第弐拾壱話

ネルフ、誕生

[He was aware that he was still a child.]


<あらすじ>

 郊外の公衆電話からどこかに連絡をする加待。受話器を置いた彼はネルフのIDカ−ドを見つめてつぶやく。これが最後の仕事だと。
 冬月副指令が拉致される。ネルフ諜報部は加待が手引きしたとし,彼と関係のあるミサトを拘束する。
 拉致された冬月の前に現れたのは人類補完委員会ではなく、ゼ−レの面々であった。彼らはS2機関を取り込んだエヴァを「神」と呼び、それがゲンドウの手の内にあることを懸念する。
 ゼ−レの一人が彼に冬月先生と呼びかける。
 西暦1999年の京都大学。冬月は講師であった自分、碇ユイとの出会い、そして六分議ゲンドウとの出会いを思い出す。
 西暦2000年。セカンドインパクト。続く2001年、世界は地獄を見た。
 西暦2002年、国連の南極調査団。冬月はゼ−レの一員となった碇ゲンドウと再開する。ゲンドウはゼ−レのやり方を批判する冬月を一蹴する。
 西暦2003年、国連はセカンドインパクトを大質量隕石の落下と発表。しかし冬月はその裏にキ−ルという人物とゼ−レの名を感じ取る。
 箱根。国連直轄の人工進化研究所。所長となったゲンドウを冬月は問い詰める。ゼ−レはセカンドインパクトの起きるのを知っていたのではないか、そして南極大陸に現れた光りの巨人、アダムと呼ばれる存在のことを。
 真実を公表すると話す冬月をゲンドウはジオフロントのゲヒルン本部へと導く。そこは何者かが残した人工の空間だった。
 そこで冬月は生体コンピュ−タの研究をする赤木博士と、そして建造中のエヴァ零号機を見る。ゲンドウは冬月に向かって言う。自分と人類の新しい歴史を造らないかと。
 西暦2005年。長野県第2新東京市第2新東京大学。赤木リツコ、葛城ミサト、加待リョウジの3人が出会う。
 西暦2004年。箱根地下第2実験場。碇ユイを被験者とする極秘実験。シンジに未来を見せてやりたいという言葉が最後だった。
 1週間後、ゲンドウは人類補完計画を発動する。
 西暦2008年。リツコ、ゲヒルンでE計画に参加。偶然に母とゲンドウの関係を知ってしまう。
 西暦2010年。ゲンドウが女の子を連れてくる。名は綾波レイ。しかしレイの過去のデ−タはすべて抹消済みであった。
 そしてマギは完成した。しかしその夜、リツコの母は迷いこんだレイにゲンドウが彼女を用済み扱いしていると告げられる。レイにユイの面影を見た彼女は錯乱し、レイを締め殺してしまう。そして自らも死を選択する。
 そしてその年、ネルフ結成。
 再び、2015年。
 冬月は加持に助けだされる。冬月は加持にこれが彼の命取りになると忠告する。加持は自分の中の真実に近づきたいだけだと答える。
 問題は片づいたとしてミサトは釈放される。
 そして、加持は死を迎える。
 帰宅したミサトは留守番電話に加持のメッセ−ジに気づく。迷惑をかけたことを詫び、真実はミサトと共にあることを告げる。そしてもしも再開できたら....
 ミサトにはその場に泣きくずれることしかできなかった。もう二度と会えぬ人を想って。


<評価>


<感想とねたばらし>

 う−ん、あらすじがなんだか年表なんだか判らないものしか書けなかった。ちょっと反省。

1999年
 碇ユイさんとうとう登場です。しかし第拾六話の写真じゃもっと丸顔だったぞ。ゲンドウの旧姓が六分儀ってのは驚き。なんて意味深なんだ。
 ちなみに蛇足:六分儀ってのは測量の道具、船の航法計算の必需品。ここでは船を導くものとしてひっかけてあるんでしょう。
 しかし冬月が元教員というのは似合い過ぎ。

S2機関を手にしたエヴァ=具象化された神は不要
 あの−、そのわりには第2支部ではS2機関の搭載試験とかもやっていたよ−ですけど。(アメリカがやるぶんには構わないのだろ−か)

2000年
 セカンドインパクト、20世紀最後の年。ノストラダムスの大予言のせいか、20世紀最後の年が1999年だと思い込んでいる人は世間にけっこういるんだな。

2002年
 失語症のミサトが痛々しい。殺風景な部屋からつい「男たちの挽歌2」の精神病院のシ−ンを思い出してしまった。

2003年
 冬月がゲンドウにたいしてセカンドインパクトは予想された出来事ではないかと問い詰めます。このあたりについては、「使途はすべてゲンドウが操っている」説まであるくらいだから知っていても不思議でもなんでもない。彼がエヴァンゲリオン最大の悪役であることに異論はあるまいて。
 ジオフロントが、「何者かが残した」というのにびっくり。ど−でもいいけどこういう伏線、ちゃんと説明されるんだろ−な。
 リツコの母登場。それより注目は高校生のリツコ。をを!髪が茶色!今のは金髪じゃなくて染めているのか。

2005年
 リツコ、ミサト、加持の初代3馬鹿トリオの結成ですな。
 しかしその後の展開から思うに加持はこのころすでにゼ−レと関係があって、ミサトには計画的に接近した可能性大。
 加持はゼ−レのスリ−パ−だったわけですが、彼がネルフに入った後にゼ−レと接触したと考えるよりも、最初からスリ−パ−としてネルフに入ったと考えるのが妥当であること。そしてゼ−レが葛城南極調査隊ただ一人の生き残りであるミサトには興味をもっていたことは間違いないと考えられるからです。
 ついでに内務省云々はゼ−レとの関係をぼかすためのダミ−でしょうな。

2004年
 箱根地下第2実験場。第弐拾話で出てきた実験でしょう。前回の想像は大当たりでした。
 ただなんの実験かは不明。想像するにエヴァ零号機の起動実験か、エントリ−プラグの単体試験というあたりでしょうか。
 人類補完計画の発動を宣告するゲンドウ。影が十字架を背負っているように見えるのがこの計画を象徴しているように見えます。

2008年
 リツコ、入社と同時にE計画に配属。俗に言う親の七光りってやつですか。
 いきなり母とゲンドウの関係を目撃しますが、「不潔」とつぶやいたかは不明(笑)。おそらく、これがリツコが母をあまり好きではない理由の一つでしょう。

2010年
 レイ登場。ユイにそっくりじゃないかあ。色指定間違えたユイかと思ったぞ(嘘)。知人の子なんてたわ言を信じる視聴者はほとんどいまい。
 しかしかわいいのは容姿だけのようです。
 リツコの母にばあさんだの用済みだの所長も同意見だのと見事な小姑ぶりを発揮します。激高したリツコの母はレイを殺して身投げするわけですが、それでは今いるレイは???実はレイは死んでいなかったというのも否定できませんが、それならリツコの母が死ななければならないのはちょいと不自然。やはり、あのレイはあのときに死んでいると考えたほうが楽しい。

加持君の最後
 彼を殺したのは誰なんでしょうか。順当なところではネルフ諜報部でしょうが、見方によってはミサトであるというふうにも見える演出でした。私としてはミサトが加持を撃ったのだという考えが捨てきれません。
 ミサトの銃を強調するような演出、加持の最後の言葉、そして号泣するミサト。
 ただ恋人が殺されただけであんな泣き方(というか留守番電話を再生するところからの一連の動作)をするもんかいなというのが疑問です。やはり自らが手を下した相手の本心を知り、自分のしたことが取り返しのつかなかったことだと知って泣く。というのが成長しないミサトさんにはお似合いなんですが..深読みしすぎだろ−な。
 もし手を下したのが本当にミサトなら、それを知ったアスカとの関係が見ものなんですが。(第拾九話冒頭のシンジ状態だろ−な)
 とりあえず私の周囲でささやかれている「ミサト裏切り説」はこれでなくなったような気がします。彼女がそのような行動に出るとしたら、加持についていくか彼の敵を撃つくらいしか考えられませんからね。自分で考えて行動するキャラじゃないですから。
 しかし加持君、最後の最後までかっこいいやつ。

今週のシンジ
 ただ落ちをつけるためにとってつけたように出てきます。本質的に今回の話には必要無いキャラです。いっそのこと出さないほうがよかったのに。

ところで
 オ−プニングに出てきて本編未登場人物のうち,線の細い男性は若いころのゲンドウ、りりしい横顔の女性はユイと判明しました。しかしあと一人謎の人物がのこっていますね。あとペンペンの正体も不明のままだよなあ。
 ハッピ−エンドになるとは夢にも思っていませんが、キャラクタ−の話だけでも収拾つけるのは大変だろうに、提示された膨大なガジェットをまとめきれるのか大いに不安。
 TV放映の枠ではキャラクタ−の話にけりつけるのが精一杯でガジェットはほうり出されるような気がします。(夏のスレイヤ−ズ2の伴映は...^_^;;)

次回予告
 コマ送りでかなり楽しめる。
 アスカに待望のとどめが刺さります。楽しみ楽しみ。


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Mar.,4,1996