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 相互伝達・相互扶助・隣保相愛を本能的なボランティア精神で活動しているのがミツバチやアリなどの昆虫達のやり方であるようだ。私はこうしたやり方を人間のボランティア活動や児童センターの活動にも取り入れたらずいぶん上手く活動できるのではないかと考え、実践している。

 相互伝達・相互扶助で活動すると行事等の打ち合わせ時間があまり必要とされなくなり、行事の日常化がはかれるようになるのである。平島公園の草取り・フリーマーケット・花火大会などもほとんどオートマチックに仕事がなされるので、会議ということがなくても15分程度の相互連絡でできる。『私、駄菓子買いに20日にいきます。一緒に行く人いませんか。』『花火はじゃあこっちにお任せね。20000円でいいですか。』『レシートでよいから領収お願いね。』『ジュースとビールはいつものようにY酒店にお願いしときます。』『ポップコーンは子ども会で3時から作ります。』『フリマは町内にチラシいれます』という感じで相互連絡で仕事がされていきます。


 こんなふうにオートマチックに活動していくとずいぶんスピディーなことができるようです。ところがこの活動は本質的に自己責任と自由意志に基づいて行われるのですが、これを勘違いする人が活動の中で出てきます。他人の行動をオートマチックに決めてしまうのです。これは活動の邪魔になります。


 日本ミツバチはスズメバチに襲われるとおしくらまんじゅうをしてスズメバチの体温を上げ、スズメバチと戦います。この過程の中で何匹かの日本ミツバチはスズメバチに殺されます。確率的には最初につっこむミツバチが殺されるでしょう。でも本能的なボランティア精神で自主的にやっているのであり、他のミツバチが最初に『お前が行け。』などと指示しているのではないのです。それをやったらおしまいなのです。同様にボランティア活動等においても、他人の行動を決めてはいけないのです。あくまでも自己責任の原則と自由意志の原則が基本となります。


 てなこというと、職場でも自由意志でやりたいという人も出てきます。それはダメです。人間は本来怠け者の要素があり、自分からスズメバチに突っ込む人は少ないのです。子どもの職場にいたら、大阪の事件のような場面に出くわしたら、犯人にしがみついてでも阻止しなくてはいけません。それは自由意志だけとはいえないでしょう。ゴミ捨てやトイレ清掃・草取り等仕事としてやらなくてはいけないことがあります。ただやるなら楽しくやる方法をうまくやったらよいと思うのですが。話はとんじゃいましたが、ボランティア活動等においては自己責任と自由意志によるオートマチックな活動が大切で、他人の行動をオートマチックに勝手に決めるような人は害になることが多いので注意が必要ということです。


 お母さんや大人が子どもの行動をみんな先回りをしてやってあげたり、いつもだれかの指示で受けることばかりで行動することしか出来ないと、自分の意志では動けない子どもが出てきます。指示待ち人間なんかはそうなります。指示がないと動けない。でも指示で動いても不満をもっているし、都合が悪くなると他人のせいにするのです。『お母さんの言うとおりに、N高校に行ったのにうまくいかない。俺の人生をどうしてくれる。』などと家庭内暴力に発展することもあります。そこまでいかなくても自由に自己表現できないで引っ込み勝ち。『お菓子食べる?』なんて声かけても黙っている。横でお母さんが速射砲のように『食べるの?食べないの?はっきりしなさい。いつもあなたはそうなんだから。はい。いただきなさい。好きなんでしょ。だからすぐに返事をしないさいといっているでしょ。せんせいいただきます。ありがとうございました。はいあなたもお礼を言いなさい。』いいつづけていることはよくあることです。これでは子どもの出る幕が無いですね。


 指示待ち族・自己決定の出来ない子ども同時に自己責任をとれない子どもに対する手法を考えてみましょう。まず最初から自己決定・自己責任で自分で決めなさいなどといっても今までが今までですからうまくいきません。急に突き放された思い、依存がますます強まってあかちゃん返りをすることもあります。


 私は選択肢をいくつか用意をしてその選択肢の中から子ども自身が選ぶのをじっくり待つようにしています。お菓子を食べるときでも『オレンジジュースと150円のアイスとチョコチップと袋入りお楽しみ袋とがあるけれど、どれがいい。』と聞きます。そして子ども自身が『アイスを食べる。』というまでじっくり待つのです。子どもは少しづつ自分の意志で決定することを覚えていきます。自分で決めたことですから、結果がよくなくても人のせいにすることが少なくなります。小学校入学のときでも『附属小学校と校区外でA小学校と校区内のB小学校に行くことができるけれどどこの学校にする。』中学入学の時には『付属中学校と私立のA中学校とB中学校と公立のC中学校に入学できる。私は私立のB中学校がよいと思うけれど。どうする。』と聞きます。ちょっとつらいことや作業をやるときにも選択肢を用意しておくと自己決定・自己責任でやることが出来ます。『今日はこれからみんなで外の清掃をする。燃えるゴミ拾い・プラスチックゴミ拾い・草取り・草集め・ガラス拭きがあるけれど、どれでも好きな仕事をしていいよ。』といえば自分で選択したことでずいぶん気持ちよく作業ができるものである。


 工作などの遊びの指導も一緒である。『今日は折紙をします。』というととたんに『俺折紙嫌だ。』と言い始める子どもがいます。工作を始める前に指導員と子どもとトラぶったりしていることもあります。こういうときは『今日は折紙をやりますが、なんと赤・青・黄色・緑・ピンクの色紙があります。それにチラシで作ったジャンボ折り紙もあります。どれを選んでも良いですよ。さあどれにするか心の中で自分の意志で決めましょう。時間は10秒以内です。10・9・8・7・6・5・4・3・2・1・0 決めたかな。』とやればみんなついてきます。群れ遊びの時代の子どもはこういう感じにするとうまくいきます。


 選択肢をいくつか用意して、子ども自身の意思で決定させ自己責任をとる手法は使えると思います。

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