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■不思議を感じる心を大切にしよう  詳細トップ






   

 ホームページでヘリコプターが動いているのを見るとどうして動くのかなと不思議に思います。たぶん3つくらいの絵が組み込まれていて、1秒の間に3回くらい絵が変わるように設定されているのだからだと思います。でもこうしたことを不思議と感じるのはその人の主体性の問題で感じない人は何も感じません。昔ロボトミーという手術があり、精神異常の人を脳の手術をしてしまうことがあったそうです。もちろん今は禁止されていますが。ロボトミー手術をされると感情がまったくなくなってしまうのだそうです。


 怖い話はおいておいて、人間の自主的な不思議を思う心は大事だと思うのです。これはとくに「まほうとまほう」のりょうちゃんの活動で再認識し、書こうと思いました。不思議だと思う心はその人みずからが持つ以外に持たせることは出来ません。無理やり見させ、聞かせ、身体を動かさせることは出来ないことはありません。でも不思議だと思えというのは無理のようです。子どもは不思議だと思うと眼をキラキラ光らせます。『なんだろうな。面白そうだ。』と思い始めた時のキラキラ度は最高です。子どもの活動を援助する手法の一つとして私はこの子どもの不思議探検の心をうまくつかむことが大切だと思います。
りょうちゃんのマジックのホームページまほうとまほう


 どんぐりコマ作りをするときを考えてみましょう。『今日はみんなでどんぐりコマを作ります。』と宣言するとすぐに『俺は嫌だ』と言う子どもがいます。『ともやんはいつもそう言って嫌だというのはよくありません。してみないうちからなんですか。』子どもも本当は嫌だと一応言ってみたかっただけなのにその指導員の言葉に反発して『嫌なモンは嫌だ。おれは野球する。みんな野球しようぜ。』指導員は『ともやんが野球やるのはよいけれど、他の人を無理に誘うな。』などとどんぐりコマを作り始める前にトラぶってしまうこともよくあるものです。


 不思議を使うとうまくどんぐりコマに誘導することが出来ます。『今日はこの袋の中に何か入っています。なんだかなあ。』なんていうと猿の子どもと群れ遊びを好む人間の子どもは一緒ですから興味津々で近づいてきます。『ともやん。何だと思う。』『わかるわけないだろ。』『そうでもなんだと思う』『うーん飴。』『ピンポン。飴あげるよ』そこでみんなに飴を舐めさせながらマジック風に『もう袋の中は空です。ひっくり返しても出てきません。おや何か出てきたよ』なんてやればみんな嫌でもついてきます。不思議だと思う心を誘発することによって、活動が自主的なものに変化するからです。


 どんぐりを取り出したあとは、このどんぐりに穴を開けておいたから、爪楊枝をプッシュボンドをつけとめる。次にペイントマーカーで自由に色を塗ります。色を塗ったあとに回したらどんな色になるか考えてみましょう。・・見本に白と赤で色を塗ったコマを回し、どんな色になるかを考えさせ、ピンクになることで不思議な心を育てることも大事と思います・・子ども達は不思議を感じながら、自主的にコマつくりをするようになり始めます。もちろん内気でやらない子どものことは予め考えておいて、実験に使ったコマをその子にあげるようにするのも大切です。作れない子どもが3人いたら3っツ余分に作っておけばよい話です。


 不思議を感じる心は工作のときだけでなく、身近な自然を観察するときもとても大事だと思います。アリが出てきたら、このアリはどこに歩いていくのか調べてみよう。じっくりゆっくり観察しても楽しい。雨が降ってきたら、雨の音というけれど雨の音とはなんだろうかを考える。雨が土にあたる音・テントの屋根のあたる音・傘にあたる音・葉っぱにあたる音などいろいろです。じゃあバケツを置いたらどんな音になるだろうか。コップはどうか・皿・ポリ袋・プラスチックの容器などとやっていくと雨の音が不思議な世界を作っていることもわかってきます。


 植物なんかも一緒です。この草は食べられるかどうか考えてみよう。近所の人に聞く・虫めがねで拡大してみる・図鑑で調べる・パソコンで検索する・ちょっと噛んでみるなどいろいろな実験をしてみると不思議が広がってきます。たんなる雑草としてしか見ていなかったものが、ハコベであり・ハコベは食べることが出来・虫めがねで見ると細かい毛がついている・ひよこ草といいひよこが好き・においがするなどとどんどん不思議の世界が広がっていくのです。


 子どもはある意味ではファンタジーを生きています。行事活動でもお化け屋敷や肝試しが大好きです。ごっこ遊びも大好きです。ジャンボ風呂敷やちょっとした小道具を用意しておけば、自分達でお化け屋敷なども作り、遊んでくれます。お化け屋敷を作ること自身が遊びで作ったお化け屋敷で遊ぶのも遊びになります。不思議の心を豊かに育てていきたいと思っています。


 「まほうとまほう」は子どもの遊びのリンク集から見つけて知り合いになりました。ちょっと多くの人数を相手にする親子の集いや保育園や児童館の行事などに使ってみたいと考えています。不思議不思議と思う気持ちを持たせれば、大きな声を出さなくても、静かなる集中でマナーの良くない子どもも大人も静かにさせて遊ばせることが出来るようになると予想しています。不思議の心は自主的ですから、自主的に静かに集中してくれるように思います。


 もう一つ不思議の心を育てるためには虫めがねは使うけれど色めがねでは見ないことだと思います。私は25年程前に肢体不自由児のための養護学校に勤務していました。そこで脳性まひの子どもや肢体不自由の子どもの6年生の理科の授業をしていたときのことです。ヨウ素でんぷん反応の実験をしていました。ソーセージにヨウ素カリ液をたらしたら反応するかという実験をしました。たんぱく質だからしないと私も普通の子も予想しました。でも一番学力のないともちゃんは反応すると言いました。見事に反応。じつは魚肉のつなぎにでんぷんが使われていたのです。ともちゃんありがとうございました。


 これからが一番大事な話です。ヨウ素でんぷん反応というのは、青紫色になることになっています。ところがともちゃんはヨウ素でんぷん反応の色は赤紫もしくは赤黒色だというのです。そういわれてみるとたしかに青紫には見えません。そこで高校の理科の専門の先生に聞いて見ました。ヨウ素カリ液は高いので、ヨウ素をエチルアルコールで溶かしているから、青紫色にはならないのだそうです。そういわれてみると本当の青紫色のヨウ素でんぷん反応は見た覚えがないように思います。ちょうど信号の色が緑なのに青というから青に見えているようなものです。色めがねで見ていると見えるものも見えなくなってしまうものです。


 養護学校のともちゃんに感謝しつつ、子どもも色めがねで見ないで、子どもの実の姿から素直に学びたいと考えています。


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