トランプカルテット(令和元年12月24日)
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 カルテットはドイツの定番のカードゲームだそうです。4年ほど前に秋田県の寺田さんから教えてもらいました。購入してやってみて楽しかったので、学生さんたちの授業で創作してみたりしました。4枚1組の種類の同じカードを6セット〜7セットをよく切って4人に配り、同じ種類のカードを4枚を集めるものです。最後に本来のものを紹介しますが、日本では一般的でないので、なかなか普及しませんでした。そこでトランプを使ってシンプルにやってみようと思います。

 
 トランプのカードはA(エース・1)・K(キング・13)・Q(クィーン・12)・J(ジャック・11)・10・2の6セットを使います。(7セットでも良いし、残りの3・4・5・6・7・8・9などを使っても良い)
 
 
 24枚をしっかりと切ります。この時に子どもたちで切りたい人には全て切らせてやることが大切と思います。私はゲームなどでは公平性・偶然性(ギャンブル性)・主体的参加性があることが必要と思います。自らがカードを切ることで自分自身も参加したことを感じることが出来ます。
 切り終わったら配布する人が左手でカードを持ち、どこから配布するかを左隣の人にカットして決定してもらう。
 時計回りで1枚ずつ配布し、5枚・5枚・5枚・5枚・4枚の5セットの山を作ります。

 
 5枚の山のセットの中から、じゃんけんをして勝った順に1セットずつ取っていきます。これで公平性が保つことが出来ます。一番負けた人も2セット残っているので、二つから選択できることが主体的参加性を持つことが出来ます。

 
 4人がそれぞれ1セットずつ取ったので、5セットの内の1セットが残ります。(残っているのは4枚の場合も5枚の場合もあります)次に一番勝った人から真ん中から時計回りに1枚ずつ取っていきます。真ん中に5枚残っていた場合は最初に4枚セットを取った人が最後の1枚をもらってそれぞれ6枚ずつとなります。

 
 お互いに見えないようにやるのですが、ゲームのやり方を紹介するために開いてみました。手前の人はK1枚・Q1枚・J3枚・10が1枚あります。自分の持っているカードでない種類のカードを他の3人から「○○さんハートのJをください」とお願いします。3人の内の誰に言うかは自由です。言われた人は持っていたら「はいどうぞ。」と渡す必要があります。持っていなかったら「ごめんなさい。ありません。」と言います。あるのにないというインチキは許されません。

 

 手前をAさん・左隣をBさん・正面をCさん・右隣をDさんとします。「CさんハートのJをください」とAさんがお願いしてもらうことが出来るとAさんはJを4枚そろえたので、みんなに見せて10点の獲得となります。

 
 次にハートの10をBさんにお願いしたのですが、Bさんは持っていなかったので、Aさんは終わりとなり、次は時計回りでBさんの順番となります。

 
 BさんがAを4枚とも上手くゲットした様子です。自分のお願いするカードがもらえた場合は自分のカードがなくなるまでもらうことが出来ます。もらえなかった場合は時計回りに次の人がやることになります。

 
 AさんBさんがそれぞれ10点を獲得した様子です。
 これを続けてカードが全部4枚セットになったら、終わりとなります。4枚組を何セット集めたかで勝敗を争います。何回もやる時は1位4点・2位3点・3位2点・4位1点としますが、1位が2人なら2人とも4点・この時2位が2人なら2人とも3点とします。最後に集計をして一番点数の高かった人の勝ちとなります。勝った人は他の人に「皆様のおかげで優勝させていただきました。ありがとうございました。」と挨拶をしましょう。
 
 詳細のきまり
 ハートのAをくださいと言われてクローバーのAを持っていてハートのAがない時は「ごめんなさい。ありません」となります。
 ゲームの中で明らかに特定の人が「ハートのA・クローバーのAを持っているとわかった時に「○○さんハートとクローバーのAをください」とお願いすることが可能です。ただしハートのAはあるけれどクローバーのAがない時は「ごめんなさい」となります。
 最初に持っていたカードが他の人に持っていかれて、その種類のカードがなくなったときは請求することは出来ません。ただし、ハートのKとクローバーのKを持っていて、ハートのKはとられてが、クローバーのKが残っているのなら、自分の順番が来た時にKを請求することが出来ます。

 留意点
 指名をして「○○さんハートのAをください」ときちんとお願いすることが必要です。カルテットを通して言葉使いを学ぶことも大切です。
 カードの配り方を工夫したのは公平性と主体的参加性を保障することが目的です。カードゲームをやった結果、仲良くなることが目的です。
 トランプカルテットを通して、他の人の話をきちんと聴く能力を養うことも大切です。
 4人でやることを原則にしていますが、3人でも出来ます。カードは4セット配付し、じゃんけんで勝った人から選び、最後は時計回りにとっていきます。3人の場合は1人8枚となります。
 参加したい人が10人いるときは、3人組・3人組・2人組・2人組の4チームを作って、ツーパワースリーパワーでやると楽しく出来ます。負けた時の悲しみは2分の1・3分の1になり、嬉しさは2倍3倍になるものです。また、放課後児童クラブなどで保護者のお迎えが来て、人数が減少してもゲームが続けることが出います。

 本来のカルテットの紹介
 本物のカルテットも楽しいものです。ネットで検索ししてコピペしておきます。
  
 

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 ドイツ人はみんな大好き?カルテット
「カルテット」は、子どもから遊べるカードゲームです。同じ種類のカードを4枚揃えたカルテット(4枚組)をたくさん作れば勝ちというシンプルなルールです。「ババ抜き」のような一般的なゲームで、トランプでは「家族あわせ(オーサー)」という名前で遊ばれています。

このカルテット、いろんなメーカーがいろんな種類を出していて、鉄道や車、動物など、これでもかというくらいにいっぱいあるのを見ると、「ドイツの人ってカルテットが好きなんだな〜」とつくづく思います。でも確かに、子どもから遊べる易しいルールでありながら、推理・記憶・戦略といったゲームの真髄を味わえ、しかもお手軽という美味しいゲームであることは間違いありません。

どんなゲーム?
カードは4枚1組になっています。よく混ぜてすべてのカードを配ります。手持ちのカードの中で、同じ種類のカードを4枚揃えて、カルテット(4枚組)を作り自分の前に出します。全員のカードがなくなった時点でたくさんのカルテットを作った人が勝ちです。

カードを集めるために、手番では「○○さん、何々のカードを下さい」と、特定の人に特定のカードを要求します。要求された人が持っていれば、そのカードをもらって(4枚揃ったら自分の前に並べて)、さらに要求を続けます。要求された人に「ありません」と言われたら、次のプレーヤーに手番が移ります。

集中していれば大逆転が可能
3枚まで集めていよいよ4枚目、という場面で推理を外すと恐ろしいことに。4枚目を持っているプレーヤーが、情け容赦なく手持ちの3枚を奪っていくかもしれないのです。そのためには、他のプレーヤーが何を要求しているのか、どのカードが誰のところに移動したのか、そういった公開された情報を見逃すと勝てません。自ずと集中するようになります。

名前を呼ぶ
「○○さん」と名前で呼びかけるのもこのゲームの特長で、黙っていてもやれてしまうゲームと違い、言葉を使ったコミュニケーションがルールの中に組み込まれています。

親しみやすい絵柄
また、トランプでも同じ遊びはできますが、子どもが遊びやすいようにわざわざ専用のカードを作ってしまうところ、そしてそれが何種類もたくさんあるところが実にドイツですね。子どもにとって、数字は抽象的すぎて親しみにくいものです。それに比べて、身近で親しみやすいものをカードにしているのもうれしい点です。お好みの絵柄をお選び下さい。

ハラハラする推理戦
さらに、重要なルールは、自分が持っていないカードの仲間を請求することはできない、ということです。つまり、「何々を下さい」と要求することは、同時に「私は何々のカードの仲間を少なくとも1枚は持っています」とバラしている訳で、そのことによって単なるカンだけでない見事な推理ゲームに仕上がっています。大人が遊んでも楽しいゲームです。

   トランプカルテットを考える背景
 放送大学の危機の心理学のリスクティーキングから学んだことがあります。人間は暇になることがとてもつらい動物だそうです。常に新奇なものを求める傾向があり、男の子は女の子よりも若い人が年配よりも新しいものに興味を抱くとのことです。 
 子ども達には出来るだけ暇な時間を少なくして、新奇で楽しいことを提案し、自分からやろうとすることを伸ばしてあげることが大切だと思います。子どもにとって無駄で意味のない暇な時間を強制されると、危険なことや自傷行為でも何もしないよりはましと感じて行動するようです。

 

 カルテットで子ども自身がカットしたり、ジャンケンで勝った人からカードをとっていき、一番負けた人にも二択が出来るようにしたのは、人間は自分でコントロールしたことは価値有りと錯覚する存在であることによります。写真のように他人の選択の四倍の価値が自分の選択にあると感じるようです。自らの選択というのはとても大切なことです。放課後児童クラブや児童館や青少年健全育成の場では必ず保障することが大切と私は思います。

 
 カルテットは能力的には小学1年生には少し難しいが、2年生くらいになれば充分にやれると思います。ただ他人の話をしっかり聴いていて、きちんと判断する能力も必要なので、かなりの推理力が必要とされます。人間は自分の能力と活動に必要な能力の微妙なバランスで楽しかったり、つまらなかったり、無気力になったり、くつろいだり出来るものです。このバランスを考えながら、カルテットもやってみることが必要だと私は思います。
 またゲームは孤独に一人でやるよりは多数でやった方が楽しいものです。4人いれば出来るゲームでもあえて2人組や3人組で(ツーパワー・スリーパワー)で協力してやることで、能力が高くない子どもでもゲームに参加しながらゲームを覚えることが出来ます。支援員等はツーパワー・スリーパワーの手法を是非に活用していただきたいと思います。

 
 人はポジティブイリュージョンを持っています。これは生きていくためにとても大切なことだと思います。子どもたちの失敗や成功・良い行動ややっていけない行動もネガティブに捉えないで、積極的な方向性にもっていくことが必要と思います。カルテットでの負けも今度は頑張るぞとの方向に持っていき、負けたけれど楽しかったと思えるように支援していくことが大切と思います。


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