萌え燃えシスターズ 作品解説3


メダマートビル

メダマートビル

舞台となったメダマートビル。 そのビルは「眼玉衛星通信」、「眼玉衛星証券」、総合デパート「メダマート」 などを有するメダマグループが建造したビル。

(技術解説)窓もこれまたProcedural Texture。 HullPlate(Essence)とBrick Texureを組み合わせている。
煙は、長方形の平面オブジェクトに、Freewareの、Fractal Noise Textureと、 EssenceのCylindfr(Cyrindrical Fractal) Textureを組み合わせて、 使用し、Textureを平面にTacking(つまり、Lock state)させて、 その片方をすぼめて台形状にして使用。実際煙を動かしてみると、 まだまだツメが甘いなと思う。まぁ、煙の表現のリアルさには、 そんなにこだわりはないんだけど。なんか演出としても物足りないなぁ。



可児子登る

可児子登る

ビルをよじ登る可児子。登るのに使っている道具はクラブクライム(Crab climb) とかいう名前が付いている。

(技術解説) みなさん、きっと、ここは可児子の姿の映り込みがあった方が よかったと、おっしゃるだろう。残念ながら、制作中に、あまりいいアイディアが 思いうかばなかった。ここをレイトレーシングでやろうとしてはみたが、 あまりに遅く不可能だった。鏡像オブジェクトを向かい側に配置するという 方法は可能だったかもしれない。やってみないとわからない面もあるが。
ビルを登るというモーション付けは、Stage Editorでの、 Group States Edit機能を多用して行なった。両手にクラブクライムを装着 している分、位置合わせが難しくなり、かなり苦戦した。



I.S.A.マトイアタック

I.S.A.纏(まとい)攻撃

萌え燃えシスターズ唯一の武器が、I.S.A.の所有する纏(名前はツキマトイ。笑)。 といっても主に不法駐車車両の排除や、救助の際に邪魔になるものを壊す目的に 使用する。

(技術解説) I.S.A.の動きは、Group States Editと、Freeze機能を使って、両足を 地面に固定させて、上体の動きを作っている。纏のひらひらは、自動で ひらひらさせるようなツールがないので、自力で動きを付けた。だから、 やっぱ、いまいち(苦笑)。
纏のひらひら(これって本当はなんて呼ぶのだろうか) にはBonesが入っている。ひらひらを動かす際、 Inverse Kinematics機能が役立っている。人物の動きに使うよりも、 スカートやら、纏のひらひら部などを動かす時などにこそ、むしろ、 IK機能が役立つ。人物にも、もちろん若干は使っているんだけど・・。
ガラスの粉砕にはこれまたShredder Effectを使用している。Shredder Effect は粉砕したパーティクルが、その後に、地面に接触してはね返るといった、 高度な表現もできる・・といっても、別に地面との衝突判定ができるわけ じゃなく、はね返る位置を数値で指定できるのだ。今回は散らばる対象が ガラスだったので、はね返りの度合は弱めに指定してある。
これだけ動くものがあると、動きを確認するのも大変である。Imagineは 特にアニメーションのプレビュー機能が弱いので、こういうシーンは しんどい(笑)。何度も、AVIファイルを生成して、動きを確認した。



ヘナの眼鏡は世界一

ヘナの眼鏡

今回、眼鏡っ子がどうしても出したかった。やっぱ、眼鏡っ子はいい(おいおい)。 そういえば、可児子はスパッツだし、ヘナの肌の色は眼鏡かけた黒人系だし(それほど 黒くないけど)、なんか、やっぱ、少女革命ウテナを意識してるんじゃないかと 言われそうだが、実は眼鏡っ子の黒人は前からいいなぁと思ってたんだけど、 ウテナに先を越されただけである(笑)。だから、次回作では、さらにひねった 眼鏡っ子をやりたい(おいおい)。
ヘナの持っているコンピューターは、その時代に普及している AMAGI700ノートパソコンの筐体をベースにしているが、CPUは、 スペースコロニーで開発された超高速なものに入れ換えてある。 地球のエレクトロニクス技術は、コロニーのものより、20年は 遅れていると言われている・・ってとりあえず考えてみた(笑)。

(技術解説) その眼鏡はちゃんと特殊機能を有する。この映像をやる時、安易に レイトレーシングを使ったので、めちゃくちゃ計算時間がかかってしまった。 場合によっては1フレーム20分近くかかる部分もあった。馬鹿正直に レイトレーシングを使わず、マッピング等でうまくレンダリングタイムを 節約するとかいう工夫をした方が、良かったと反省している。
なお、ヘナの体は、Jitter Effectを使用して、 若干揺らしている(他の場面でもJitter Effectを人物に使っている) こうすると、ちょっとは人間ぽくなると思うんだけど、どうかなぁ。



眼鏡を通してみた風船

眼鏡を通してみた風船

この画像ではわからないのだが、風船には文字が書かれている。 この文字は、DoGAのコンテストに応募した時の映像には、 入れていなかったが、話をわかりやすくするため後で入れた。 でも、ちょっと見づらかったなぁ。

技術解説 眼鏡の外の画像は、平面オブジェクトに、事前にレンダリングした ビルの画像にペイントソフトでぼかしを加えたものを、マッピング したもの。ゆらゆらくるくる動く風船は、螺旋状のモーションパス 作りそれに沿って動かしている。 実は、モーションパスを使ったのは、このシーンぐらいだ。



可児子の消火活動

可児子の消火活動

消火活動をする可児子。クラブクライムを組み立て直すと、 消火ポンプにもなる。 どこから水を汲み上げているのかということは、22世紀のテクノロジー 最大の謎である(おいおい)。
わずか2秒のシーンに、炎、煙、水と、いろいろ盛り込んでいて、 正直言ってもったいない気がする。もう少し秒数が欲しかったが、 このシーンが最も最後に作ったカットで、その時間が、 音楽とのタイミング合わせの都合上、2秒しか、余っていなかった。

(技術解説) ImagineのフラクタルTextureのオンパレードのようなカット。
煙はEssenceのFractal filter Texture。炎はFire Texture、 水はフリーウェアのFractal Bump Textureをマッピングし、 回転させ、Jitter Effectで揺らし、Bump形状もパラメータ変化で、 変えている。



迷彩消防車

誘導される消防車

なぜか消防車は迷彩塗装。ちなみに、萌え燃えシスターズは私設だが、 この消防車は公営の中京都消防局の所有物。実は、防災活動の際、不法行動 の多い、萌え燃えシスターズは、警察からも指名手配を受けているお尋ねモノ だが、予算が少なく、複雑な官僚システムに組み込まれた中京都消防局は その救助活動はどうしても迅速さに欠け、萌え燃えシスターズに何度も 助けられていることもあり、彼女らの活動を黙認している。

(技術解説) 迷彩模様はJersey Textureを使用。 ライト等は、Fog TextureにOverDriveの指定をして表現している。 ただ、Fog Textureを使う場合、オブジェクトが重なると表示が おかしくなるという問題がある。そういう場合はFake Textureなどを 使った方がいいかもしれない。



螺旋階段を登るヘナ

螺旋階段を登るヘナ

螺旋階段を登って苦しいという表情を表現したかったのだが、 これを観た友人達は、気持ちよさそうに見えるという(笑)。 今回、人物に歯を入れたので、歯の裏側が見えるような絵を 作ってみたかった。でも、あんまりかわいくないかもしれない(苦笑)。
ところで、このヘナが螺旋階段を登るシーン、靴をよく見てみると・・・。 最初から、気がついた人はすごい!

(技術解説) 螺旋階段を登らせるのは大苦戦の連続だった。位置あわせが かなり難しい。あらかじめ、階段を登るポーズを荒く作っておき、 ステージに読み込ませて、調整した。 もうちょっとくたくたになってる演技を入れたかったが、とても その余裕はなかった。



ほっとする可児子達

任務終了でほっとする可児子達

背景の有機中華饅頭は全国チェーンのファーストフード店。有機の入った饅頭を 食わせるのだ(おいおい)。
それにしても、人間の表情付けって難しいなぁ。下手なのはソフトのせいじゃなく 私のスキルが足らないので念のため。

(技術解説) Convert Image機能を使えば、立体ロゴは楽にできる(ちなみに面取りとかしろと言われたら 困る。笑)。ってことでついつい文字看板を増やしてしまう。


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Last Modified on Monday, 20-Aug-2007 18:09:14 JST