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第14章 「プロジェクトH」
バスプロ田中一郎。ゼッケン28。
日本を代表するプロのバスアングラーである。
日本のトーナメントのタイトルを総なめし、次は世界を目指す…
彼の愛艇は300馬力のモンスター!!今日も琵琶湖を疾走する。
どばばばば…
朝焼けの中、疾走する彼のボートの後ろから、1台のボートがせまりくる!
「来たか…」
そう、最近琵琶湖には謎のボートが出没していたのだ。
そして、そのボートはハイパワーを誇る、彼らプロのバスボートを抜き去って行くのである。
そして、抜き去られたバスプロたちは抜け殻のように真っ白になっていた。
今日、田中は、そのボートとの戦いに終止符をうつべく琵琶湖にやってきていたのだ!
「むう、小さいな…一体どこのボートだ!?」
そう言っている間にも後ろからボートはせまってくる。
「上等じゃないか、あっという間にぶっちぎってやる!」
ばばばば!!
しかし、ボートはなおもせまってくる。
・・・・
そして、その瞬間田中は、信じられない光景を目にした。
「何、手こぎだと!?ふざけんじゃねえ!」
そう、そこには手こぎボートを疾走させるタコ星人、そしてその後ろには、トローリングをする吉野がいたのだ!
「にや!」
「ふざけるな!!このハイパワーエンジンに手漕ぎで戦いを挑むだと!?」
「行け、タコ!!コスモを燃焼させるんだ!」
そして、タコ星人と、田中のボートとの壮絶なバトルが始まった!
とびちる水飛沫!!うなるエンジン!!
「ふ、ふりきれない!!どういうことだ」
ついに2台のボートは長浜にまで、着こうとしていた。
どばしゃ!
ここでタコ星人たちのボートが抜きにかかった。
「ばかやろう!そっちは大突堤だぞ!!死ぬ気か!?」
くん!
タコ星人のボートはフェイントモーションもあざやかに、一瞬にして向きを変える。
「か、慣性ドリフト!?」
「はーっはっはっはっはは」
吉野の勝利の笑いが琵琶湖にこだまする。
しかし…
「はあっはっはっは…あ!?」
ちゅどーん!!
やはり、さすがにボートで慣性ドリフトは無理だった…
ちなみに、タコ星人と吉野は、3日前ボートを借りたが、ボート屋が分からなくなり、やみくもにボートを走らせていただけだったという。
ボートに乗ると、なぜか、移動移動でやたらとボートをこぎ、結局あんまり釣りしてない…ってことによくなりません??
非常に疲れるてこぎボートなんですけど、あれはあれで楽しいですね。
あれ?教訓になってない。
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