第拾八話

命の選択を

[AMBIVALENCE]


<あらすじ>

 エヴァ参号機が日本に到着する。一人、なにも知らないシンジをよそにフォースチルドレンをめぐってレイ、アスカ、ミサトはそれぞれの思いを胸にする。
 松代でエヴァ参号機の機動試験が行われる。しかし、シンクロ値がボーダーラインを突破した瞬間、エヴァ参号機は暴走、第13使徒と化す。
 松代の実験場を破壊した第13使徒に対し、ゲンドウは野辺山でエヴァ零号機〜弐号機で迎撃する。しかし、零号機、弐号機は参号機に撃退され活動を停止。シンジは参号機のパイロットを殺すわけにはいかないと戦闘を放棄する。ゲンドウはシンジを見限り、初号機のコントロールを未完成のダミープラグに移行する。ダミープラグにコントロールされた初号機は一撃で参号機の活動を停止させる。しかし狂ったように参号機をばらばらに解体する初号機。その惨劇にだれもが目を背ける。
 シンジはなんとか初号機を停止させようとする。しかしその彼の目前で握り潰される参号機のエントリープラグ。そしてようやく初号機はその活動を停止する。
 そして、シンジは潰されたエントリープラグの中に級友の姿を見る。


<評価>


<感想とねたばらし>

エクタ64、ネオパン400
 のっけから大爆笑。できれば「トライX」「ネオパンSS」とした方が好みだなあ。

今週のフォースチルドレン
 入院中の妹を本部の医学部へ転院…エヴァに乗ることへの葛藤だけでなく、乗る理由までもトウジの妹が引き受けます。(ヒカリの存在意義が…)トウジのキャラクタのしての特徴である「妹思いの熱血筋肉馬鹿」というのをきちんと受けた演出です。これにはとにかく感心。第参話から計算しての複線なんだろうなあ、やっぱり。
 しかしトウジの妹、顔も出てこないのにこの存在感の大きさはすごいよな。

TVドラマ
 第拾伍話で放映していたものの続きのようです。いいぞガイナックス!もっとやれ!

今週のアスカ
 どんどん壊れていきます(笑)。人間不信が積み重なってきているというところでしょうか。信頼していた加持さんはミサトと不潔なことしてるわ、ファーストキス(おそらく)の相手であるシンジはとてつもなく信じられないくらい鈍感で馬鹿だし、フォースチルドレンはだいっきらいなトウジだし、親友のヒカリはトウジのことを「優しいところが好き」などと信じがたいことを言い出すし、エヴァのパイロットとしてもシンジに追い越されるし…。(ついでにファーストは嫌いだし)
 復活するにはアスカ自身が変わる必要があるでしょう。しかし彼女にそれができるでしょーかね?

加持とシンジ
 「わかった気がするだけさ。本当に他人を理解することなんかできやしない」 今回ラストへの重要な伏線です。毎度いい役だよなあ、加持君って。

「エヴァを4機も独占、その気になれば世界を滅ぼせるわね」
 ミサトさぁん、迂闊なこと言ってると死期を早めるよ。

一撃でのされるアスカ
 な…なさけなさすぎる…このごろ情緒不安定だしねえ。

「乗っているのは、彼」
 躊躇する綾波というのはシリーズ始まって以来初めてではないでしょうか?
 しかし彼女が心配しているのは参号機に乗っているトウジの安全ではなく、トウジを攻撃するということが間接的にシンジを攻撃することと同義であると解っているためでしょう。別にトウジが心配だったわけではないはずです。このあたりは前半の校舎屋上のトウジの会話に補強されています。  30分にこれだけきっちり伏線つめこむとはたいしたものだ。

レイの負傷
 包帯少女復活か?これも後への伏線になっています。

ダミープラグの発動
 うーむ、まるで切れたワッハマンを見るようだ、ってのは置いておいて、レイの負傷で、エヴァ本体とパイロットのシンクロの意味を強調しておいてのこの参号機の解体、はっきり言って悲惨の一言、演出うますぎます。
 ところで最後、エヴァはなぜ止まったのでしょう。本部からのコントロールとは思えません。シンジが止めたとも思える演出でしたが。(きっと伏線だ、そう決めた)

今週のヒカリ
 彼女、何のために出てきたんでしょうね?トウジの悲惨さを際立たせるだけで、ストーリーになんも絡んできません。
 彼女がトウジの事故について知ることがてきるとすれば、せいぜい「エヴァにぼこすこにされた」ということくらいでしょう。初号機に、というところまで知ることのできる立場にいるとは考えられません。
 予想される展開としては、アスカ(+あと二人)と喧嘩してアスカがさらに壊れるのに一役買ってもらいましょう。やっぱりシンジが主役たる自覚を持つためにはアスカが悲惨な目にあわなければなりません。(こだわってるなあ ^^;)

今週のミサト
 だれかこのぜんぜん成長しない優柔不断女をどうにかしてくれ。

圧壊したエントリープラグ
 最後の最後にトウジがフォースチルドレンとして確定したカットが出てきます。
 解ってはいましたがショックなカットでした。シンジ並みにシンクロしていたらミンチだったでしょうねえ。

第13使徒
 第13使徒はどこから来たのでしょうか。巷では冒頭の積乱雲で感染したという説が多いですが、ちょっとそれは演出上無理があると思います。ではどこから?どこからも来なかったのです。
 エヴァというのはつまるところ使徒をコピーし、人間が制御できるように改造したものです。このことから今回の事件の原因は「エヴァ参号機は製造に失敗した」の一言に尽きます。やはりアメリカ製というところに問題があったのでしょう(ぉぃぉぃ)。四号機の事故も同じ理由だったりして。だいたいあんな太い指をした連中に(以下問題発言につき32768文字削除)
 実験までエヴァ参号機こと第13使徒はおとなしくしていました。これは第11使徒がレイのATフィールド展開と同時に発現したり、第12使徒がシンジの発砲で実力行使に出たように、実験をきっかけに目覚めたのでしょう。
 2015年のアメリカは相当技術基盤の低下が激しいようです。アポロ1号で宇宙飛行士が3人蒸し焼きになろうと、宇宙飛行士7人ごとシャトルが打ち上げ花火になろうとも、決してくじけなかったあのアメリカはどこへ行ってしまったのでしょう(とはいってもあの事故はNASAごとふっとんだわけじゃなかったか)

今回の主役
 シンジ…でしょうね、やっぱり(前回と言っていることが違う^^;)
 今回シンジは「他人を殺すよりも死んだ方がマシだ」といってゲンドウの指令を無視します。その結果、シンジは見限られ、ダミープラグにその役目を奪われます。これは彼のこれまでの「父親に誉めてもらいたいからエヴァに乗る」という行動原理を否定するものです。それゆえに、かれは次回彼自信の意志でエヴァを降りるのでしょう。次に彼がエヴァに乗る時、それは彼が自分のための積極的な理由を見つけた時でしょう。
(って次回予告の内容と予告でシンジがエヴァに乗っていたカットがあったから言えるんだけどね)
 「楽しいことだけを数珠のようにつむいでいきていけるわけないんだよ」 第拾六話全体が今回のこのラストへの伏線だったんですね。繰り返すが演出うますぎ。


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Feb.,10,1996