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第17章 「よみがえる金髪」
あなたは、殺意を持ったことがありますか?
タコ星人は、ペットのハムスター、さんぺーと釣りに来ていた。
「こいつなら勝てる」
ここまで、散々他の登場人物達にことごとく、負けつづけ、コケにされる日々。
地球征服への第1歩として、ハムスターを征服してやろうと考えたのである。(情けない)
「どうだい?釣れてるかい?」 (訳:てめーにゃ釣れん)
「ルアーの使い方がよく分からなくってね」 「投げて巻くだけでいいんだよ」 (訳:ふ、この下等生物が。てめーにゃ釣れん)
釣りとは恐ろしいもので、にこやかに会話をする中にも、激しい精神的バトルが繰り広げられるのである。
精神的バトル
友人と釣りに行ったとき、友人のにこやかな
顔にだまされてはいけない。 奴らは敵である。釣り人は所詮自分が釣ってなんぼなのだ!! 高等技として、アタリがないのにアタリがあったふりを
して、相手を精神的に追い詰めるという技がある。
その時タコ星人の投げていたワームにアタリが!
ココン しゅびっ(あわせる)
「いやあ、乗らなかったよ」(訳:ふははは、この勝負もらった)
「すごい、魚いるんだねえ」 「君もがんばってくれたまへ」 (優越感にひたる)
タコ星人の釣り歴の中で、これほどまでに余裕を持った釣りをしたことがこの連載始まって以来あったであろうか。(いやない)
しかし、世の中そんなに甘くない。
素人のただ巻きほど恐ろしいものはないのである。
「ぬおりゃあああ!!」
びったーん
「そ、それはまさかスイムベイト!?」
スイムベイト
ここ近年、各種メディアを沸かせている、巨大なルアー。 ワーム素材のようなもので出来ていて、その重さは
下手なこばっちーよりも重いのである。 もちろん、これを投げているさんぺーより重いことは
確かなのだが、この際、それは考えるまい。
ごん!
「かかった!?」
ギャアッッ
ひったくるような、バイトと、出て行くドラグ。
そして、上がってきた魚は見事なでかバスだった…
「いやー、釣りって面白いね」 「・・・」
(今すぐ殺してえぇ!!)
そうである、スイムベイトはただ巻きが基本なのである。
燃え上がる殺意。
タコ星人の故郷は、人間より遥かに優れた文明を持っている戦闘種族なのだ!。
サ○ヤ人と戦った日々が鮮烈によみがえる。 それが、ネズミごときに、敗北する訳にはいかないのだ!
ごおおおおっっ
タコ星人が金色に変わる!
タコ星人は、スーパータコ星人になった。
スーパータコ星人
かつて、ドラゴン○ールの悟○が、ピンチの際に変身した。 ジャ○プのマンガでは、このように主人公(&敵)が極端に
強くなる傾向があり、強さのインフレを引き起こし、 かつて強大な敵だったやつらが虫けらのようにやられてしまう
という、恐ろしい結果を引き起こすのである。 バッファ○ーマン、フ○ーザよ、君達のことは忘れない。
タコ星人の戦闘力が上がる!!
10000
15000
20000!!
「地球のみんな オラにすこしだけ元気をわけてくれ!!」
元気玉
星とか、その辺の人達から元気を勝手に吸収してエネルギーを
集め、殺戮に使用するというなんとも身勝手な技。 きっと、元気玉が使用された後、近隣の住民達にうつ病の人たち
が増えるに違いない。 この場合、バス達からも元気を集めるため、間違い無く魚の 活性が下がると思われる。
しかし、タコ星人に元気が集まることはなかった。
それはそうである。
地球が滅ぼされるとかという状態ならともかく、釣りの勝負ごときに元気を貸そうなどという奇特な方などいるわけがない。
合掌。
君のことは忘れません。
安らかに眠ってください。
「僕は1匹魚が釣りたいだけなんだああぁぁっ!!」
タコ星人の声が、悲しく水面にこだました。
いいかげん、書いててタコ星人がかわいそうになってきました。
ここまで釣れないということは、もうとことんまで、釣れないに違いないです。
きっと釣れたら最終回なんだろうな。
それはそうと、初心者のただ巻きほど、始末に悪いものはありません。
ただ巻きってのは案外釣れるもので、しかも変に集中力があったりするから恐ろしい。
今までどれだけの初心者にまつざかもまくられてきたことか…
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