第拾七話

四人目の適格者

[Fourth Children]


<あらすじ>

Now Writing.


<評価>


<感想とネタばらし>

 あいかわらす30分のTVアニメとは思えない密度の濃さ。授業中の先生のセリフとかも要注意。

査問委員会
 委員会の皆さん、真実を知りたいのなら、仲間外れのミサトさんを呼び出してもダメです。せめてリツコさんを呼びましょう。(まあ、役職から言うと順当なんだけどね)

第2支部の消滅
 考えられる原因は32768通り。タイムスケジュールから、S2機関の実験中の事故という可能性が大となっていますが、使徒が第2支部に現れたという可能性は考慮されていないのでしょうか?それとも本部(アダムがいるところ)以外に使徒が現れないという確信があるのかな?

S2機関
 復元ってのが気になるよなあ。どっかの遺跡から掘り出したとかのありがちな落ちはやめてほしいな。

ダミープラグ
 リツコさん、妙に機械というのを強調していますね。ハードウェアでできているなら、黙っていても機械ということは周知でしょうに。実は中身はウェットウェアか?(ま、レイがあれだからねぇ。ダミープラグの中にレイがもう一つ入っていても違和感ないな)

4人目の適確者
 後で加持くんも言っていますが、マルドゥク機関は実在しません。これは第拾伍話の時点で予測できたことですね。しかしシンジの中学校が候補者を保護しておく施設というのはちょっと意外でした。
 リツコさんの「コアの準備のできる子供がいます」というのが意味深。ここで思い出されるのは、第拾六話でのシンジの見た幻影、子供のシンジが赤い玉をユイに差し出しているというカット。この件はちょっとまだ判断材料がそろっていません。
 適確者の候補は大量にいるものの、それを今まで公にしていないのは、ゲンドウはすべてのエヴァを自分の指揮下に置きたいからでしょう。政治的な配慮で参、四号機はアメリカの建造するところとなりましたが、パイロットがいなければただの人形です。
 他にも、自分が把握していない人物をパイロットとして使用したくないということもあるでしょう。レイは問題なし、シンジはなんだかんだといっても息子、アスカは…こう考えると真っ先に使い捨てにされそうだな。今回にしてもダミープラグが間に合わないがゆえに、4人目を選択せざるを得なかったようにしか見えません。

シンジとアスカ
トウジに夫婦喧嘩か?とからかわれて真っ赤になります。二人とも心当たりがありますからねぇ。(クスクス)

らぶこめな委員長
彼女の役割はけっこう重要です。詳細は「今回の主役」の項にて。

「ありがとう 感謝の言葉 初めての言葉 あの人にも言ったことなかったのに」
 レイのモノローグ。こういった韻をふんだ言葉使いといい、行動に試行錯誤という要素が無いあたりにちょっと思うところがあるのだけど、この件についてはまた今度。

ゲンドウと冬月
 「ここと初号機がのこっていれば十分だ」、はいはい。初号機が一番大事なのは解りましたって 。(-_-)

加持君とミサトさん
 加持君、登場した時から、マヤさんに手ぇ出さないわきゃないよな、と思っていましたがここまで期待通りだとうれしいですねぇ。マヤさんのリアクションもグー!
 対する年増な(笑)ミサトさんは今回も余裕がありません。この人は与えられた問題を解くことに関しては有能ですが、隠された問題に対処する能力はからっきしダメですね。結局加持君に頼っているわけだし。(そしてそれは彼女にとって、ネルフへの忠誠の反対側にある行為です)
 シンジ君とちがって全然成長せんね、この人。

今日のシンジ
「ぼく、男ですよ」これが最高。  加持君とのすいか畑での会話で、前回の幻影との会話を思いだしているようです。ちゃんと覚えてるんだ、前回のこと。
 しかし加持君って、結構子供好きなのね。

今週のアスカ
 どんどん壊れてゆきます。この先が楽しみ。(ぉぃぉぃ)

今回の主役
 第拾八話話との前後編と考えると、やはりフォースチルドレンたるトウジでしょう。彼を前面に出さず、周囲の状況を細かく描写していく演出法はけっこう私好みです。
 彼が4人目ではないか?というのは彼の登場直後からけっこう言われていました。理由は彼の服が黒いから。シンジたちのプラグスーツの色と並べると、白、赤、黒、青。これは黙示録の小羊が7つの封印のうち1から4の封印を開けたときに現れる4頭の馬と同じ色です(順不動)。エヴァ自身の色がマッチしていると、さらに強い傍証になるんですが、白が無いんですよね。初号機の紫がすべて悪い。
 トウジですが、これまでのところ典型的なわき役で過ごしてきました。登場回数に比較して彼自身のことが語られることは非常に少なかったのです。エヴァ参号機のパイロットという準主役級としての物語を語るだけの力は当然ありません。そこで出て来るのが、彼の妹とラブコメな委員長(笑)。彼がエヴァに乗るときに一番に思うのは、「妹を傷つけたロボットの仲間に自分が乗らなければいけない」という葛藤でしょう。しかしまた、エヴァが自分達第3新東京を守っていることも、シンジを通して骨身にしみて知っているのです。彼が委員長とラブコメに突入し、彼女と彼女の住むこの世界を守るためにエヴァに乗る、しかし妹のこともあってその行動を自分では正当化しきれない・・
 こう展開すると彼も立派に物語の主人公になることができますね。
 …でもよく考えたらレイがエヴァとシンクロするのに7ヶ月かかっているんだよね。所詮は補欠上がりであるトウジがレイよりうまくシンクロできるとは思えないし…7ヶ月分も放送回数残ってないな。
 と、いうことで、上記のプランは却下。(^_^;)
 おそらく次回には彼はとてつもなくひどい目にあうことでしょう。なぜなら、その事件を通じてシンジが主役たる自覚をとりもどしてくれないとそろそろ困るからです。現在のシンジは使徒はしつこく現れるものの、エヴァのパイロットとしての居場所は確保し、父親とは会話し、あまつさえアスカとラブコメを繰り広げるという平和な日常を満喫しています。成長したのはいいけれど、そこで停滞しているのです。物語の主人公たる条件、それは物語を通じて変化、成長してゆくことです。今の彼のように平和な日常を満喫しているような者にエヴァの主役はつとまりません。(ミサトがいるか)
 と、いうことで、次回のトウジ君の役目は、「シンジが行動する動機を与えるためにひどい事故にあうこと」に決定!参号機ごと暴走して死んでしまうのが理想的(ぉぃぉぃ)。しかし、これはアスカの役目だと思ってたんだがな(^_^;;)。
 ちなみに黙示録の黒い馬は秤をもって現れます。なにかひっかけてあれば、シンジ達3人の役割分担を考える材料になりそうですね。


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Feb.,10,1996