このページは、日立のハイブリッドビデオレコーダーMSP1000に関して判明したことを、 まとめました。あまり、つっこんだ解説をしているページは少ないようなので、 作ってみました。以下のような人を想定しています。
ただ、私はあんまり技術的なことに濃くないので、 画質とか性能とかの面では、あんまり深く掘り下げられないのでご了承ください。 普通に使いたいので、分解とか、 バックエンジニアリングとかもするつもりは今後もないです。
それから、このページは未完成です。現状で判明した事のみまとめてあり、 少しずつ追加していく予定です。
日立が販売しているDVD-RAMレコーダーのうち、いくつかは、 パナソニック製品のOEMであるが、 MSP1000は、パナソニックのOEM製品ではなく、 日立の独自開発製品である。
本製品は、DVD-RやDVD-RWに加えて、DVD-RAMメディアが利用でき、 映像の再生だけでなく、記録も可能だが、 いわゆるDVD-RAMレコーダーとは異なる。
DVD-RAMを使う場合に限っては、 パナソニック製品や東芝製品などの、他社のDVD-RAMレコーダーとは、 記録フォーマットが全く違っているので、 DVD-RAM対応ならどうせ同じだろう、などと思って買ってはならない。
また、DVDメディアにリアルタイム録画することもできない。
CPRMに非対応のため。地上デジタル放送などを外部入力で録画することはできない(未確認だが…)。
直接録画はHDDに対してのみで、 DVDメディアへのリアルタイム録画は一切できない。HDD録画中の追っかけ再生は可能。
DVD-RAM経由で取り出したMPEG2の情報を見たところ、720x480、VBR、ビットレートは8000kbps(最大)。音声はMP2、48000Hz、192kbps
720x480、VBR、ビットレートは3600kbps(最大)。音声はMP2、48000Hz、192kbps
720x480、CBR、ビットレートは6000kbps。音声はMP2、48000Hz、192kbps
CD, CD-R, CD-RW, DVDビデオ, DVD-R, DVD-RW, DVD-RAMに対応。
記録メディアはDVD-R, DVD-RW, DVD-RAMに対応。(DVD-VR記録は不可)
DVDメニューを作成可能(作成しない事も可能)。 画面は指定されたデザインから選択する。 番組タイトル名が並ぶだけのシンプルなデザイン。
一度書いてしまうと、追記はできない。 空き容量が十分あれば、再エンコードされずに記録される。 圧縮しないと入らない場合は圧縮して格納する (均等に圧縮率を変えてくれるわけじゃないので要注意)。 4倍速には非対応だが、記録時間に実時間が必要ということはない。 でも、再エンコードなどをすると、実時間ぐらいかかってしまう。
DVDメディアに対して編集や直接録画はできない。DVD-RAM(UDF1.5)に関しては、 ファイルの削除は可能。 mpeg1は再生できないものもある。mpeg2は今のところ問題のあるものを発見していない。
項目 | 種類 | 再生 | HDDへ録画 (マニュアル操作) | DVD→HDD | HDD→DVD | 追加記録 |
---|---|---|---|---|---|---|
DVDビデオ (プロテクト有) | DVDVideo | ○ | × | × | − | − |
DVD-R | DVDVideo | ○ | ○ | × | − | × |
ブランク | − | − | − | ○ | × | |
Windows形式(mpeg) | ○ | ○ | ○ | × TD> | × | |
DVD-RW | DVDVideo | ○ | ○ | × | − | × | ブランク | − | − | − | ○ | × |
DVD-VR | ○ | ? | × | × TD> | × | |
Windows形式(mpeg) | ○ | ○ | ○ | × TD> | × | |
DVD-RAM | UDF1.5形式(mpeg) | ○ | ○ | ○ | ○ TD> | ○ |
DVD-VR | ○ | ○ | × | × TD> | × | |
CD-R/RW | VideoCD | ○ | ○ | × | × TD> | × |
Windows形式(mpeg) | ○ | ○ | ○ | × TD> | × |
早送りは、1.5, 2, 4, 8, 32, 120(HDD, DVD-RAMの場合)。 1.5倍は早聴きモードで、音の高さの補正はなし。 甲高い声の多いアニメなどの早見は厳しいかも知れない。 一方で、DVD-VRを再生する場合は、なぜか早聴きモードの音が低く聴きやすい。
スローは、1/2, 1/4, 1/8。
予約録画中に、DVD、HDDの再生も可能だが、早聴き等、 一部機能が制約される。
ADAMS-EPGによる番組表が利用できる。MSP1000にはLAN端子はあるが、 ネットワーク対応のADAMS-EPG+は利用できない。
EPG利用には、テレビ朝日系テレビ局が受信できる事が必要。 共聴アンテナ、ケーブル放送等で、チャンネルが変わっている場合も恐らく対応可能 (但し、マニュアル設定が必要で、ID設定がかなりめんどう)。
番組表更新は1日10回程度。10分程度。 その際、テレビ朝日系テレビ局を受信しているか、 電源がOFFになっていれば、番組表を取得する。
録画した番組の名前は、番組表から入手したものになる。 深夜、早朝などは、短い名前になってしまったり、 他の番組と一緒にされたりすることもある。 録画した番組の名称の修正はどういうわけかできない。
この名前は、DVD-Rへ書き込む際のタイトルとして、 そのまま使うことができる(ここでは修正も可能)。
番組表が取得できない録画データは、タイトルが空白になってしまう模様(未確認)。 DVD再生からの録画の場合は、適当な名前が付く。
ゴールデンタイム周辺は、ほとんどの番組に、 ちゃんとサブタイトルなども記述されているので便利。 逆に、早朝、深夜アニメ等はしばしば番組名すら省略される。
番組はジャンル別に検索可能。アニメと特撮は一緒になっている。 キーワード検索は出演者名のみ。出演者名と言っても、 なんでもかんでも登録されているわけではない。 それと、キーワードを満たすものを自動的に録画する機能等は用意されていない。
HDD内に録画した番組を直接編集する機能はない。 マーカー(マニュアルではチャプターマークと呼んでいる) を付けて、チャプターマーク間の指定領域をスキップするように設定することができる。 その番組を、DVD(-Rまたは-RW)にダビングすれば、 スキップした領域を取り除くことができる。 但し、DVD-RAMに元の画質で保存した場合は、チャプターマーク情報を含めて、 オリジナルのまま、保存される。画質を下げて保存した時は、 スキップした領域が取り除かれる。 HDDに画質を変えてダビングした場合はスキップ領域を取り除くことはできない(2004.2.3訂正)。
番組を結合、分割することはできない。
チャプターマークが付けられるのはGOP単位(0.5秒)。
あまりに制約が多すぎて、とても実用的とは言えない。 このためだけにLAN端子を装備した理由がよくわからない。 今後のバージョンアップでもあるのだろうか。
VOD形式で記録した番組だけが、ネットワークでの視聴が可能 VODのファイルサイズはHQとSPモードの中間。 本体をホームストリーミングモード(何もできなくなるモード) に移行しないと視聴できない。 他の形式(HQ,SP,LP)で録画したものは、変換が必要。 直接VOD形式で録画することはできる。 視聴はWindowsXPのみに対応した専用ソフトを使用。 本体からzipファイルをダウンロードし、インストール。 複数パソコンからの同時視聴はできないし、番組のパソコンへのコピーもできない。
予約録画が始まると、ホームストリーミングは停止する。
専用ソフトはXP専用とあるが、私の場合は、 Windows2000環境でも、問題なくインストール及び実行ができた (zip形式なので解凍ソフトは必要)。
オンボードLANなど、性能の悪いものを使用した場合など、 再生が安定しない場合がある。
全面にあるUSB1.1ポートにデジカメを接続するとJPEG画像が表示できる。 スライドショー表示も可能。 USBメモリなどのデータも参照できるようである。 但し、USB接続のメモリーカードアダプタなどは、ダメな可能性大。 動画は、MPEGも含め再生できない。
複数のプログラムをJSTでDVDに記録する際、再エンコードが必要な場合があるが、 その場合、各プログラムに対して、平均的に圧縮率を下げて記録されるわけではなく、ある番組はSP相当、ある番組はLP相当などと、偏った圧縮率で記録されるので注意が必要である。
例えば、30分のSPモードで録画された6つの番組をまとめてDVD-Rに記録した場合、 2つがSP相当、残り4つがLP相当の画質で記録された。
DVDMovieAlbumとMtvMAGenを使い、MSP1000から吸い出したmpeg2ファイル (SPやLP形式)を、 そのまま、VR記録されたDVD-RAMにインポートする事はできなかった。 どうも、再エンコードが必要らしい。 音声が192kbpsなのが問題なのか、VBR記録なのが問題なのかは不明。 松下のDVD-VRは音声が224kbpsなので、まずは音声が疑わしい。
チャプタースキップ情報を含む、SPのHDDのデータをHDDにLPでダビングした場合、再生時に不具合発生した。(2004.2.3。1.05ファームの場合。1.20では未確認)
1.05ファームの場合、LPモード使用の際、音とびが非常に目立つ。 アップデートCDで1.20にアップデートすることにより、著しく改善される。 現在、ユーザー登録しているユーザーには無償配布されている。(2004.2.15)
MSP1000公式ページのFAQによれば、JSTモードは、 Panasonic製品のFRモードのように可変で圧縮率を変えるというものとは仕様が異なり、 HDD記録の場合も、DVD-R一枚に収まるように、HQ,JST,SP,LPから適当なモードを 選んで記録する仕様。
時々、ハングアップなどにより予約録画が失敗する。 予約録画数を減らすと問題が軽減する傾向があるが、 確実な対処法は見つからず。
メイン機を東芝のRD-XS43に譲ったものの、今もほぼ毎日使用。 DVD-R書き込み枚数は恐らく1000枚を越えているが、 DVD-Rドライブが極めて堅牢なためか、未だに重大な品質悪化は見られない。
等倍DVDメディアがほとんど出回らなくなったので、現在は4倍メディアを使用。 MSP1000は2倍速で記録する。
記録品質を調べると、等倍よりは若干劣る感じだが、国産ならまず問題ない。 現状の推奨メディアはMaxellの4倍と太陽誘電4倍。 三菱4倍(台湾製)も問題なし。SONY4倍(台湾製)では若干不安あり。 他の台湾製4倍等は要注意。台湾製等倍メディアは4倍よりは相性がよい模様だけど、 もう手に入らないねえ(笑)。