元プロ野球選手、元巨人軍監督、永久名誉監督・・いえいえ、「ミスター!」長嶋茂雄と聞いて知らない人を探す方がムリ、と改めて思い知らされたのは、急病のニュースがNHKの、それもTOPで報道された時の事。改めて世代を超えて、ミスターが我々にとって、無くてはならない存在だったというのを思い知らされたこの頃でした。あれ程「一言で語れない」人も珍しい。やれ訳のわからない『長嶋語』だの、バントのポーズで代打を指名しただの、国鉄時代の金田投手から頭の高さ程のクソボールをホームランにしてしまっただの、ピッチャーの決め球に「フォーク!」とジェスチャーで指示してホームランを打たれるだの、王選手がホームランの世界記録を立てた際、「この日絶対ワンちゃんは打つから」と一茂を後楽園に連れてきて、実際そうなってしまって感動の余り、球場に息子を置いて帰ってしまったという「一茂忘れちゃった事件」、そして「ヘィ!カール!」・・・ 数え上げればキリが無い程、なんてモンじゃない。ホントにキリが無い。とにかく笑わせてくれたし、元気もくれた。国民栄誉賞こそまだ手にしてはいないが、スポーツ選手で映像ライブラリの保有数なら文句無しでNO.1だろう。 67歳というお歳も去る事ながら、メディアが取り上げたここ暫くのミスターの日々といえば、気温差の激しい全国各地のプロ野球キャンプ地巡り。そして全日本の監督。「そのプレッシャーが大きかった」という声が、一番耳に痛い。 「プレッシャーは誰にでもありますよ。でも緊張しては駄目。それを楽しめる様になったら、その人は本物です」は、現役引退間もない頃に栄養ドリンクのTVCM出演した時の言葉。得点圏打率に優れ、「ここぞ」という時に魅せてくれた(らしい・・・親父がドラファンだったので、巨人のTV中継なんか見せてくれなかったから(笑))ミスターのプレッシャーに対する強さをまざまざと見せ付けられたのは、監督になってからの、あの『10.8』ナゴヤ球場でのセ・リーグ最終戦で1年間の王者を決めるという、とんでもない大舞台での事。地元ドラゴンズの高木監督は「緊張して眠れなかった」のに対して、ミスターの方はと言えば、その時が刻一刻と来る瞬間を正に「楽しんで」いた。それが結果に繋がった。 だからこそ、そのミスターが「プレッシャーに負けた」呼ばわりされてる事が、僕にとって何よりも大きく、痛い。 長い不況からようやく立ち上がろうと、日本中が必死になって、それぞれが立場や運命と戦うプレッシャーを背に受けている中、「こうやって楽しみながら戦うんだよ」を自らお手本として示してくれ続けてくれた人。本人は決して誰のため、とかは思ってらっしゃらないだろうにせよ、Qちゃんに続いて日本のヒーロー、ヒロインが失速していく中、それでも私達は自分達の明日の為に、楽しく戦おうとして行くだろう。いや、そうしなければいけない。 正に失礼だが、バラエティですっかり「バカ息子」が板についてしまっていた長男・一茂氏が、あっぱれ。大人になった息子として、立派に長男としての使命を果たしてくれている事が、何よりの救いだろう。 1日も早く元気になって下さい。ジャイアンツは大嫌いでも、貴方が大好きな人が日本にはいっぱいいます。 2004.3.13 |
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-Essay- こちらでは日々感じる事、思う事、楽しい事、ハラ立つこと等を自由に綴っております。 |
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