§6 酒池肉林 part.2
「ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ。いやぁー、甘露甘露。ふぉっ、ふぉ っ、ふぉっ」 ストレルバウは上機嫌で酒を呑んでいる。 「一体今度はどうなったのじゃ?」 「さあ…って、何この格好!?」 菜々美は自分の格好に仰天した。シェーラやファトラたちもそれぞれ自分の格好 に仰天する。 「な、なんだこりゃあ!?」 「これは紐水着ですね。似合いますファトラ様?」 皆が仰天している中で、唯一アレーレは余裕でいた。 彼女はしなを作り、自分の格好をファトラたちに観てもらっている。 「あんさん、そないな格好して、よく平気でいられますな」 「ふふ。アフラお姉様も似合ってますよ」 「そないなこと言わんでおくれやす!」 そこにいる女たちの格好は全員、官能的なデザインの紐水着となっていた。裸の 体を紐なのか布なのかよく分からないものが覆っている。従って、皮膚の露出面積 は極めて大きくなっていた。 「ファトラ、これは一体…」 「あ、姉上! その格好は…」 ルーンの格好も他の女たちと同じような紐水着だ。 ファトラは一時、ルーンの紐水着姿に見入ってしまった。 「あー、ファトラ姫、赤くなってるー!」 「ちちちちち違う! そのようなことは断じてないぞ!」 菜々美の茶化しに、ファトラは紅潮した顔を背ける。 「ファトラ様にしては珍しい反応ですね」 「ええい! 黙らんかアレーレ!」 と、突然声が挟まれる。 「これこれ。喧嘩はよさんか」 「なんじゃストレルバウ。これはそなたの差し金か?」 ルーンを庇うようにしながら、ストレルバウに詰め寄るファトラ。 「ふぉっ、ふぉっ。美しい女性方を観賞するのは実にいい。 そういうわけで、酌をして下さいませぬかな?」 ストレルバウはファトラに杯を差し出す。 「…………」 ファトラはアフラたちの方に向き直った。 アフラたちは何やら相談を始める。 「どうしたのですかな? さ、早くして下され」 しばらくすると、アフラたちはストレルバウの方に向き直った。 「………………」 「まったく、こんなくだらねえ世界作りやがって!」 「ほんに、迷惑なことどすなあ」 アフラたちはストレルバウのハーレムの建物から出て行く所だ。 「さ、姉上。こんな所はさっさと立ち去りましょう」 「ほ、本当にいいのですか?」 「構いませぬ」 ファトラはルーンの手を引いて行く。 ルーンはストレルバウの方を振り返った。 「ブクブクブク…」 ストレルバウは簀巻にされて、噴水の中に沈められている。 こうしてストレルバウのハーレムの野望はついえた。 「この水着結構気に入ってたんですけどねえ…」