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■児童厚生員の仕事ってなあに?詳細トップ

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 児童健全推進財団の掲示板に児童厚生員になりたいのだけれど、どんな仕事ですか?どうしたらなれますか?どんな資格が必要ですか?どこに問い合わせたらいいのですか?などの書込みがよくあります。誰か答えてくれないかと待っているのですが、そのままのことも多く、ついついお邪魔虫でおせっかいに書き込んだりメールを送ったりします。現場で児童厚生員をやっていて、これからの人に答えなくてはと思うからです。
 私は大学に8年間在籍し、就職からいろいろと大学の教授にお世話になりました。その恩返しはこれからの子どものために働こうという人たちに少しでもアドバイスでもできたらいいかなと思うからです。

 児童厚生員の資格の基礎は保育士・幼稚園や小中高校の教員資格・寮母等の資格が基礎となっています。児童館・児童クラブの仕事は乳幼児から小学生・中高校生や地域の大人やお年寄り・ボランティアなどを相手にするので、付加価値として児童健全育成推進財団の児童厚生員の資格があります。現場の児童厚生員は3泊4日の研修会と県単位の研修会等を受講することにより、児童厚生員の2級資格を取得できます。最近では保育士・幼稚園の教諭資格のとれる短期大学・専門学校等でも保育士・幼稚園の資格だけではなく、児童厚生員の資格が取れるところが出来ています。ちょうど日本レクリェーション協会のインストラクターの資格が取れるのと同じで、採用の基礎資格ではなく付加価値だと思います。

 児童館・児童クラブの職員である児童厚生員の採用は市町村単位で行われています。市町村の児童課・福祉課・たまに教育委員会管轄のところもあります。直接市町村の窓口に聞いてみたり、児童館・児童クラブの職員の方に問い合わせてみるのが早道だと思います。

 児童厚生員の身分と給与・勤務体系は本当にいろいろです。給与という点では、公務員で安定しているところもあります。市町村の嘱託職員で6時間勤務年収200万円位の人もいます。扶養を外れない程度のボランティア的な給与の人もいます。身分も私立で団体職員もいますし、公社等の第3セクター採用職員・父母会や地域の運営委員会採用という形の人もいます。休館日も日曜祭日が休みのところや月曜日や火曜日が休みというところもあります。規模も1〜2人で小さなところもありますし、5〜10人の大きな児童センターや大型児童館もあります。

 これだけいろいろ違う面をもった職場も珍しいように私は思っています。この違う面があるのが逆に児童館・児童クラブの面白さでもあるように思います。児童厚生員の研修会で80人くらいの人が集まりますと職場の状況報告を聞くだけで勉強になります。また狭い場所・広い場所(あんまりないけど)・山の中・街の中・アグレッシブな子どもだらけのところ・良い子が多いところなどいろいろな条件の中でのいろいろな工夫がされているところは子どもの遊びの発見の発明のゆりかごのように私は思います。

 児童厚生員の仕事は児童厚生員の資格取得の単位を考えてみることでわかるように思います。
 児童館の機能と役割・現代社会と子ども(健全育成論)・児童の発達理論・児童館児童クラブ論・児童福祉援助技術総論・個別援助活動・集団援助活動・地域福祉活動・安全指導安全管理・造形表現遊び・運動表現遊び・音楽表現遊び・ゲーム運動遊び・科学遊び・自然に親しむ活動・文化財活用法・その他(季節行事等)などがあげられています。

 児童館の実際の活動もサッカー・ローラースケートなどの体力増進のクラブ活動・放課後児童健全育成の児童クラブ・工作クラブ・学校週休二日制対応の土曜日クラブ・乳幼児サークルの運営・中学生高校生のクラブ活動から一般自由来館児童の相手・地域のボランティアの援助活動・豆まき会・餅つき会・センターに泊まろう会・ディキャンプなどの行事活動などいろいろです。

 遊びの内容も外では野球・缶けり・キックベース・おままごと・木登り・遊具での遊びなどをしています。中ではバトミントン・一輪車・おうちごっこ・ミニバス・卓球・ドッジボール・綱遊び・縄跳びなどをしています。集会室ではテレビゲームに大型積み木・映写会、工作室ではお姫様ごっこ・おやつ食べ、児童クラブ室では折紙遊び・オセロ・バックギャモン・マグネット積み木遊び・図書室ではマンガ読みとゲームボーイ・カードゲーム、ローラースケート場ではローラースケート・インローラーなどで遊んでいます。

 といった感じで児童館・児童クラブ・児童センターの活動は本当にいろいろと思います。その中で最近私が感じていることは、やはり児童厚生員の仕事は@遊び環境作りA安全管理B子どもの遊び援助ではないかということです。

  @遊び環境作り 子どもにいろいろ遊びを教えることよりも遊び環境つくりのほうが大事ではないかと感じています。児童館・児童クラブの周りの草取り・ゴミ拾い・木の剪定・館内の清掃等児童厚生員はまず子どもの遊びの環境作りをすることが大切と思います。犬の糞や草ぼうぼうで遊べない環境ではだめじゃないだろうかと思うからです。館内清掃も児童厚生員がやらなければ子どももやらない。生きていくことは食べて寝て、トイレに行き、ゴミを出していることでもあるから、そうした身の周りのことをきちんと児童厚生員がやることで、子どもたちの事理弁識能力もたかまり、声かけをすることで子どもも整理整頓をするようになるのではないかと思う。

 A安全管理 最近の子どもは傷つけやすく、傷つきやすい。また若いお父さんお母さんもすぐに切れてしまう人も増えている。まず児童館・児童クラブが安心して遊べるための安全管理を最優先することが大切と思う。このためには自分で考え行動し、自分で責任を持つこと・・責任弁識能力・・が必要である。細かい規則を作らないで、TPOに応じてやってよいこと悪いこと・言ってよいこと悪いこと・やってよい場所悪い場所がわかるように働きかけることが必要と思う。遊戯室で小さい子どもがいれば強くボールを蹴ったり、バトミントンのラケットを振り回してはいけないけれど、小学生がまだ来ないで、中学生だけなら思い切ってやっても良い。そんな判断力ができるようにと思う。そのための声かけが必要である。
 また安全管理上、建物や遊具に瑕疵がないかを点検し、瑕疵があるならば速やかに応急処置をし、修繕の必要があるなら修繕の手配をする。これらは毎日必ずやらなけれはいけないことである。子どもの遊び相手や行事等よりも優先していると思う。ということは行事活動やクラブ活動等の準備や会議ももっと能率的に行っていくことが必要と思う。

 B子どもの遊びの援助 @とAが出来て次に子どもの遊びの援助があるように思う。このときに大事だと思うのは、今遊んでいる子どもの遊びから学ぶことではないかと思う。張り切って子どもに遊びを教えようとは思わないで、子どもから教えてもらうと思っていると子どもも喜んで教えてくれる。それが子どもの遊びの援助の仕方の一つなのである。次によく遊べない子どもがいたら個別援助で遊びの楽しさを伝え、次第に遊び仲間の中にいれて、グループワークへと発展させることが大切と思う。

 いろいろ書いてみましたが、現場は試行錯誤で失敗と失敗と失敗の繰り返しの中で成功することもあるということだと思います。失敗を恐れないでお互いにがんばりましょう。
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