて頂きたいものです。ちなみに昭和50年代になりますと見本市専門の巡航見本市船が建造されて 添乗員の客室も 展示場会議室商談室等 素晴らしい船で 世界中を文字通り巡航することになりました。この事はまた改めて書きます。





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