第13回のアマチュアCGAコンテストの入選作品の感想です。 以下は、あくまでも、私が思っている感想でして、これを読んで、 制作者は作品をこうすべきだったと主張しているわけではありません。
それから、毎年同じこと書きますが(笑)、 自分の作品のことは棚に置いて、感想書いてます。 そうでないとなかなか書けないもん(苦笑)。
今回は、日頃のアニメ感想と同様、評価点っぽいのを付けてみました。 ★が1点、☆が0.5点です。
面識がある制作者も多く、勇気がいることでもあるような気がするんですが…(おいおい)。 もちろん、この評価点は、全くの独断的、主観的なものであり、そして、多分、その評価は、 常に揺り動いています。これを書いた翌日はすでに変わっているかもしれません。 それから、特にど〜も納得いかないな〜と思ったところには、×や△を付けました。 納得いかない度というのかな。×が1点、△が0.5点です。いいなぁと思うところが多いけど、 それと同時に納得いかないところも多いというものもあるので、 そういうやり方にしてみました。まぁ、作品ってのが安易に点数化できるものとは思ってませんが、 かといって定量化することに意味がないとは言えないと思いますが、どうなんでしょうね(←誰に聞いてるのやら)。
なお、作者名は敬称略です。
人物的モデリングの出来は特に文句なし。人物の動きもまずまずいい感じ。 冒頭の町中をボードですべるシーンが気持ちいい。建物とかもよく出来てるし。
でもキャラクター描写にはやや不満。特に薄紫っぽい髪の毛の少女の方、いくら無口と言っても、 あまりにもキャラが立ってないと思う。 入り口ぶっ壊しといて、全くのシカトじゃ、ドラマ的にあんまり面白くない気がする。 ぶっ壊した後、気の利いたセリフでもあったら良かった気がする。 それと、この人物のセリフが聞き取りにくいのも気になった。
物語構成的には、まず、形状の変わるビリヤード台というのは面白くていいんだけど、 だからこそ、全くプレイ描写がないのが残念だったなぁ。 ボールを壁に反射させて敵を倒すシーン、ここがクライマックスであるはずが、 あんまり映像的な面白さがなかった気がする。 複数の敵を倒すとか、なんかもうちょっと面白い要素、 ドラマチックな描写が必要じゃないかと感じた。
それから、最後の止め絵によるシーンはない方がいいと思うなぁ。
建物等のデザインがいい感じ。キャラクターアニメーションは、 クレイアニメーションっぽいところを目指しているのかな。 植物が育っていく絵がいい感じ。
物語的には、とにかく、わかりにくいな〜というのが正直な感想。 確かにセリフなしでの話作りはとても難しいのはわかるけど…。
解説本にもあったが、青のキャラが驚いているシーンが特に変な演出だった。 あの驚き方だと、やっぱ、観る側は、彼の視点の先になんかあるのかな〜と感じてしまうと、 思うんだけど。他にもキャラが無意味に振り向くシーンが何度もあった。 こういう描写を積み重ねてしまうと、視聴者が映像に集中できなくなってしまうと思う。
それから、この話は、怒りっぽい青キャラの方が、種を買って、結局得をするという展開なんだけど 話の流れを良くするなら、種を買うのはピンクにした方がいい気がするけどなぁ。 漫才で言えば、ボケとツッコミが途中で入れ替わっている感じがして、どうも居心地悪く感じた。
続編自体を作ることには何ら問題はないと思うが、映像的にも、構成的にも、 前作との差があまり出せてない気はした。そういう意味で△。 しつこくハンドとテロップが入る演出はやっぱ面白かったし、 モーションは非常に丁寧でいい感じ。 友人等のWebページのバナーを、サッカー場の広告に使う演出は面白いアイディアだと思う。
自主制作作品で、これだけの長さのものが、 ちゃんとした物語として構成されているのに感心。 絵はちょっとラフだけど、画面構成や、場面のつながりが、 しっかりしている(多分、アニメ作品などでよく研究していると思われる)ので、 見る側はしっかり物語に引き込まれる。
屋外の家の屋根が写っているシーンを、つみきのシーンにつないでる部分とか、 飛行機に乗ろうかどうか迷っている姿から、 カメラを引くと、大きな飛行機の尾翼が見えるシーンとか うまいな〜と思うシーンが非常に多い。
最初の白いワンピースを着て、全力疾走するシーンは迫力あるし、見所満載。
物語構成も、友情をテーマにした、とてもいい話だけど、 恋愛がらみで関係がぎくちゃくしてしまうという部分が、若干薄っぺらいかなぁ。 それと映像のみどころがどちらかというと前半に偏ってしまった傾向はあるかもしれない。
そうはいうものの、「私の血はあの人の血なんですから」というセリフとか、 グッとくる演出がうまいなと感じる。しかし、「あの人」って言い方はちょっと他人行儀かな。
それと、音楽がうまいなぁ。シーンにとても合った音楽が入ってる。 曲のフレーズの親しみやすいし。
なんか、構成的にはちゃんときれいに収まっているとは思うのだが、 盛り上がりに欠けるなぁと感じる。 やっぱ、スムーズな手書きアニメーションを作ってみたいということがメインなのかな。 確かに、作画枚数の多いキャラクターアニメーションは、それだけでも、 インパクトがあるのだが、これに、作品的な面白さが加われば、 迫力が倍増すると思うのだが。
それと中間に入っている家族のシーンの意味がよくわからなかった。
キャラクター描写が見事。カエルのモデリングも非常にいいし。 声優の演技もなかなかで、非常にいい雰囲気を醸し出しているのだが、 最後の絶滅というオチがあまりにも弱いような…。 なんかも〜ちょっとウィットに富んだ皮肉とか何かあるといいんだけどな〜。 傍聴した人のコメントとかがあると良かったかもしれない。
物語はあまりにもシンプルすぎる気はするのだけど、とにかく、 今回のミサイラーの動きはすばらしい。異常なほどのスピード感が出ている。 ただ動きが早いだけじゃなくて、ちゃんと観る側を混乱させない映像作りができていると思う。 Pマンがミサイラーの攻撃を異常な速さでよけるシーンもうまいなぁ。 ただ、最後にP粒子を追ってくることに気づいたPマンが、 P粒子発生装置(だったかな)をミサイラーの本体に取り付ける展開が、 ちょっと早すぎて、一度観ただけでは、何をしたか、わかりにくかった(私は)。 ここだけは、どこかで、少し緩いシーンを入れた方がいいような気もする。
柿山氏の作品となんか非常に似た感じの作品だなぁと思った。 キャラクターのモデリングは良くできていて、動きも、時々、 歩くシーンなどで違和感を感じる部分がないわけでもないが、まずまずいい感じ。
でも、キャラクターが喋っているシーンは、なんか、 ちゃんと会話してないな〜と感じる部分があった。 そう感じるのは、リップシンクとかの人物の動きに関する問題じゃなくて、 会話の時の各キャラの置き方とか、カットのつながりとかの問題ではないかと思う。 1人のキャラが、画面真ん中で口をパクパクさせているシーンが多いが、 こういう絵が特になんか会話をしているという感じがしない絵だなぁと感じた。
物語的には同じ顔をした人達が、なんかいろいろ喋っている難しいセリフが、 唐突すぎて、すごく記号的な感じがしてしまう。 確かに作品規模が小さいだけに難しいのはわかるのだけど、 小難しいセリフを話させたいのなら、 こういう事態に至る事情を少しは描かないと、問題がある気がする。 それが困難だったら、もっと単純に楽しめるようなシンプルな話にした方がいい気がする。
他には、あのボソボソ喋る男のセリフが、あまりにも聞き取りにくいことと、 途中で、主人公のキャラが、何の理由もなく変わっている感じがしたのが気になった。 全体的には暗い喋り方のキャラなのに、もう一人の女の子と、会話している時だけ、 普通の感情豊かな女の子になっていた。「あんたキャラ変わるのね〜」とか、ツッコミでもあれば、 よかったのかもしれない。
実は絵も構成も歌も非常によく出来ていて、特に文句をつけるところがない。 鼻毛、寝癖、血走った目とかのギャグも面白い。 でも、私の場合、東映戦隊作品をゴレンジャーの頃から、ず〜っと観ているし、 戦隊のパロディモノってのいうのも、それこそおびただしい数、観ているわけで、 その中では、やっぱ、なんか、この作品はやや穏やかすぎる感じがして、 ちょっと物足りない感じはする。
短い作品ながら、よく物語がまとまっていると思う。ただ、やっぱ、 あのオチは読めてしまった。山さんが実は狩られる必要があったという事情が、 どこかでうまく描かれていればもっとよかったのかもしれない。
それにしても、モデリングが秀逸でびっくりする。 山さんはいいおっさんぶりだし、ターゲットの人もアブナい香りのする怖さがあって、 いい感じ。…というか、どのキャラも秀逸すぎる。
ただ、これだけモデリングがいいと、もう少し画面構成的、カットワーク的な面白さにも、 期待したくなってしまう。なんか、そのあたりがいまひとつだったような気がする。 事情聴取のシーンとか、もっと道具とかをうまく使うなどして、 もう少しいい雰囲気を出せると良かった気もする。
絵柄はなんかパワーパフガールズにもちょっと雰囲気が似てるような…。 とにかく絵がきれいなことだけに配慮して、 作品自体はなんだかわからないアートぽさだけの作品よりも、 こうして、登場人物がどんな人かはっきりさせ、そのテーマに従って、 デザインを凝らした絵に仕上げるというやり方は、 私のようにアート性より、話の面白さ重視みたいなタイプにも観やすいなと思う。
ただ、シャワーをあびて普通の女に戻ったところ、 いきなり歩き出すシーンにしないで、 もう少し、パシっとキメましたってシーンがあったらいいんじゃないかな〜と感じた。
まぁ、声優に関してはうらやましいの一言(笑)。 カメラワークが、確かに、カメラ固定で切り替えるより、 この作品には、この方が合ってて、なるほどな〜と感心。 作品については、なかなか目の付け所がよくて、面白いんだけど、 やや地味すぎるとは思った。 でも、特に悪いところは何もない良くできた作品だと思う。
からくり侍シリーズ最終巻。障子の地図が拡大されていく迫力ある映像とか、 太陽風とか、陰陽子(?)のイメージ映像とかの笑えるネタとか、 最後の筆七が裏切るオチとか、最後のしんみりする演出とか、 非常に良く出来た作品だと思うんだけど、 やはり今回もわかりにくいシーン(絵も話も)が結構多かった気がする。
特に、新撰組等の歴史上の人物が次々出てきて、会話するシーンは、もう少し整理して、 ストーリーの流れみたいなものをはっきりさせた方がいいように感じた。 それとも、歴史知識がある人にはわかる話なのかな。
それはともかく、自主制作映像ならでは良さが出ている独創性の高いシリーズだったと思う。
そういえば、この作品も音楽がいいなぁ。
全体的にここぞという見せ場が少し足らないような感じはするが、 短い作品時間の中で、構成が整理できていていい感じ。 女の子は肌の色と髪の色が印象的でいいけど、もう少し色っぽさが出てるともっと良かったかも。
特に気になった点としては、「残念だけど、あなたじゃ相手にならないわ。今の私にもね」というセリフ。これは、ちょっと収まりが悪い。 他にも言葉の使い方があんまりよくないなぁと感じたセリフが、いくつかあった。
酒場を仮想空間っぽくして、戦っている時の着地の時に、波紋が出てるのは、 なかなか見栄えがよくなるアイディアだなと感心した。 ただ、弾丸を指で止めるというのは、ちょっと陳腐な演出だったかも。
前作の続編的な話。去年の作品の方が、映像的にも物語的にも、 インパクトがあったような気はするが、今回の作品はとにかくキャラの動きがテンポよくて最高。 一郎が、回る遊技物(これってなんて呼ぶのかな)に乗って回転するシーンは非常に気持ちがいい映像だった。
そもそも、キャラクタの動き自体は、それほど自然というわけでもないのだが、 細かいことにこだわらず、とにかくどんどん動かしてみせた方が面白いという良い例だと思う。 街中をちょこまか動いている映像感がとってもいい感じ。 こういう映像感は、2Dのアニメや実写じゃあんまり作れないと思う(どっちも、3DCGに比べてると、 ずっと大変だから。笑)。3DCGという技術を非常にうまく使って、 子供達が日常的に遊ぶ姿を、躍動感のある映像で表現しているなぁと感心。 そして、各キャラの表情が前作にも増して、非常に豊かになってるなぁと思う。
いやぁ、何にしたって、このシスター姿のむすめしゃんが激燃えだなぁ(笑)。 あの流し目がいい。「冒した罪など、まるでなさげな顔して、 ほんと罪作りなお嬢さんだぜ、へへへ…」って感じ(おいおい)。 世の中には、ポリゴン数を増やして、リアルなモデリングした美少女系キャラが、 星の数ほど(おいおい)存在するけど、このシンプルなモデリングのキャラより、 心を惹きつけるものは、そんなに多くない気がするぞ。
ロボ戦の方も、基本的にはシンプルなモデリングなんだけど、バリアーの動きとか、 ちゃんとバトルやってるって感じが出ていい感じ。
あと、画面構成がうまいな〜と感じる。静も動もうまい。
う〜ん、好きか、嫌いかと聞かれれば、そんなに好きじゃない作品。 だって生々しいんだもん(汗)。 でも、技術的にも、その表現している内容も、並大抵ではないなぁという出来。 たいてい、不用意にカメラを振り回すと、 不自然になっちゃうもんなんだけど、この作品では、室内で、カメラを振り回すことが、 不安な雰囲気を演出するのに、非常に効果的に使われていると思う。 虹色っぽい絵の感じも、全然、不自然じゃないんだよなぁ。いやはやすごい。
物語の方も、非常に説得力のある描写で、引き込まれてしまうが、 やっぱ、いくらなんでも、ストーリー的に、 何らかの解決をすべきじゃないか…という気はするなぁ。まぁ、この手の話は、 不用意にオチを作ると、陳腐になったり、おかしくなっちゃうんだけどね。 でも、やっぱ、居心地が悪いなぁ…と感じるなぁ。
なんか、この作品は感想を書くのが難しい。私はあんまりピンとこなかったんだけど、 解説本では妙に評価がいいなぁ。なぜなんだろ。 ポリゴンが少ないということが問題というわけでないし、 悪い部分を特に感じるわけではないんだけど、なんか見せ場みたいなものを、 特別に感じなかったなぁ。「一緒に箒を直そうね」ってのがオチで、 あれれそれで終わりですか…って感じで。 同じ感想抱いた人いません?(←誰に聞いている。笑) そういえば、声優さん、なんか池澤春菜に似た感じの声だな。 ちなみに、魔法少女モノだからっていつでもピンと来るわけじゃないので念のため(笑)。
うわ〜、私には全くわからない作品。 えっと、この作品、みなさんはわかるんですか?(←だから、誰に聞いてる)
それと、やっぱ、日本語使って欲しいなぁ。 なんか、わかりにくい作品だと思うし、わりと説明的なセリフもあるので、 字幕を追ってると、なんか、なおさら、作品に集中できなくなってしまうんだけど…。 英語版を作るのもそれはアリだと思うけど…。
絵は小ぎれいで、色味も独特な作風出てるし、綺麗なアニメーションしてる。 ときたまキャラクターがワイヤーフレーム化する時の効果が、 自然な感じに仕上がってるなぁと思う。
でも、技術的な点で、特に例を示して問題点を指摘はできないんだけど、 間違いなく、この作品に、私の視点はちゃんと誘導されなかった。 ちょっと観ていると、ぼ〜っとなってしまう。 気合い入れて観ようとしないとこの作品は観ることができないって感じだった。
なんか、作品賞だし、解説本観ていると評価も高いんだけど、 こんな感想抱くのは私だけなんだろうか。
物語的には、もう少しドラマチックに作りようがあったのでは…とも思うけど、 いやはや、この映像手法には驚いた。
最初、この作品の見方がわからなくて、 なんだこれは…って感じだったが、見方がわかったら、なるほど、 こりゃなかなか面白いじゃないかと驚いた。 なんか、その昔、 カットでつなぐ映画を初めて観た観客が、見方がわからずに、 混乱したということを本で読んだことがあるが、 それと似た感覚だったのかもしれない。
こういう作品手法は、なんだか実験的なものだけに終わっちゃうのはもったいない気がする。 同じ手法で、もう少しドラマ的にも楽しめるものを誰か作らないかなぁ〜とか思っちゃうんだけど、 みんな、パクリと言われるのがいやで敬遠したりするかな。
それにしても、モデリングがしっかり出来ててすごいなぁ。 3DCG作品で、背景の建物とか、丁寧に作り込んでしまっても、実際、それをこれみよがしに見せると、 作品自体が散漫になっちゃう危険性があるんだけど、こういう手法なら、 建物の丁寧な作り込みも見せながら、作品も楽しませるということが、 結構容易にできるんじゃないかという気がする。