まだそこまではちょっと若いですけどね(大して変わらないってば)
街を行くと、ダークスーツのフレッシュマンが街を歩くのをよく見る様になりましたね。4月になりたての頃と違うのは、入社式を終えたばかりの緊張がちょっと解けかけていそうな笑顔だったり、早速得意先周りをさせられている、まだ右も左もよく判ってないけど頑張ろうって顔だったり。
不思議といえば不思議なのが、特に女性の方。数年を経てフリー・スタイルになると、何故胸が大きくなるのでしょうか。ただ単に私がそのあたりばかり見てるスケベなだけからだけなのでしょうか?(笑)
自分の新入社員の頃はというと、整備士の専門学校を経て、殆ど無試験で入った様なものだったし、入社してからする仕事も判り切っていたので、彼らに比べたら緊張も何も無いリラックスしたものでした。ただ個人的に言うと、就職を決めた事自体が、学生時代に頑張っていたプロのレーサーへの道を絶たれ、「夢破れて」の選択だった事で、どちらかと言うと、これから続くであろう平凡な世界に失望しながらの日々の始まりでした。今思えば何て自暴自棄な考え方だったんでしょう。
あれから20余年。同窓会で会う顔ぶれも、皆それなりに苦労しながら人生を歩んできた大人の顔が増えていました。誰もが知ってる超安定企業に就職した友に与えられた仕事は、未払い金の取り立て。数年辛抱したものの、人間不信になってしまい退職してしまったとの事。親の跡を継いで職人の道に進むも、合理化の波に流されて職を失いかけている者。公務員の職に付き、誰もが羨む人生を送るかの様に見えたと思ったら、何が原因か離婚の憂き目。「俺だって(同窓会)行きたかったけど、あの頃どうしても金が無くてよぉ」と辛かった時代を笑顔で振り返る者・・・とはいえ、ネガティブな事ばかりではありません。多分最も職を変えたのはこの僕でしょう。失業していた頃、親に心配かけまいとずっと嘘を付き通していた事が、何と胸が痛かった事か。
「今思うとよぉ。義務教育って流石だよなぁ。勉強した事が全部今役に立ってるんだから」「一つの法律が出来ると、必ず一つの抜け道が出来るんだよ。」現役時代、対して仲の良くなかった彼の言葉は常に心に響きます。良くも悪くも、皆一筋縄では行かないながらも、人生を、自分の為、家族の為に懸命に生きています。
「頑張れる誰かが居てくれる」事が羨ましく思える事もあれば、居ない事の身の軽さに救われる事もある。僕の血は誰にも引き継がれる事は無いとは思う反面、音楽という形になって誰かの心で輝いて欲しいという一面。新卒当時なんて、まさか自分が歌を作って歌うなんて、正直考えもしなかったんですけどね。
「夢は誰だってあるんだよ。けど皆大人になるんだよ」ほんの僅かな時間、舞台を教えてくれた師の言葉の重みを噛み締めたりもしています。「我が心の少年を裏切らず」。小椋圭のこの言葉がいかに難しくて価値のある言葉かを、心から噛み締めています。
出来ればこれからは過去を振り返る事無く、今と、未来を・・夢見る所までは行かなくても、現実を直視出来るだけの勇気は持ち続けて、自分が何者であるかを考える時だけは冷静に。そして遅ればせながら、「したたかさ」を少しずつ覚えて、生きて行きたいと思います。
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