米国Hewlett Packard社製のIBM-PC互換パームトップコンピュータ
である。
最初に買ったマシンはHP-100LXであったが、1年半の酷使の結果
ついに物理的に限界が来た(首が折れた)ので、新たにHP-200LXを
購入。
日常において最も使用頻度の高いマシンである。
嘘偽りなくポケットに入る小型軽量なボディが最大の魅力である。
閉じたときのサイズは160x85x26[mm]で重量は約320gくらいだと思う。
カバンに入れると気にならない大きさと重さであり、上着のポケットに
十分に入る大きさである。
CPUは80186、動作クロックは標準で8MHz、倍速化を行って16MHz、
液晶はCGA(640x200モノクロ)、OSはMS-DOS、という既に時代遅れな
スペックとなっているが、バランスは非常によくとれているマシン
だと思う。
最近、母艦となるデスクトップマシンが
Pentium133MHz/Memory80MB/VideoCard RAM 4MBとハイスペックに
なったのだが所詮はOSがWindows95で、使い勝手や道具としての
優秀さは200LXの方が断然上なので自宅での使用時間も
200LXの方が長い。
アーキテクチャはIBM-PC互換であるため動作ソフトも非常に豊富で、
デスクトップマシンで使いなれたソフトがそのまま動くというのは
ありがたいことである。
おかげで、Internetプロバイダへのアクセスから電子メールの
読み書きまで全てこのマシン1台で処理して問題なく行え、長期間
自宅を離れようとも常にいつもと同じ環境で電子メールのやりとりが
できるのでとても便利である。
Cコンパイラ等もIBM-PC用のものが動作するので電車の中で立って
デバッグというのも全くの冗談でなく可能なのだが、個人的には
コンパクトかつ高機能なPerl言語
のMS-DOS版が動作するのでありがたく使わせてもらっている。
身の回りの作業で行う処理ならPerlで十二分に対処可能なので、
持ち歩けるPerlマシンとしても200LXは非常に重宝している。
あまり雑誌などにも取り上げられないが、LXの優秀な点として
レジューム機能が挙げられると思う。
これは、いついかなる場合でも電源をoffにすることが可能で、次に
電源をonにした時には瞬時にその状態に戻る、という機能である。
携帯情報機器としてはごく当たり前の機能ではあるが、初めて
ノートパソコンを触った時に、レジュームというメニューを選択したら
電源offまでに10数秒かかった上に、その後の電源onにも同じくらい
時間がかかって「こんなのレジュームじゃないやい」と愕然とした
覚えがある。
LXはそのレジューム機能のおかげで電源on時の起動時間は常に
ほぼゼロであり、必要な時にさっと取り出して電源をonにして必要な
情報をチェックした後電源をoffにする、という一連の作業が数秒で
可能となるのである。
東京出張時に地下鉄乗り換えを検索する場合や、英単語を
辞書で引く場合に、ストレスなく数秒で情報が得られるので
非常に便利である。特に前者はLXの便利さをとても強く感じる
瞬間である。
これもまた雑誌ではあまり取り上げられない点なのであるが、
HP-200LXの内蔵ソフトは非常によくできていて高性能である。
特筆すべきはデータベースソフトのカスタマイズ機能の柔軟さ
であり、レイアウトや項目種類の設定が非常に簡単かつ種類が豊富
である。
仕事で何かしらのデータの管理をする場合も、10分くらい
ちょこちょこっと操作すれば、それ専用のデータベースのフォームが
出来上がり、即座に使えるようになるので非常に重宝する。
また、内蔵の住所録ソフトも基本エンジンはこれと共通であるので、
住所録も自分の好きなように項目やレイアウトが設定可能である。
他の市販ソフトでこれくらい高機能な
ソフトがあればいいのに、と思うくらい便利な内蔵ソフト群である。
もともとの内蔵ソフトの基本性能が高いとは言え、それ以上に
HP-200LXを便利な道具にしているのは数々の素晴らしいフリーソフト
(一部シェアウェア)のおかげである。これによって元とは全くの
別物といっていいくらい機能アップした機械に変身していると言える。
こればかりはそれぞれのソフトの作者の方々に
感謝をするばかりである。
独自のアプリケーションマネージャー上で動作するそれらのソフト
の連携によってLXは素晴らしい能力を発揮できるのである。
内蔵住所録ソフトの電話番号データを使ってオートダイヤラーに渡して
起動し、電話の受話器にLXのスピーカー部分を押しあてて相手に電話
をかけたり、内蔵スケジューラーソフトから赤外線学習リモコンソフトを
自動起動して、出張先ホテルのテレビを朝6時半にLXを使って電源を入れ
目ざまし代わりとして使う、等、コンピュータという範疇には
収まらないほど便利な道具となっていると言える。
極限まで贅肉を削ぎ落としたスペックと、様々な省電力設計によって
HP-200LXの稼働時間はノートパソコンとは比較にならない程長い。
バッテリーには単3電池2本を使用するのであるが、アルカリ電池で
20〜30時間、リチウム電池を使えば50時間以上のバッテリー稼働時間
を誇る。さらに、ニッカド電池と(非公式に)ニッケル水素電池も使用可能
であり、ちゃんと本体充電も可能である。システムを充電池モードにして
おけばACアダプタを接続して稼働している間もLXを使いながら充電して
くれるので、家ではACアダプタに接続しておけばまずバッテリー切れに
なることはない。
仮に電池切れとなった場合もコンビニでも入手可能な単3電池である
のでいざという時も電源の確保が容易である。
コンピュータの価値はマシンパワーだけで決まるものでもなく、
重要なのは使い勝手とそこで動作するソフトウェアである、ということを
強く感じるマシンである。さらに、身につけて常に持ち歩けるという
絶対の強みは何物にも代えがたい利点であり、サイズの小ささも性能のうち
である。
HP-200LXはサイズ,内蔵ソフトの機能の素晴らしさ,数々の優れた
フリーソフトのおかげで、この上なく便利な機械となり非常に強力な
道具となりうるマシンである。
真にパーソナルなコンピュータと呼ぶことのできるマシンであると
言える。
あの『「超」整理法』の著者野口悠紀雄氏の著書
『続「超」整理法・時間編』の中(p.47〜p.49)に、スケジュール管理の
道具に関して必要要素として挙げられているものに以下のものがある。
・数週間が見渡せるスケジュール表
・仕事の配置を示すTO-DOボード
・その日の仕事を示す「すぐやるメモ」
これらはHP-200LXに標準内蔵のスケジューラに備わっている
機能ばかりである(LXではTO-DOが2次元ではなく1次元であるが)。
さらに、電子機器が手帳になりうるか?という問題に対して、電子機器で
問題となる点として、キーボード入力に手間がかかる、
起動時間が馬鹿にならない、携帯性に問題、表示の問題、というものが
挙げてある。
1番目の点は慣れの問題であって、私自身は全く気にしていないが確かに
問題ではある。4番目の点は使い方やツールに依存する。
しかし、2番目と3番目の問題はHP-200LXとは無縁な話である。
これらを読んで、野口氏にはHP-200LXを一度使って欲しいとも思ったが、
道具に何を使うかは個人の自由だから
とりあえず気にしないことにする。
何よりも、この本を読んで感じたことは、いつのまにかこれが当たり前
だと思っていたLXのスケジューラが道具としていかに優秀なものか、
ということであった(笑)。確かに以前の電子手帳からLXに移行したときに
いたく感動した覚えがある。
紙の手帳ってスケジュールが1週間単位でしか見渡せない、というのは
初めて知った衝撃の事実であった(苦笑)。1つのスケジュールデータを
1ヶ月,1週間,1日という異なったスケールで柔軟に見渡せる、とか、
それと連動してTO-DOリストも表示される、とか、年の変わり目でも問題無く
スケジュール管理できる、というのは電子機器ならではの
メリットであろう。
今まで空気のように当たり前に使っていたLXの偉大さを
再認識した次第である。
そろそろ本領発揮(笑)。いろ〜んな意味であやしいLXである。
Niftyserveで、木のキーボードパネルを作ってるという
人がいて、その写真を見て非常に気に入ったので、クルミの木のシートで
とりあえずやってみた。
材料は東急ハンズで購入、厚さ0.2mm程の木のシートの裏に
粘着剤が付いていてシールになっている、というものである。
むぅ、なかなかシック…、か??(^^;;。粘着力が
思った程強くなかったので、貼って剥がしての
Try&Errorは結構楽であった。
4分割で音声付き動画データを再生中の写真である。