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第9章 「イニシャルT」
愛知県の某い○か池。
タコ星人と吉野は、ここに伝説のバサーがいるという噂を聞いて、勝負を挑みにやってきていた。
午前4時、まだ日は昇っていない。人影もない。
「とりあえずはじめるか」
「そうだな」
吉野とタコ星人は、暗闇のなかリグをセットすると、キャストをはじめた。
30分程が経過した。
「つれねーなあ…」
「ホントにバスいるのか?誰もいないし」
「だいたい、ここは釣れないよ、やっぱり」
東の空がわずかに明るくなってきた。
誰も来ない。あの噂はただの噂に過ぎなかったのだろうか。
…
…
…ぽちゃん
「なんだ??」
…ばしゃしゃっ
見ると、人影が…そしてバスを釣り上げている。
「あ、あれか!?」
見ていると、次から次にバスを釣り上げているではないか。
「す、すげー。こんな釣れない池で…」
「リグはなんだ??」
「ラバジだっっ」
ラバジ(正式名称 ラバージグ)
簡単に言うと、ジグヘッド(重りのついた針)に
スカート(毛?)の付いたものである。 ザリガニを模したものであるとも言われているが、 かなり、人間から見ると正体不明の物体である。
そのリグを確認した吉野は、ラバジをリグると、勝負を挑むべく、そいつのそばに行き、キャスティングを始めた。
30分あと、見事なまでに敗北した吉野がそこにいた。
「か、勝てねえ…す、すごい腕だ」
「敵は取る、待っててくれ」
師匠の吉野が敗北した以上、タコ星人には勝ち目がないことは誰の目にも明らかだった。
「ふ、こしゃくな。行け初号機!!」
○ヴァ初号機
15年前、人類は最初の「使徒」と呼称する、ルアー型の
物体を南極で発見した。 しかし、その調査中、原因不明の大爆発が起きた。 それが、セカンドインパク○である。 そして、それとは全く関係のない、タコ星人オリジナルの
ルアーがこの初号機であった。
「うりゃ!!」
キャスティング。
そしてリトリーブ…
「せ、制御不能!!」
ルアーは、タコ星人が思った通りのラインとは全く別のラインをトレースし始めた…
「ぼ、暴走しています、指令!!」(指令って誰だ??)
ただ単に、バランスの悪いルアーだったのだが…
「連邦のモビルスーツは化け物かっ!?」
…敗北。そして合掌。
タコ星人のルアーは、見事なまでに、岩に突き刺さったのだった。
そして、謎の人物(?)はランカーを釣り上げていた。
「名前は?」
「藤原た…ちがう、あなたの息子です、父さん」
「なにー」
タコ星人の叫びが、朝の犬山にこだました…
ラバジはとても、すごいルアーです。 しっかり使えるようになると、年中釣れるらしいです。 たまに、いますよね、ラバジ使いって。 そして、とても上手い!! まつざかも、今年は練習しようと思ってるんですけどね。(大江川で) 根掛かるんだよなあ。
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