第12回のアマチュアCGAコンテストの入選作品の感想です。 以下は、あくまでも、私が思っている感想でして、これを読んで、 制作者は作品をこうすべきだったと主張しているわけではありません。
それから、自分の作品のことは棚に置いて、感想書いてます。 でないとなかなか書けないもん(苦笑)。
今回は、日頃のアニメ感想と同様、評価点っぽいのを付けてみました。 ★が1点、☆が0.5点です。
面識がある制作者も多く、勇気がいることでもあるような気がするんですが…(おいおい)。 もちろん、この評価点は、全くの独断的、主観的なものであり、そして、多分、その評価は、 常に揺り動いています。これを書いた翌日はすでに変わっているかもしれません。 それから、特にど〜も納得いかないな〜と思ったところには、×や△を付けました。 納得いかない度というのかな。×が1点、△が0.5点です。いいなぁと思うところが多いけど、 それと同時に納得いかないところも多いというものもあるので、 そういうやり方にしてみました。まぁ、作品ってのが安易に点数化できるものとは思ってませんが、 かといって定量化することに意味がないとは言えないと思いますが、どうなんでしょうね(←誰に聞いてるのやら)。
なお、作者名は敬称略です。
まず思ったのは、綺麗に仕上がっているなぁということ。 特にモデリングが緻密。それから、改札口の○×の発光ダイオード(いや、 この作品の時代にまだダイオード使ってるのかは知らないけど)の演出や、 コンピューターディスプレーや、大型ディスプレーの表示の演出がなかなか、 かっこいいなぁと思う。
映像表現から離れた話として、こういうメディア規制問題に対して、 敢然と立ち向かうというような作品の場合、やっぱ、メディア規制が、 なぜまずいのかをちょっとでも(ちょっとでいいから)描いておかないと、 単なる娯楽作品になってしまい、 日頃から、マスメディアにやや批判的意見を持つ私などは、 ど〜も納得いかないな…と感じる。
あとは、全般的に、演出がぬるい感じがした(いや、まぁ、私などのように、 ぬるい作品作っている人間が言うことじゃない気はするが)。 緊迫感がないというか…。登場人物の人間臭さがもうちょっと描けててるといいような気もする。
あと、走るモーション、別にそれほど悪いとは思わないんだけど、繰り返し使っているようだから、 もう少しリアルっぽくてもいいんじゃないかという気がする←いや、これは、ほんとはどうでも いいと私は思ってることだが。
以前、テレビでちらっと部分を観て、あ、面白そうだなぁと感じてた作品。 作品全部が観れてよかった。
確か座談会での本人の話によれば、ストーリーが見せたかったということだが、 いや、そうじゃなくて、この作品の見所はキャラクター描写の丁寧さじゃないかな。 この作品のキャラは暖かみがあるなぁ。
ストーリーについては、老人が死んだのか、 そうでないのかもちょっとはっきりしないのがじれったい(多分死んだのであろうけど)。 また、少年がバイオリンがなぜあんなに欲しかったのか、 どうしてあの主人はバイオリンを少年に与えたのか、 少年があのバイオリンを使ってどんな見事な演奏をしたか、など、 諸々の事情が描かれ無さすぎて物足りない…が、 実際、3DCGアニメーションを制作している私は、 それだけの作品を作るのがどれほど大変か、痛感しているので、 まぁ、制作者がやれる範囲でよく作れているなぁとただひたすら感心する。
技術的に言えば、すごい高いレベルだと思う。 こんだけのクオリティのフル3DCGキャラクターアニメーション、 今のところは、日本でそれほどやれてない気もするし…。 リップシンクまでしてるしなぁ。キャラクターも緻密なモデリングだし。
ネタ的にはリスキーとセフティと重なってる気がするが、 多分、そんな作品、制作者は存在すら知らないんだろうなぁ。
で、まぁ、この作品の最も大きな問題は、どうも、主人公の行動一つ一つが、 観客に、受け入れられにくいところにあるのじゃないかと思う。 最終的には、なんか主人公は、暴走しちゃっているが、そうなってもいいけど、 そうなる事情の描写が、どうも説得力が足らない気がする。あまりにも唐突だと思うのだ。
それと、最初の方に、ワイプでつないでいるシーンがあるけど、 もしかして、時間経過を表現してるのかもしれないけど、 ああいうつなぎ方は間違いじゃないかと私は思う。 なにか制作上に都合で、ああなったのかもしれないけど。
セルシェーダーの効果がすごくうまくいってるなぁと思う。 私はクオリティ的には、このぐらいあっさりしてても十分だと思う。
それと、キャラクターの表情や、リアクションの間とかがとてもいい感じだなぁ。 むしろこの辺は、天使のささやきのキャラよりもいいとすら感じる。
ただ、この作品は、気になる点が多かった。
結局、ネタはいいんだけど、見せ方がちょっとうまくいってないのではないかという気がする。
ところで、「退屈で死にそう」というセリフ、なんか追い詰められてる受験生が退屈という言葉を発するのは、 ちょっと変な気もする。どんな言葉がいいのかなぁ…。
これ凄いなぁ。なんで単なる入選なんだろ。この作品もテレビでちらっと観て、 全体が観たいなぁと思ってた作品で、全部観れて非常に良かった。
まず技術的なことだけど、モーションも、モデリングも、ほどよく省略が出来てて、 解説書の質感や作画品質が悪いという評はどうも適切でない気がする。 ほんとに技術力がなけりゃ、あんなに水の表現とか、うまくできないと思うけどなぁ…。 髪の毛も結構いい感じだしなぁ(天使の輪が体が動いても動かなかったけど、 そりゃまぁ仕方ないよね)。 但し、肌の色は悪すぎる気がするなぁ。いや、それあんまりリアルにすると、 生々しすぎていけないかもしれない(なにが? 笑)。
いや、それにしても、こうストレートに来るとは…。いや、私が全裸ネタやっちゃったら、 どうしても商業アニメ風なあざといヘンタイ性が全面に出そうな気がするが、これは、なんか、 自主映画的な(というか大林宜彦みたいなというのかな)えっちというセンスを匂わせているのがうまいな。 でも、制作者がどういう気持ちで、この作品を作ったのかは、全くもって謎だけど…(おいおい)。
物語の構成の仕方だけど、少ない時間内でうまくまとめてるなぁと思う。 但し、演出の仕方、例えば、口紅の演出とかは、なんか違和感があったような気がする。
それにしても、スカートの中にどんないたずら描きしたんだろうな。気になる…。
結局、これはネタの唐突さと、各キャラのしぐさの面白さなんだよなぁ。うむうむ。 ミジンコちゃん(?)達の動きも生き生きしてる。
結局、これはネタが絵として面白いんだよな。それから、なんども、くどくやることが、 ちゃんと笑える演出になってる…と私は思うが、他の人はどうなんだろ。 但し、アメリカではタチの悪いジョークと受けとられるかも。
女の子の髪の毛のテカリが気になったなぁ。 全般的には何がなんだかわからない感じだったのだけど、 がぶっ!というシーン、勢いがあったなぁ。
結構、繰り返しとか、モーション止まってるシーンが多いんだけど、 なんか音楽とかうまく入ってて、演出がいい感じ。
う〜ん、評価が難しいなぁ。画は整っているけど、それほど面白くない感じ。 かなり声優の演技に助けられている気がするなぁ。 キャラがかわいいと思った人なら、オッケーなのかな。
声優がうまいなぁ〜。ちょっと演技が濃い気はするけど。
まぁ、それはともかく、この作品の問題は、やっぱ、事情が描かれてないことじゃないかと思う。 いきなり主人公の感極まった描写を描いてるけど、 なんで、そうなったのかというワケは、やっぱ省略しちゃダメだと思う。 …と言っても、そっちの映像を作るのがもっとタイヘンな気もするけど。 そもそも、一人のキャラクターの独り台詞だけで、盛り上げるということ自体が、 難しいんじゃないかなぁ。
蝶の表現とかはいい感じだなぁと思った。
動きが売りの作品だと思うんで、動き音痴な私には評価が難しい作品かもしれない。 で、私には、ちょっとモーションブラーがくどい感じがした。 結婚のための様々な障害を乗り越え…というネタなら、もう少し、それをはっきり、 させた方がよかったかも…。途中に挿入される回想がちょっと急ぎすぎな気もする。
そういえば、今回、さほど早いテンポの作品は多くなかったので、 その辺りは余計新鮮だった。
いや、なんか、すごく勢いがあって面白かったんだけどなぁ。 犬とか吠えてるシーンとか。なんだこれは、なんだこれは…みたいな感じで。 ところがなんかオチなく終わるって感じで、そこがなぁ。なんかあると思ってただけに残念すぎる。 それから、雪の演出は、あまりうまくいってないと感じた。
モデリングとかオブジェクトとかよく出来てるけど、何が表現したかったのかが、 わからないなぁ。あれだけよくしゃべる右脳ってのが何を意味してたんだろうか。 解説本にも説明ないし。なんか、単に殺しちゃっただけの後味悪い作品になってしまったような…。
キャラは可愛いし、しっかり出来てるんだけど、何か物足りないなぁと感じる。 多分、面白い絵が少なかったのかなぁ。キャラがあんまり立ってないというのかなぁ…。 ロリキャラものな作品にしばしば見られる業の深さみたいなものが足らないのかなぁ(おいおい)。
それと、最後のオチのとこで曲の盛り上がりが足らなかったのも問題な気がする。 ちょっと辛口評かなぁ。
う〜ん、手堅い出来だなぁ。着眼点も鋭い。歌も唄いやすい感じだし。 最後のオチがちょっと弱いかな。いや、そうでもないか。 キャラはとても味があるなぁ(実はシール購入)。
布というとこが絵にさほど生かされてないような気がするけど…。う〜ん評価が難しいなぁ。 よく出来てるなぁとは思う。
テンポがよい映像だったと思う…っと、それ以外に言える感想があまりない。すみません。
インベーダー達が地球を征服しようとしているということが映像として表現出来てなかったと思う。 次々に人が捕らえられ、洗脳にかけられるという描写がもっと欲しかった。テンポのいい音楽に乗せすぎて、 メリハリがなかったような気がする。 農家のおやじへの洗脳作戦が失敗したシーンは面白いのに、普通の人はこうだけど、農家のおやじは、 こうだという対比がうまく描けてなくて残念。おやじが洗脳装置にかけられるシーンがよかったなぁ。
最後の新聞記事のシーンは、私も要らないと思う…、いや、 なんか、結局、地球がどうなったかを、映像で示せば良かったのかもしれない。 作品の表現したかったこと自体はいいんじゃないかと思う。
上映会会場ではウケてたなぁ。私はそれほどでもなかったが、耳が切れたシーンとか、 こなごなに粉砕されたシーンとか、確かに絵が面白い。
線画表現がなんかくどかった。安易にフィルタを使うのはまずいなぁと感じた。 鳥の周辺だけがちょびっと彩色してるのが、なんとも物足りなくて、 もう少し、ばぁ〜っと行こうよ、もっと、とかと思ってしまった。 それと、もう少し、まとめっぽいシーンが最後にあるといいなぁと思った。
メカのギミックとか動きとか結構面白いんだけど、やっぱ、これもオチみたいなものが欲しかったような…。
このくらいの作品規模だと、無理になんか詰め込むより、 これくらいシンプルな構成にした方がうまくいくと思うので、何か、あとこういう描写が欲しいとかという、 意見はない。…ってことで、正直、あまり文句言うとこがない。実写との合成があまりにもうまくいっててすごいなぁ。
ところで、時間がなかったので、前作と同じネタになったと言ってるけど、この作品、 そもそも、シーンは全部作りなおしていると思うので、 ご本人に詳しく聞いたところ、ネタを思いつく時間がなかったということだ。なるほど、確かに。 ネタって思いつかない時はいつまでも思いつかないからなぁ。
女の子が吸い込まれるシーンはなんか前作より絵的にさらに面白かったし、最後のまとめもよかったと思う。 細かく観てると、スカートのボーンの入れ方がそれほど凝ってないなぁとか思うけど、そんなことは、 そんなに重要じゃないだろう(←そうか、新明解ってそういうことにこだわる人じゃないのかと、 ツッコミを入れたくなった人いるかもしれないけど。笑)。
アイディアの勝利。だけど、カンフー映画にさほど関心のない人には、 それほどウケないかもしれない。ちなみに私のカンフー映画に関する関心はまぁ普通程度かな。 それはともかくとして、清家氏の作品って毎度オチが弱いような気が…。
確かに、印象に残りやすい絵作りをしてるとは思う。手描きの味って、インパクト出るからなぁ。 でも、こういうなんか暗示的すぎる作品は、私は好きではないです。作品も暗いし。 (以前にもどこかで書いたけど、私って、ペンネームが示すように 「新しくて」「明るくて」「解りやすい」作品が好きなのだ)。
解説本によれば、動きがいいんすか…、う〜ん。確かにそうだとは思うけど、 観てて面白くなってくるほどの動きという感じは特にしないなぁ。 やっぱ、私は動き音痴なんだろな〜。
う〜ん、なんともいい曲だなぁ。シンプルなモデリングと動きなんだけど、 歌にすごく合ってるし、メリハリがあるし。車輪のアップに、テロップ入れてるシーンとか、 いいなぁ。それと、なんか切なくなってくるんだよなぁ。うんうん。
なんか、あの白枠が煩わしいなぁ(というのが△付けた理由)。 木々まで動いていて丁寧だし、キャラクターの質感、そして、 やっぱ色が鮮やかな感じ。物語についてはちょいわかりにくい気もするけど、 まぁ、これでいい気もする。で、BGMがいいなぁ。
キャラクターも味があるし、生き生きとした表情していると思う。 風の表現とか面白い。
ただ、ストーリーがあまりにも疑問だなぁ。あのカエル頭の人、片目は見えてるんだよなぁ。 で、あの甲殻キノコの目、そりゃたくさんあるけど、全部の目にはカエル頭の人の片目ぐらい 思い入れがあるかもしれないし…。
…と書いたが、当初、甲殻キノコのセリフがよく聴きとれなくて、気がつかなかったのだが、 なんか甲殻キノコが目を食べてしまったということだそうな…。なんだ、そうだったのか。 確かにそれで全部つながるな。でも、重要なセリフが聴きとりにくかったのは問題だなぁと思う。 私の聴力も、あんまり、良くないのは事実なんだけど。 まぁ、それでも、なんかあっけないオチには違いないけど。 ちょっと物語の評価点を修正。(00.05.23追記)
雨、風、光、雪、等、季節の表現、思い切った猫のデフォルメ、そしてやはり音。 さらに、感情の表現…か。
机とかに涙がポタリと…ってのは、反射的に感情が動いてしまう映像なんだよな。 それぞれみなさんにはそういう気持ちになった時って普通あるわけで、そんなのを思い出してさ、 あるわけよ(←って何が)。 だから、ちょいずるい気もするけど、まぁ、そんなこともないかな。 ま、そんなにうだうだ言うことじゃないか、…とかなんとなく思った(なんだそれ)。
「この世界が好きなんだと思う」という言葉はクールだから使ってるのか、深い心をこめてなのか、 どうなのかなぁ。安易にまとめに使うのはあやういかもな〜、でも、まぁ、そんなこともないか、 ま、そんなにうだうだ言うことじゃないか、…とかなんとなく思った(なんだそれ)。
で、△マークは、結局、こういう作品を、 私が応援しちゃだめでしょうという意味なんだと思う(なんだそれ)。