第12章 「使徒襲来」 

琵琶湖長浜…誰もがランカーの回遊を夢見て日夜ルアーを投げる場所。
タコ星人と、吉野は長浜にやってきていた。
朝からノーバイト…そう、こんな日もあるのだが…


タコ 「釣れんねえ」
吉野 「そうやな…今年は辛いな、やっぱり」

その時、タコ星人に久しぶりにアタリが…

タコ 「うおおお来たあああ!!」
吉野 「なに??でかいぞそれ!!」
おおもの!!
どばばば
タコ 「おりゃあああ」


その時、沖から迫り来る黒い影

タコ 「敵影発見!…使徒だ!!」

使徒襲来
ぶいいいいいいいいいーーーーん

そう、その正体は陸っぱりアングラーの永遠の敵…使徒だったのだ!!
使徒
爆音を響かせ、琵琶湖、木曽川の水面を爆走する、恐ろしい ひとたち。
別名、ジェットスキー。
他にバナナボート、場合によってはバスボートと呼ばれる 場合もある。
主に陸っぱりの最大の敵となることが多いが、時によっては フローターがその殺人的な衝撃波を受けることもある

コ 「く、くるなー!!」
吉野 「よ、よけろおおお!!」

ぶいいいーーーん
ぷち

タコ 「アンビリカルケーブル切断!初号機制御不能です!!」
吉野 「なんだとおお!!」
タコ 「と、とおさあーーーーんっっ」
活動停止

使徒はタコ星人たちをあざわらうかのように、キャスト範囲ギリギリ外を爆走している。


タコ 「く、くそう、どうすればいいんだ」

完全にタコ星人達にはどうすることも出来なかった。
時だけが無常に過ぎて行く…


吉野 「…仕方ない、いまこそ究極奥義を出すんだ」
タコ 「しかし、師匠!!あれは…」
吉野 「今のおまえならできる!!修行の成果をみせてやれ!!」

・・・・・・(リグ中)
リグる

吉野 「勝負は一瞬だ!!刹那の瞬間を見極めろ!!」
タコ 「行きます…奥義! 天翔龍閃!!」

天翔龍閃
タコ星人の神速を越える、ロッドの振りで 行う、抜刀術である。
ただ早いだけなので、釣りにおいては全く役に立つことはない。
他に、龍翔閃という技もあるが、これもただ上に跳ぶだけなので 全く役に立つことは無い。
一説によると明治の初めにはやったらしい。
「ジークジオンっっ!!」
ちゅどーん!!
奥義炸裂

タコ 「や、やったぞ!!」

そう、タコはこの戦いに勝利したのだ!!

タコ 「し、師匠やりました!!勝利です!!」
吉野 「…あ」
タコ 「・・・・」

そこには、さっきタコ星人がばらした魚を釣り上げる吉野の姿があった。
やられた

タコ 「セーラさあああんっっ!!」

タコ星人の悲しい絶叫が長浜にこだました…


今回の教訓
いやあ、悪い人たちだけじゃないんですけどね。
ただ、一部の悪い人たちが心無いことをすることがあります。
まあ、向こうから見ると一番邪魔なのは釣り人らしいし。
お互い、マナーを守って釣りをしたいもんです。

[BACK] / [NEXT]