・・・てな当たり前の事を言い出すと、「コンピュータに決まっとるやないか!しばくぞボケ!!」という声が聞こえてきそう。(多分今頃大阪の方はまだご機嫌でしょうから、大丈夫だと思いますけど(笑))因みに私は名古屋ですが、特にドラゴンズが好きという訳ではありません 前にも書きましたが、僕が初めてパソコンを買ったのは、阪神大震災直後の95年の春でした。仕事で○○急便に居た当時、個人のお宅で集荷に来て欲しいと連絡を受けて行った先で、「パソコン」の集荷を受けました。キーボードや本体の一つ一つが丁寧に梱包され、物保険付きの送り状での発送でしたが、その金額がどうも不自然に写ったのを今でも鮮明に覚えています。だってブームになる直前とはいえ、30万円も出せばパソコンが買える時代に、その人のコンピュータには、本体で数十万円、キーボードだけでも10万円以上。合わせて100万円以上もの物保険をかけていたのですから。
不思議に思って思わず尋ねました
「あの・・失礼ですけど、パソコンで何でこんなに金額が高いんですか?」
自信有り気にお客さんは応えました。
「いえ、これはパソコンじゃありません。『ワークステーション』です」
「はぁ・・」
この「ワークステーション」を広辞苑で調べると、次の様に出てきます。
個人用の高性能のコンピューター。コンピューター‐ネットワークを経由して、他のコンピューターと有機的に結合されている。[広辞苑第五版]
95年というと、WindowsNTも3.5xの時代で、パソコンこそ徐々に普及しつつはありましたが、まだまだ『コンピュータ同士を繋ぐ」という概念は、僕自身も含めて一般には浸透していなかった時代。じゃぁネットワークで繋ぐのと繋がないのとではどう違うの?と聞かれた時、ずばり自分のパソコンの使い方を考えてみましょう。インターネットに繋いで色んなHPを見る、メールをやりとりする、デジカメで撮った写真を編集する、年賀状を印刷する・・・それら一つ一つの作業が全て、「目の前の貴方自信だけからの命令」でパソコンは処理してくれています。ではワークステーションは?・・・貴方自身が開設しているHPのデータが置かれているホスト・コンピュータを想像してみましょう。貴方が自身のURLを叩いてアクセスし、ホスト側がその要求に応えてHPのデータを送信する、と同時に不特定多数の第三者が同じURLを叩いても、貴方が期待した事と同様の結果を、実行した大勢の方に与えてくれます。一度に大量のユーザーからのリクエストに応えてくれる、又は「・・・をしながら・・・を実行できる」。ワークステーションとはこういう事が出来る事をいいます。
「俺のパソコンだってもう一台のマシンと繋いで、共有フォルダのファイルにアクセス出来けど、それとどう違うんや?」。
と聞かれたら、「接続するユーザーの数が違います」と応えておきましょう。それと決定的に違うのは、「逆にその繋がっているマシンに何か作業をさせられますか?」という事です。例えば凝った3DCGの映像を制作する際、時として1台のマシンでは処理が追いつかない場合があります。そんな時、ネットワークで繋がれた別のマシンに命令をして1シーン目の映像の画像処理をさせながら、自分は2シーン目の映像の制作をしている・・こういう事が出来るのが、『ワークステーション』です。
その後WindowsにNT4.0が登場し、更に2000、XPと、ワークステーションの機能がごく普通のパソコンでも使える様になって、『パソコン」と「ワークステーション」の違いは、ことマシンの性能に至っては殆ど無くなりました。ワークステーションにはワークステーションなりの使い方が沢山あって、必要無いから殆ど知らないだけの事でしょうけどね。
(もっと詳しい人がきっといるので、余程間違っていない限り、余り突っ込まないでね(^^;))
滅茶苦茶に前置きが長くなってしまいましたが、「コンピュータって何だろう?」って聞かれた時、僕らの世代は子供の頃本で読んだ様に「人がやってたんでは飽き飽きしてしまう様な、単純で膨大な計算を文句一つ言わずにずっとやってくれる機械」って思い出します。アニメ「バビル2世」の様に、主人の疑問や命令に答えたりしてくれたりも。コンピュータを使う事によって、人は長時間の調査や労働や作業から開放される『はず』でした。
でも「パーソナル・コンピュータ」を使って行く上で、時として楽が出来るどころか、もっと膨大な時間を費やされる事に出くわす事が往々にしてあります。たまたま開いたサイトのニュースを思わず読み入ってしまい、本来やろうとしていた事を忘れてしまった事、 遠く人とコミュニケーションできるという事が、何時しか価値観すら会うかも判らないのに「出会い」を求めてチャットの部屋に入り浸る様になってしまう事、姪や甥が大きくなって、パソコンを楽しんで欲しい一心で、せっせとフリーのゲームを探しまくっては試している事・・・
(最早言うまでも無いですね。全部自分の事です(汗))
サラリーマンでも確定申告が必要、加えて昔は自分でプログラムを書いて処理をさせていたのが当たり前だったなんて、コンピュータとの付き合いがずっと長いアメリカと違い、僕自身も含めて日本では「パソコンに使われている」人の方が多い様な気がします。余暇の過ごし方は充実したかもしれないけど、生活は良くなっただろうか。メール友達が沢山いるのがパソコンを使いこなしていることになるのか、HPを開いて情報収集する事が、音楽を聴いたりニュースを見たりする事が・・・そして自分は「どう思って、そして何を実行するのか、又はコンピューターに「させたい」のか。
悩みは尽きません。 |